【第2冊目】歴史哲学講義(ヘーゲル)
第2冊目について記述します。
皆さんは、「歴史」というものについて、どのような認識をお持ちでしょうか?一言に「歴史」と言っても、「日本史」「世界史」といった、マクロ的視点から考えることから、「自治体史」「社史」「自分史」といった、ミクロ的視点のものまで、どこに視点を合わせるかによって、さまざまな考え方ができます。学生の皆さんには、「暗記科目」「点取り教科」としての印象が強いかもしれませんが、より広い視点で考えると、「歴史」からは、さまざま教訓や、現代における指針を考えるうえで有用な視点などを読み取ることができます。
ヘーゲルは、言わずと知れた、ドイツ観念論を代表する、18世紀後半から19世紀前半に生きた思想家です。哲学者として非常に幅広い著作を残していますが、「歴史」に関しての論考がこの「歴史哲学講義」です。
ヘーゲルがこの著作で構想したのは、「個別的な歴史記述ではなく、世界精神の自己発展としての哲学的な歴史」でした。「歴史」というものは、その時代に生きた人々の営みの結果の蓄積であり、人々のエネルギーの結実であり、人々の思想の表象であり、その発展には、哲学的な要素が関係しているということであると、私は解釈しています。
一般教養として、「日本史」や「世界史」を考え、時代の流れを感じることは、非常に重要な視点です。この本は、まさに、「歴史」を「考える」上で、非常に有用な視点を提供してくれる本です。
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