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『都心に住む』を読む

雑誌レビュー

『都心に住む』2016年2月号(リクルート)

まずページをめくると、
〈世界から評価される東京文化圏〉と、
いかに日本が世界から文化的に評価されているかの文言が飛び込んできます。

「パリにも勝る文化の発信地となる日が近い」

との締めの言葉に自信が感じられます。

さて、そんな東京文化圏ですが、そのなかでも美術館など文化的施設が多く、文化資源区とされている上野の周辺について具体的にレポートされています。

そこでは実際にお住いの方の大変参考になるコメントが載ってます。

まずはヴィオラ奏者のKさん。
さすが文化資源区上野です。ヴィオラ奏者のコメントは貴重です。

「この辺りは落ち着いたエリアで、ローンを返済しながらも、貯金をしているような感覚に近いですね」

「ような」、「感覚」、「近いです」と、さすが文化資源区、抽象的な文言が素晴らしいように感じますね。


お次は、「プロに聞け」なコーナー

〈「賃貸」と「購入」経済のプロたちの英断〉

購入派と賃貸派のお二方から、賃貸を英断した経済評論家の山﨑さんのコメント

「例えば、転職や転勤で、通勤時間が往復で1時間増えるとする。年収2000万円の人が1日8時間労働で250日働く想定なら、時給は1万円。つまり1カ月20日働くとすると月20万円分も余分に通勤に費やしていることになる」

20万円を通勤に費やすなら家賃に費やしたほうがいい、とごもっともなご意見。
年収2000万以上の方は都心に住まないほうがおかしいということですね。さすがプロ、大変参考になります

さて、やはり都心に住むには地元民としての生活が知りたいと思いますよね。
そんな都心に住む生活はいったいどんなものかを解説した
〈街を嗜む東京ストリート〉という特集もありました。

表参道を例に、地元民ならではの一日のタイムスケジュールが掲載されています。

AM7:00
「みゆき通りでペットと散歩」

“海外ブランドの路面店が並ぶ通り。美しい景観を独り占めしながら、犬の散歩やジョギングを楽しみのも住民ならではの特権。”

地元民ならではの特権。うらやましいかぎりですね。

AM8:00
「通勤前に、行列店で贅沢朝食」

“骨董通りにある「クリントンストリートベイキングカンパニー東京」は行列の絶えない人気店。朝8時からの営業で、地元民なら行列ができる前に家族と定番のパンケーキの朝食を楽しむことができる。”

朝食も、一般人が並んで待って食べなければならない人気店も、地元民なら並ばずに食べられるのも特権ですね。
定番のパンケーキを調べてみたら「パンケーキWithメープルバター」で1600円でした。

PM 3:00
「神宮前の路地裏で家具・雑貨めぐり」

“オープンカフェ、インテリアショップ、雑貨店などが点在。「どの店も植栽豊かで、ぶらぶら歩くだけで癒されます”

通勤前にパンケーキを食べて優雅に出勤。そしてPM3:00には終業というのも地元民ならではですね。
やはり心に余裕があるのが地元民と一般人との違いです。

PM11:00
「地元のバーで最後の一杯」

終電を気にせずにバーで最後の一杯というもの余裕ですね。
翌日の朝7:00には犬の散歩がありますので、嗜む程度というのが「街を嗜む」地元民の余裕ですね。

そんな誌面で、今回の特集は
〈成熟した大人が選ぶ ブランド賃貸の上質な日常〉

締めくくりは賃貸特集です。
「成熟」「上質」「日常」、これなくして大人とは言えませんよね。

そんな大人の先輩である、 佃のリバーサイドに構えるブランド賃貸マンションに住むKさん(60歳)。

「わたしも孫のいる世代になりました。大人の余裕を大切に、まだまだ仕事を愉しむつもりです。都心の住まいから得られる余韻を享受しながら」

さすが大人ですね。余韻とはなんなのか成熟してないワタシにはわかりかねますが、倒置法で締めるあたりに上質さが滲みでています。

そんな「都心に住む」ことを考えている読者に、しっかりとした不動産カタログとしても本誌は活用できます。
なんと後ろ半分は、都内新築高層マンションのカタログとなっています。
だいたい9億円~1億円ほどの価格帯で、素晴らしいロケーション、最高級のおもてなしとなるラウンジなどがあるマンションが購入できます。

品川駅から徒歩9分の港区高輪のブリリア高輪では、標高約4mの品川駅に対し、ブリリア高輪標高は28mと高台にあることをアピール。
いまや減災の時代です。やはりできるだけ高いところに住むに越したことはないですね。

上質で、成熟した大人が、都心の余韻を享受し、一般人とは一線を画す都心の地元民としての特権。
人口減少時代のいま、都心回帰のライフスタイルにマッチした『都心に住む』はリクルートさんより 毎月26日発売です。

今月号はなんと上質なマンションの写真が毎月楽しめる『ヴィンテージ・マンションカレンダー』が特別付録。

次号は
〈名作マンションが生まれる 価値が落ちない都心アドレス35〉
ほか、〈建築家も選んだ暮らし 空と緑の住まい タワーの特権〉などです。

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