北海道ツーリング1日前|まえがき3
バイクにとって気になるのは旅先でのお天気である。晴れた日を100とするなら、雨の日はマイナス100だ。0なんて生やさしいものではない。苦痛でしかない。
2018年に道東で雨に降られた時は最悪だった。ひたすら真っ直ぐな道、雨宿りできるような建物なんてない。バイクを停めて休憩しても体を叩き続ける雨雨雨。
走ればシールドの撥水効果も弱まり、拭えば拭うほど視界が悪くなり内側の曇りが目立ってくる。とうとう曇りで視界がまったく効かなくなり、シールドをあげると雨水がシールド内側に流れ込み、もはやシールドを開けるも地獄閉めるも地獄・・・。
なんとか知床半島の道の駅にたどり着くと、車から「きゃ!」なんつって濡れないように小走りに建物に向かう人々の姿が滑稽に思えてくるくらいのずぶ濡れであった。
今では気象予報の精度はかなり高く(「15分後に雨が止みます」なんていう『バック・トゥ・ザ・フューチャー2』のシーンが現実になっている)、もちろん今後二週間先までの天気予報もわかるようになっている。
当然の如く出発当日まで、逐一二週間天気予報をチェックする。
7月7日の朝の時点で雲マークが大半を占め、傘マークも見える。これをみた瞬間、僕の頭の中にも雨雲がどんよりと垂れ込めテンションがかなり下がってしまった。
そして同日の11:00に再び二週間天気を見てみると・・・
なんなんだ!
たった数時間でオセロのように晴れマークが無数に(無数ではない)現れているではないか!
「もろた、もろたで!今年の北海道はもろたでぇぇ!」と一気に頭の中が常夏が埋め尽くした。
もうウキウキ(死語)である。
こりゃあ、ジャケットも夏用でいいかなぁなんて余裕をぶっこいて涼感Tシャツなんて買いに行ったりして、青空が眼前に広がる知床横断道路を走っている自分の姿を想像してニヤニヤしていた。
三日後、「どれどれ」と、あれから晴れマークはまた増えたかな?と二週間天気を見てみた。
はあ?
傘マークで埋め尽くされていた。
このときの考え方としては二つ。
雨を覚悟するか、この天気予報を信じないかだ。
俺は後者を選ぶ。俺は信じない。あのウキウキ(死語)気分でずっといたい。
7月12日。出発まであと二日。
うーん、なんか微妙だ。降るのか降らないかはっきりしやがれ。
どうやら先週に日本に向かっていた台風4号(またの名を「アイレー(Aere)」)が温帯低気圧になり北海道に張り付いてるということらしい。
ちなみに台風の名前は2000年から北西太平洋と南シナ海の領域で発生する台風に環太平洋各国の持ち回りで名付けられていて、この先に発生する台風にはすでに名前が付けられている。「アイレー」は米国の命名でマーシャル語で「嵐」を意味する。もちろんこのままの順番でいくと台風10号は日本が命名した名前が付けられるが、それはもう決まっている。
「トカゲ」だ。
意味は日本語でトカゲだ。
なんだよトカゲって。
ということで、北海道行き1日前の天気がこれだ
傘マークは少なくなったが、予断を許さない状況は続く。
明日の出発時には全日全道が晴れマークで埋め尽くされているかもしれない。
「てるてるボーズ」でも作った方がいいのか?けど北関東で「てるてるボーズ」を作っても遠く北海道の地で効果があるのか?
🏍
バイクで雨対策は必須である。
二輪免許を取ったばかりのすずきたけし18歳は、初めてのロングツーリングが北海道であった。そしてナメていた。モチのロンで雨具はもっておらず、ビニールのウインドウプレーカーが雨具がわりであった。そしてモチのロンで雨が降ってずぶ濡れになったのである。
雨中を安心安全快適に走るにはどうしたらよいのか。
正解は走らずに屋根のある場所で『ストレンジャー・シングス』をイッキ見するのがいい。
しかし人は目的に向かって走ることで成長するものだ。たとえそれがイバラの道でもだ(何者?)
長年バイクで雨に振られ続けている自分としては結局は装備の問題だとの結論に至った(今更)。
ウインドウブレーカーではなくしっかりとしたバイク用のセパレートのレインウェアはもちろん(できれば1万円以上のものがいい)のこと、ヘルメット、とくにシールドへの視界確保に雨対策は必須だ。外表面には市販のシールド用撥水剤をスプレーし、内側には曇り止めを塗りたくる、これで雨中の視界はクリアになるのでライディングはかなりストレスが軽減される。
そして今回、新たな雨対策としてピンロックシールドという、曇り止め加工されたシールド片を内側にセットするものにしてみた。これまで曇り止めをその都度塗っていた(濡れたら効果は減退する)が、これでかなり快適な雨のツーリングができるようになった(すでに実証済み)。
もう、これがないと走れない。
そのほか、ブーツカバーも必須だ。一度でも濡れた靴はツーリング中には乾かずにずっと不快な足元が続く。
また、荷物にも雨対策は必要だ。
完全な防水などこの世には存在しない。
だからこそ雨水が侵入することが前提でパッキングをしていく。荷物は個別にジップロックに入れることで、バッグ内に雨水が侵入しても濡れることを防ぐのだ。
そしてバッグ本体も、ターポリンでクリンクリンと巻くとある程度防水となるバッグをサイドとリアに使用し、キャンプ道具はボックスに入れれば、ほぼ雨対策は万全である。
ただし、リア最上部のシートバッグのみレインカバーが必要な不完全防水なので、先のジップロックによる雨対策をしている。
雨天でのライディングは対策だけすればとても快適になる(もちろん豪雨はきついが)。また経験がモノをいうので、対策をすることで「オレ成長している」感が得られるのもいい。
どんとこい雨。
書いていてそう思えてきた。
しかし、どんなに快適に走れても、雨の景色はやっぱりつまらないのでマイナス100には変わらないのだ。
どうか、どうか晴れてください。
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