MacGuyver the Day
父は元エンジニアで精密な機械を設計する仕事をしていましたが、性格も何かと細かく石橋を叩いて渡る、融通が利かないところも多々あります。そんな父ですが、昔話してくれた事が今の自分に響いています。
父は職場で採用面接に立ち会ったことが何回かあったそうですが、就職希望者にいつもしていた質問が「これまでの人生の失敗や挫折、そしてどうやって立ち直ったか話してください」
エンジニアとなる程の知識や経歴を持つ人なら今までの活躍、業績を語りつくす面接で終わらせる事もあるだろうが、あえて問題に直面した時にどう対応したかを聞きたかったといいました。これも立派な人生の武勇伝だろうと。
教師の仕事をして随分経ちますが問題に直面するのは日常茶飯事です。
準備した授業がいまいち盛り上がらない。
外で授業するつもりが雨降りだした。
生徒が吐いてクラス中パニック(自分も頭の中ではパニックする)...
時々起こる停電はある意味死活問題です。
教材コピー、プリントできない。
ネットに繋がらない。
生徒がノートパソコン使う予定が充電できてない。
電子ボード使えない。
冷暖房効かない。
...あと、コーヒー飲めない(イライラ時には必需)。
そんな時に自分を奮い立たすのは「冒険野郎マクガイバー」。子供の時に大好きだった海外ドラマです。世界中の悪と戦うエージェントのマクガイバーは科学知識と身近な道具を用い強い精神と発想で危機を切り抜きました。銃を嫌い戦闘の時に使わないという強い信念も持っています。
「マクガイバーならどうする?」インターネット・ミームも健在です。
そして問題解決出来た時は「マクガイバー出来た!」と。もう動詞になってますね。
教育者として今生徒に求めているのは想像力とレジリエンス(Resilience)。ネットで和訳を探してもほとんどカタカナでしか書かれていないのですが、正に「問題があったり失敗した時にうまく適応できる能力」とでもいうのでしょうか。実際に職場でも授業として取り入れられています。
ただ、コンピューターなどで「便利」になっている時代に不都合が起こると適応できない場合も多く、世の中はある意味「不便」になっているのではないかというのが自論です。
そういう自分も数年後に今の仕事が無くなるという問題に直面しています。教師としての素質、技量を問われたのではなく、外国語教科として日本語が選ばれる必要性を問われた結果です。もちろん感情を持つ人間としてひどく落ち込む時もありますが、まさに父の「どうやって立ち直るか」の質問に試され立ち向かう時ではないかと思います。
マクガイバーならどうするか。
マクガイバーしよう。
そして
マクガイバーできた!と言える日を迎えたいです。