
家族のような関係に心が温まる漫画『の、ような。』|漫画オススメまとめ#131
好きな漫画を勝手にレビューしている
「漫画オススメまとめ」
今回、紹介するのは『の、ような。』です。
前半はレビューを、後半では最近の漫画に感じることを書いています。
家族のカタチを見つける物語『の、ような。』の魅力
この漫画を買ったきっかけや、ずっと読んでいる理由は、正直自分でも、はっきりとは分からないんです。
ただ、この物語の出発点に惹かれました。
主人公の希夏帆は、両親を事故で亡くした中学生の冬真と、幼稚園児の春陽を、引き取ることになります。
彼女は、恋人の愁人とともに、自分のマンションで、この兄弟と新しい生活を始めるんです。
この漫画から感じたことは、二つあります。
一つは、希夏帆は言葉の選び方が本当に優しい、ということです。
物語が進むにつれて、やはり他人同士なので、気を遣う場面も多くあります。
ただ、気遣い合うというよりは、自然体で一緒に生活しているように見えるんです。

ねぇ おじさんと おばさんが
新しい お父さんと お母さんなの?

ちがうよ
春陽くんの お父さんとお母さんは
もういないけど 代わりはいないよ

いや… 親みたいな事 ちゃんとできない
かも…というか ムリだと思うから
それなりに そこそこ なんとかする
希夏帆はこれまで、結婚、出産、母親、いずれの道にも進みませんでした。
2人を迎えるときも、無理をして母親役を演じようとはしません。
「できないものはできない」というスタンスを崩さない。
それが逆に、家庭内で良いバランスを生んでいるように見えます。
いい意味で肩の力を抜いた関係を、この4人は築いているんだと思いました。
そういった柔らかい空気感と、家族のようで家族ではないけれど、確かに家族として生きている彼らの関係性が、この作品の魅力だと思います。
もう一つは、登場人物たちの成長が無理のない形で描かれていることです。
子育てを語る資格は僕には全くないですが、「家族にはいろんな形があっていいんだな」と思わされます。
その過程で、彼らが少しずつ家族っぽくなっていくのを見ていると、嬉しい気持ちになります。
読んでいて温かさを感じるんです。
なかでも、個人的に面白いと思ったのが、ママ友との交流シーンでした。
最初は気を張る関係だったのが、

少しずつ心を開き、料理の仕方やレシピを教え合うようになる過程が、描かれています。

大人になると甘えられなくなる人が増えるなかで、こうした心の交流が描かれているシーンは、非常に心に響きました。
ぜひ一度読んでみてください。
(ヘッダー画像引用元:コミックトレイル⚡毎週(金)更新!@comic_trail)
ここから先は、「これだけでnoteを一本書けるかもしれない」と感じている事について、書いています。
最近の漫画に感じること
最近聞いた話で、印象に残っていることがあります。
『あしたのジョー』の主人公は、リングの上で最後は灰になる、という非常に象徴的な終わり方をしました。
一方で、『はじめの一歩』の主人公は、パンチドランカーになって、今ではコーチの道に進む、という展開になっています。
昔のボクシング漫画であれば、シンプルにチャンピオンになって終わるのが、王道だったかもしれません。
ただ、今はそう簡単にはいきません。
『はじめの一歩』の森川先生も、きっとその複雑さを理解して、描いているんだろうなと感じます。
昔と今とでは、漫画に求められる内容や表現の仕方が、全く異なっていますよね。
今の漫画とターゲットの違い
ふと考えると、僕にとっては「この設定が面白い」と感じる新作漫画は、少なくなっているような気がしました。
時代の変化に伴って、今の漫画では「呪いもの」などのテーマが、増えてきたなと感じます。
たとえば、『呪術廻戦』のような作品が人気です。
少し前なら、ウェブ系の漫画はエログロからスタートするものが、目立っていました。
また、漫画を読み続けていると、このシーンはあれからインスパイアされたんだろうな、と感じることもあります。
しかしながら、純粋に「あ、この設定は面白いな」と思える漫画に出会うことは、減ったように感じました。
ただ、その漫画で想定されているターゲットから、自身が外れていることも考えられますよね。
たとえば、僕は『鬼滅の刃』が微妙にハマらなかったんです。
もちろん『鬼滅の刃』が悪いわけではなく、僕がターゲットではなかったんだと思います。
どのような漫画にハマるのか
一方で、『チ。―地球の運動について―』には完全にハマりました。
あの衝撃をまた味わいたいと思うくらい、作画と内容が見事に合致していました。
ストーリーと出版のタイミングも世の中に合っていて、非常に良いタイミングで登場した作品だったと思います。
世の中に対して、何か提言したいわけではないし、提言する必要も全くないんですけど、
それでも「この作品がこの時期に出てくれてよかった」と感じる作品です。
そんな日がまた来るかなと、思わず考えてしまいます。
漫画との出会いに期待すること
というのも、僕には「新しく面白い設定の漫画を読みたい」という期待が常にあるんです。
10巻以上続くような漫画で、しかも読み進めるたびに「次も読みたい」と思える作品に、出会いと思っています。
これだけ多くの設定が存在するなかで、大半の漫画がどこかで、似たような要素を持っているかもしれません。
それでも「読みたい」と思わせてくれる作品に、出会えることが大切です。
そうした作品を手に取れることを、いつも心の底から楽しみにしています。
最後に、ぜひ皆さんの好きな漫画を、コメントで教えてください!
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