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2022年 印象に残った本5選

2022年に読了した本の中から、特に印象に残っている本を5つ選んでみました。

2022年に発刊された本に限定しているわけではなく、あくまで私が今年読んだ本という条件です。


■モモ(著:ミヒャエル・エンデ)

もはや説明不要の超有名作品ですが、きっちり読んだのは今回が初めて。
長く読み継がれている金字塔的作品なだけあって、社会風刺的な側面がありながらも、それはそれとしてキッチリとワクワクできるファンタジーな冒険物語になっている偉大な作品でした。
今の社会を見ていると、今日もどこかで「灰色の男たち」が元気いっぱいに暗躍していそうな気がします・・・


■恩讐の彼方に(著:菊池寛)

こちらも文学史に名を残す有名作品ですが、読了したのは今回が初めて。
大罪を犯して逃亡し、やがて命を懸けて人々を救うという贖罪に至った主人公の市九郎。敵討ちのために市九郎を追う実之助。その2人の人生、贖罪と復讐が交錯した彼方にあるものを描いています。
短編ではありますが、とても濃密に人の業を書いた名作でした。
私の大好きな池波正太郎先生の作品もそうですが、人の業を力強く描いている作品には大いに惹かれるものがあります。


■1999年のゲーム・キッズ(著:渡辺浩弐)

渡辺浩弐先生によるゲーム、もしくはIT技術を題材にしたSFショートショート集。
どの話もアイデアが秀逸で、ユーモアあり、風刺や皮肉あり、ブラックで背筋がゾッとするような話もあり。それらがしっかりとゲームやIT技術と紐づいた話になっていて面白い。
執筆されたのは90年代ですが、現代の最新技術を先取りしているような話もあるのが凄いところです。
星新一先生のショートショート等が好きな人であれば、間違いなく楽しめる一冊ですね。


■今夜、すべてのバーで(著:中島らも)

これまた説明不要であろう中島らも先生の名作小説ですが、今年になって初めて読みました。
酒で体を壊し尽くして入院した主人公が、様々な人との関わりを経て、アルコール依存や生きる意味、「なぜ人は酒を飲むのか」について思いを巡らせていく酒飲み酩酊小説。
作者の実体験を基にしているというだけあって、酒に依存する人達の心情や治療風景等がやたらとリアル。
自分は酒飲みではありませんが、本作で酒を通して描かれている現実から逃避するための依存、正気と依存という名の狂気の狭間、というものには大いに思うところがあります。
作中、「"依存"とは人間そのもの」「何かに依存していない人間などいない」という旨の台詞がありますが、それがまさに真理なのでしょう・・・


■戦国、まずい飯!(著:黒澤はゆま)

本作については別途感想を書いたので、下記を参照。
戦国時代~江戸時代辺りの食文化は、たいへん興味のある分野なのです。


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