ビジネスマンの父より息子への30通の手紙 読書記録
数少ない父親から勧められた本。実父から勧められるとエモい感じもする。
14P
この本の中には多くの人々の言葉が引用されている。引用が多くなったのはただ一つ単純な理由による。人生の悩みや喜び、あるいは常識のほとんどは、私よりもはるかに偉大な人びとによって熟考され、私の思想や見解の多くはすでに私の思考力や筆力では及びもつかないほど明快に書き表されているからである。
・「僕たちにもうモノはいらない」でも同様のことが書かれていた。(Amazonレビューで引用ばっかりでこの人の言葉がないと的のズレた批評があったな・・・)論文執筆の時も過去論文を引用するのがお作法だ。文章の根拠を明記するためである。
20P
35歳、45歳、55歳になって「私は機会に恵まれなかった」と言う人を私はたくさん知っている。彼らがその挑戦状を突きつけられたときには、多くの場合、勝つ条件がそろっていたと思われる。ただ、受けて立つ勇気がなかったのである。
・なんの本だったか、ホームランチャンス自体はみんなに順番に回ってくる(、それを打つ準備ができている人はホームランを打って新しい機会を得るし、準備していなかったらチャンスを逃して次の機会が来るまで待ち直しになる)と書かれていた。めちゃくちゃ納得した記憶がある。この本の中でも準備が大切なんだと何回も言われている。「手技は準備が8割、いや9割」というのも鉄板フレーズだ。3月のライオンにもあったな、「自分にできる努力は全部してきた、って自信がないと、バッターボックスに立った時に不安になる、みたいなやつですよね」ってシーン。自分にできる努力や準備はしたって思えないと、および腰になるんだよな。
26P
君の仲間の学生のなかには、教師や教育制度について不平を鳴らすことに忙しく、肝心の勉強に手が回らない者が多い。制度はこの30年間ほどんど変わっていないし、今後も大きな変化はないだろう。だから制度に不満を言うよりも巧みに出し抜いてやるといい。
・いやーこれなー。クセになってることを忘れる段階まで堕ちるとほんとヤバいのよな。自分がそうなってる時は、同僚とか友人との会話もこうなってることが多いし。(文句言いながら一切手は止めずにやることやっていく立派な人もいるがな)
よく本を読み、書く力をつけ、多くの人々と知り合理になったと、満ち足りて大学をさる日に、君のじつ社会に出る出る準備は完了する。
・本を読んで自分の中身をためて、書くことで自主練して、人との交流でそれらが魅力にうつれば、人と繋がっていく、みたいなね。
37P
人は成功者の今の姿だけを見がちである。彼らの長年の努力、失敗、欲求不満、そしてこれまでに遭遇し、克服してきた多くの困難は目に入らない。
・自分で努力しない人は他人の努力を侮りがち。立派な人の普段の話を聞くと、シンプルに絶え間なく勉強し続けてるんだよなあ。
48P
定刻に出社するという責任さえも果たせない人に、どうして安心して仕事を任せることができるだろう?
・(いやまあ、朝遅刻するけど素晴らしい論文書く人とかこの業界にはいるけどね。この本はビジネスマンとか経営者目線のやつだし、何より息子が新社会人になるときのお手紙だしね。)
56P
人は大抵習慣的な行動を取るので、ゲームのルールを守らない人なら、きっとこれまでにも何度か、人を騙したり、人の感情を害したりしているだろう。商談を進めようと思う相手については、多少時間を投入しても、よく調査をするといい。
・つまり自分のルール違反もバレますよ、というね。
78P
経験は学校や他人からは引き出せないので、自分で積むしかない。多少の経験を得ても気を緩めないで、断固として、学び続けるように。成功からはそれを繰り返せるように、失敗からは同じ失敗を二度としないように。
・後述で読書の話が出てくる。読書は他者の人生を追体験するような行為で、学びというか、自分で直接転ばずとも多くの失敗を学べるモノである。しかし実際に転んだ人間の説得力は読書のそれをはるかにうわまわる。聞き齧った情報や読んだ知識で納得が行かない時は、自ら体験するしかない(だからさっさとやってこい)ということだな。
122P
講演の草稿はすぐにも用意するように。話す練習の方がずっと時間をとるからである。
・わかる。結婚式スピーチ3回やらせてもらったけど、マジで話し方の方が大事だった。カンファのプレゼンもそう。
129P
礼儀正しさに勝る攻撃力はない
161P
この世の中には新しいことはあまりなく、人の一生には反復的な面が多いという私の考えを裏付ける最良の本は、「バートレットの常用引用句集」である。
私は人生のこの段階で、ただ読書のおかげで、一生を10回も経験したような気がする。地上で与えられた時間を有効に使っているという気がするのである。
263Pあとがき
著者はむやみに努力を説かない。著者の言いたいのは「努力をどのようにして成功に結びつけるか」ということ。そのために繰り返し「準備の大切さ」を説く。
・3−4回ぐらいは読んだんじゃなかろうか。自己啓発のジャンルでも人気根強い本である。父親が息子にあてて書いた手紙集という背景が、販促の要素が少なくてすんなり受け止められる。息子思いの優秀な父が手を替え品を替え息子を導こうとする温かさを感じる。
ここから先は余談。しかし、実際にこの人が父親だったら、まあどうなんだろうなあ。息子が40歳ぐらいの時に社長辞任とともに全てを息子に委ねて離れたとあるが、そこまでサポートし続けたのか、過保護じゃね?親離れどうなってんのとは思ってしまう(自分の家庭と大きく異なるから違和感があるというだけであろうが)。
大学でパチンコに金を使ってろくに人から信頼を得られずまともな職もなく経済的に貧困で伴侶にも恵まれず社会保障を受けながら死ぬまで生きてるだけみたいな人生に息子が陥っていくのを・・・いやまあ阻止するか笑。それが親心ですね笑。普通にいい父親か。