立てたい予定があるから。
涼しい夜が続いている。
過ごしやすくて、快適。お風呂上がりが心地いい。だけど、この涼しい風が
夏の終わりを告げているようで悲しい。
外に出る気も失せる暑さにげんなりしていたんだから秋の到来に喜べばいいのに。
終わりが近づいてくると無性に名残惜しくなってしまう自分のわがままさに思いやられるなあ。
毎年、この時期はそんなことを考える。
でも、今年はいつもと違った。
たしかに夏の終わりは名残惜しい。
楽しかった分、
夏の暑さが和らいでいくのが寂しい。
いつもなら、
ここで感傷に浸ってしまうほど落ち込むのだけれど
今年は案外カラッとした気分でいる。なぜなら、
この先に予定があるからだ。
9月、10月と自分が楽しみになる予定をあらかじめ入れておいたのがどうやら良かったらしい。
夏が終わるのは寂しいけれど、
秋が来るのは楽しみだ。
私を楽しくさせるこの先の予定とは、
具体的なものだけじゃない。
今年の夏は旅行をした後に、
また訪れてみたい場所が見つかった。
野球観戦にいけば、
また見に行きたい試合が出てくるし。
本を読んでいると、
行きたい美術館やショップができる。
「ここ、行こう」「あれ、見よう」
「これ、やってみよう」
いつって決まってるわけじゃないけど、
この先に自分のやりたいことがあるってだけで心が軽い。
立てたい予定がある。
だから、夏の終わりも寂しくない。
元気な私にとってそれは、
当たり前のようなことだけど。
少し前の自分を思うと、
予定が立てられるっていうのは
けっこうすごいことだ。
目の前が暗いと
どうしたって今しか見えない。
自分の予測は全部暗くて、
それは予定を立てるっていうより
悪魔の予言が立ち並んでるような憂うつさ。
ちょっとでも
自分が明るくなる予定が立てられているってことは
それだけパワーがあるって証拠なんだと
今の私は思っている。