『むき出し』を読んで過去に浸る
資格試験が終わったら、あれをやりたい、これをやりたいと考えていた。
その中のひとつが、読書。
まず1番に読みたい本も決まっていて、お笑い芸人EXIT(イグジット)兼近大樹さんの『むき出し』だった。
発売から時間は経っているけれど、重版が決まったりと、人気があると聞いていた。
EXITの漫才を初めて観たときに、テンポの良い掛け合いや漫才の内容が面白くて好きになり、テレビで見かけるたびに注目していた。
さらに、メンバーのりんたろー。さんと同学年であり、兼近さんと同郷であることも、気になる理由の一つだったと思う。YouTubeチャンネルも登録済。
仕事の休憩中にも読みたくて、電子書籍を購入した。
全体を通しての感想は、悲しくもあり、スカッとする部分もあり。胸糞悪さ(良い意味です!)もあり。
どうしても、主人公の石山=兼近さんとして見えてしまい、「かねち(兼近さん)、それはまずいよ」「かねち、そんなこと言わないで!」なんて、心の中で叫んでしまった。
難しいことは考えないし、論じられない。自分の語彙力や文才の無さに失望。でも読んで良かったと思う。
主人公は、自分の過去と向き合いながら、未来への期待や夢を抱き、その反面、強く深く、罪悪感を背負って生きていくんだろうな。
小説を読んで、様々な感情を波立たせること。
仕事と資格勉強のことばかり考えていた近頃の私には、久しぶりの刺激と快感だった。
主人公の石山くんと家庭環境がリンクする部分があり、子供の頃の消し去ったはずの記憶が蘇ってきた。
子供の頃、休みの日には図書館に行っていた。
周りの友達は家族でどこかに遊びに行っていて、誰も構ってくれず1人だったから、時間を潰すという意味でも良い過ごし方だった。
高台にあった欠陥住宅の我が家からは、歩いて片道30分以上はかかったけど、あまり苦ではなかった。今なら絶対やらないと思う。
あとは、小学校の授業で本を読む時間があって、普段見向きもしてくれない担任の先生が、私を誉めたことがあったのを思い出した。
みんなより厚い本を読んでいたから。確か赤川次郎さんの本だったと思う。
全部読み切るまで待っていてくれた。何かが先生の心を打ったんだろう。
その学期の通知表には、その時の事が書かれていた。私はそれを見て、やっぱりな、それしかないもんね?と思ったのを覚えている。
でも先生、ごめんね。
何ページか飛ばしたから、どんな話だったか分かんないよ。
むき出しを読んで、また、読書してみようと思えた。
そんな気持ちにさせてくれた兼近さん。
ありがとう。
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