森づくりサポーターのみなさんへ配送開始
先日のこと。
生物多様性の高い森づくりの中に在る蒸留所のサポーターを募集しました。
当社の蒸留の原料を収穫する森は『非皆伐』と呼ばれる丸刈りをしない方法で林業が行われている森です。『皆伐』や『非皆伐』という言葉は林業以外では聴きなれない言葉ですが、林業業界では頻繁に使われる言葉で
皆伐=丸刈り
非皆伐=丸刈りにしない
という意味です。
どちらも一長一短あり、見えないところで私たちの生活を支える林業には必要な伐採方法です。
でもどちらも大切な工法だというのに何故私が非皆伐にこだわるかというと、単純に美しい水をたたえる海や川が好きだからです。
非皆伐の森を選ぶことで多種多様な樹々が育ち、ミツバチや蝶をはじめとする小さな昆虫から沢山の鳥や動物が育つための場が残され、落葉樹や針葉樹が切磋琢磨しながら育つ場があることで河川の水質や栄養価が保たれます。そして、冷たくないと生きることができない川魚や水中の虫や貝が育つための水質と温度や栄養価が保たれます。ひいてはそれが豊かな川が豊かな海を育てて行くのです。
当社は創業以来、ヒマラヤの天然林から収穫した精油を取り扱う少し特異な精油のメーカーとして運営をしてきました。
そして10年が経過した今。
これまでは単にヒマラヤの森が枯渇しないように気をつけながら収穫するをモットーにしてきた精油の日本のメーカーでしたが、今度はもう一歩森に、自然の循環に深く踏み込んで、自然の循環に寄り添うべくより自然に近い方法で育てられた森をつくっている人たちの活動に参加したいと思ったのです。そうやって育った森の循環サイクルを超えない形で会社の運営をしていこう。そう決めたのです。
なので、簡単にいうと私は日本では珍しい材料となる木々が育つこの森づくりのファンでもあり、同時に個性豊かな国産精油を作るための大切な収穫の場を作っているということでもあります。
今、日本全国にある100年近い間、人の手で作ったスギとヒノキの植林の森の環境を急激に変えないでゆっくりと形。これをゆっくり変化させて自然に近い状態で育つ森に導いて行く、そのための活用方法のお手伝いをしながら製品の開発をするという方法を私の会社では始めましました。
森がその姿を完全に変えることは私の生きている間にはかないませんが、やはりどこかでだれかがシフトしていかなくてはならないことだし、そして、なによりも『樹一本一本の個性と向き合うような』そんな仕事の仕方の方が好きです。
私もサポーターの皆さんと同じくこの森づくりのサポーターの一人なのです。
ということで、サポーターの皆様方に送られる私が作った資料や蒸留の報告についてはお受け取りになった方ご自身のものとして転用転記は全くの自由です。
何故ならば、より多くの方に森やその周辺で起こっていること、
大切に考えていかなくてはならないこと、
森や山、環境に関してのデマと真実について
より多くの方々と考えていきたいと思うからです。
それと同時に、林業関係者の方々とも蒸留に関する情報を交換し、日本は海外よりも精油の蒸留の歴史が浅い分、幼い技術を皆で補い合い業界自体の品質向上に役立ちたい。そして、もっと街に森をもちこみたいと思っているからです。
そして、将来、皆と横並びに何かできたらいいな。
と、そんな風に考えています。
そんな蒸留所が存在するこの森にはそろそろ一斉に緑が萌える春が到来します。
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