【読書感想】『現代民俗学入門』(著・島村恭則)
panpanya先生のマンガに惚れ込み、そこで考現学という分野があることを知った。考現学に少し触れてみたところ、どうやらその源流には民俗学があるらしい。柳田國男先生の著作は少し読んだことがあり、水木しげる先生によるマンガ版『遠野物語』も読んでいたので、もともと民俗学という分野には少し興味があった。
そのような流れで「もう少し民俗学の基本を押さえておきたい」と思っていたところ、辿り着いたのが本書『現代民俗学入門』だった。
本書は身近な例を通して民俗学の基本のキを紹介している。図解も豊富でたいへん読みやすく、分かりやすい。『現代民俗学入門』という名の通り、私のような民俗学の入口をおそるおそる覗き込んでいるような初心者に向けて作られている。
以前、今和次郎先生の『考現学入門』を読んだことがある。内容はたいへん興味深く面白かったが、その手の分野について初心者である私には少々難しく感じる内容であった。私が事前にイメージしていた入門のイメージから少し距離があったものだが、こちらはまさに入門編といった内容だ。
民俗学という言葉については、柳田國男先生のイメージから何となく伝統や因習、昔話といったイメージを感じていた。しかし、それらのイメージはあくまで民俗学という世界の一部でしかないようだ。
実際には日常生活からインターネット、過去から現代に至るまで、広く大きく繋がっている学問だということを分かりやすく知ることができる。
著者は民俗学を「人びと(=民)について〈俗〉の視点で研究する学問」と説明している。俗のあるところ、あまねく民俗学は存在するのだ。
本書のおかげで、民俗学という言葉へのイメージが大きく変わり、ますます興味が深まってきた。民俗学という世界を通して知的好奇心が刺激される感覚があって、たいへん良い。初心者向けの、広大な民俗学への入り口としておススメしたい。