とけた電球
ずっと書こうと思ってたのに忘れてました。好きが常態化するとこうなりがち。「とけた電球」というバンドが好きです。透きとおる歌声で、等身大の情けない歌詞がたまらない…。歌声からメロディまでとにかく爽やかな曲が多いです。大学生になりたての頃、深夜の音楽番組で一瞬「覚えてないや」が流れて、なんだコレは!と瞬間的に恋したのがきっかけです。「心が忘れない」「焦がれる」「強がり」とかも好きです。4曲ぜんぶ紹介したいです。
「覚えてないや」
という冒頭のこの部分にやられました。その通り過ぎる。
あと、見てください。ウジウジどっちつかずで情けねぇ〜!この歌を聴き始めた頃は今よりだいぶ幼かったので、好きなのに臆病で動けなくなって、でも誰にも取られたくないとかいう我儘ジレンマにとても共感しました。今改めて聞くと、ハッキリしなさいよ!誓ったなら忘れんな!とも思ってしまいます。でもやっぱり人間の感情なんて脆いし、これがリアルだなと思います。腹立たしくて愛しいです。
「心が忘れない」
ってとこが1番好きです。人間の記憶もこんなものですよね。忘れたいのに忘れられないことも、忘れたくないことも、時が経てば平等に忘れてしまうんですよ…。悲しい…。悲しみが止まらない…。でも、なんで悲しいのかは忘れても、感情の残り香みたいなものは漠然と残り続ける気がします。だから頭では忘れても、心が忘れない、ってことなんでしょうか。ヒョ〜!悲し〜ッ!
「焦がれる」
やべぇ。素敵なところ紹介しようと思ったら1番の歌詞すべて書いてしまいました!著作権大丈夫かな…。問題があればすぐ消します。
この曲は、とけた電球のなかでも透明感No. 1な気がします。わたしの脳内で放送されてるカルピスのCMでは、制服姿の女の子が歩いてる後ろで「焦がれ〜て〜るのは〜」ってサビが流れてますもん。頼むよ〜アサヒ飲料〜。
というか"焦がれてる"って表現、切ない片想い感がうまく描写されてて最高ですよね。からの、二人で海に溺れたい…。最初から最後まで苦しくて呼吸困難になってしまいます。片想い独特の苦しさです…。誰かわたしを焦がしてくれよ!共に溺れようぜ!(狂気)
「強がり」
独特なリズムが耳に残る曲です。今までに紹介した3曲とは雰囲気がまた違っていて、片想いの嫌な濃度を感じます…。「心の雨にネジ、と走る君」のネジ、という擬態語も独特で、その雨でネジ(私の心)が錆びたことに掛かっていて面白いです。確かに雨上がりの地面ってネジ、というような気がします。恋心を踏みにじられた音のようにも読み取れる表現です。
あと、傘の貸し借りで関係を見抜くのリアルすぎませんか。気づいていても言わないことってあるじゃないですか。そういう鋭さとか目ざとさって、表に現れると怖いです。私も暴かれる感じがして。これだけ好きで見てるから何かしら気づいてはいるけど、「勘だから知らない」って強がるのもあるあるです。「結局結局結局結局」の部分とか、文字で見るとゾッとして好きです。片想いが不時着してヤケクソになってる様子が見えてきます。
と、こんな感じで4曲紹介しましたが、他にも「Welcome」「灯」「Baby night, Baby love」「ふたりがいい」など素敵な曲がたくさんあります。周囲の友人にはだいたい布教したので、情けない等身大を歌ってくれる「とけた電球」をここでおすすめさせてもらいました!