読書の記録 生き物の死にざま
稲垣栄洋さんの『生き物の死にざま』を読みました。
生き物の生態の番組や本はたくさんありますが、なかなか死にざまだけに注目した本はありません。どんなことが書いてあるのか、気になって読んでみることにしました。
セミやカゲロウなどの昆虫から、ウミガメ、クラゲなどの海の生物、今はいないニホンオオカミ、シマウマ、ライオン、ニワトリと水陸関係なく、たくさんの生き物について書かれています。
同じ地球に住んでいるのに、種類によって本当に死にざまが異なっており、初めて知ることばかりでした。
特に印象的に残っているのが、ハダカデバネズミ。見た目はかなりギョッとしますが、地中で生きやすいよう進化したためです。
驚いたのはハダカデバネズミは、老化しないそうです。ただ、老化しなくても、病気やケガで死んでしまうので、不死ではないのです。老衰は許されない生き方なだけ。
人間を含めて、多くの生物は、老化現象がありますが、これは、生物が必要のない性質であるのなら、取り除いたり、機能の抑制ができるはず。「老いて死ぬ」ことは、生物が望んでいるのとなのだ。の一文に驚きました。
こんなに美のため、健康のため老化を遅らせようと努力している私たちですが、遺伝子レベルでは、受け入れて納得しているのかもしれない。
確かに20代の若さと体力が続くとしたら、ある程度楽しいのかもしれませんが、同時に長すぎることに何したらいいのかわからなくなって、途方に暮れてしまいそう。
暴君がずっと君臨し続けてしまっては、救いがなく、ストレスあるポジョンを長く引き受けなければならないことも酷なことです。
生物の死を通して、いろいろ考えさせられました。死は避けられないし、どんな生き物もあっけなくいなくなってしまうもの。将来のことを悩んでも仕方がない、まずは今を大切に生きたいですね。