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長い海外生活で日本語教育において私が大切にしてきたこと

我が家は海外永住ではなく海外転勤での海外生活だったので、4年くらいで日本に本帰国するだろう、と思っていました。
しかし4年経ってスライド?!あれまたスライド?!途中1年弱だけ東京に戻った時もありましたが、振り返ると生まれてすぐから中学生までずっと海外で子供達は育ちました。

いつも「そのうち本帰国」を念頭に置いていたので、日本語と日本の勉強においては注意を払ってきました。
いつ本帰国となっても、日本の学校でストレスなく馴染めるようにしてあげたい。
現地での生活に支障がない程度で、少しづつの積み重ねでできることは何だろう。
こんなことを日々考えながら生活していたように思います。
大切にしていたこと、振り返ってよかったと思えることをまとめてみたいと思います。

目次
1️⃣【乳幼児期】
  とにかく日本語でたくさん話しかける。問いかけて、そして喋らせる。
2️⃣【幼少期】
  やっぱり素晴らしい!絵本の読み聞かせ
3️⃣【小学生】
  学年相応の漢字の習得。ここをつまずくと日本語の本を読まなくなる。
4️⃣【小学生】
  リラックスタイムは「大好きな本の読書時間」
5️⃣【小中学生】
  現代文風のかたい文章に、最低限でいいので日々触れる機会を作る。

1️⃣【乳幼児期】
  とにかく日本語でたくさん話しかける。問いかけて、そして喋らせる。

日本語教育に限ったことではなく、これは子育てにおいて一番大事なことかもしれません。
当時は意識していたわけではありません。0歳から異国での子育て、当たり前ですが周りに親や親戚もなく、ママ友達もはじめはなかなかみつからず。夫は近隣国へ出張も多くて不在にすることもよくありました。
そんな中だったからか、いつだって子供達にひたすら話しかけて、問いかけては「うんうん。へー!そうなの〜!」と返す日々。英語も中国語も、生活に必要な最低限レベルの私ですから、子供達と話す言語はもちろん日本語のみです😊
2歳半からナーサリーに通うようになって、英語の環境、中国語の環境で学校生活が始まっても、自宅ではひたすら日本語で話しかけて、よく彼らも話してくれました。
かわいくて楽しくて、彼らの話を聞くのが大好きでした。
少々現地の言葉が混ざったり日本語が違っていたりもしますが、そんなことも気にせずどんどん話をさせてあげてほしいと思います。
豊かな心の成長と共に、しっかり日本語のベースが身につくと思います。


2️⃣【幼少期】
  やっぱり素晴らしい!絵本の読み聞かせ

「きれいな日本語の絵本をたくさん読み聞かせる」
これは海外で子育てをするにあたって、私が意識して心がけていたことです。
当時は日本の絵本を手に入れるのも難しく、少ない手持ちのお気に入りの絵本を何度も何度も読み聞かせていました。
本人が読んで欲しい本を1冊選ぶ。兄と弟それぞれが選んで、毎晩2冊の本を読み聞かせていました。

いつからだったか、「童話館ぶっくくらぶ」という毎月2冊ずつ日本から海外へも発送してくれる絵本定期便を利用するようになりました。
厳選された素晴らしい絵本がはるばる海外まで届きます。それが毎月楽しみで。おすすめです!

就寝前の読み聞かせは、小学校中学年あたりまで続けました。その頃は絵本ではなく、「吾輩は猫である」とか「君たちはどう生きるか」とか、本人達が手に取って読まない名作などのちょっと小学生には難しいようなものをあえて選んでいたと思います。きっと私自身が音読が好きだったから続けてたのかもしれません。
読み聞かせの時間、本当に楽しかったです。


3️⃣【小学生】
  学年相応の漢字の習得。ここをつまずくと日本語の本を読まなくなる。

小学生くらいになってくると、現地の学校で勉強するようになるので、英語がどんどん強くなっていき、日本語の本より英語の本を好んで読むようになります。
日本語の読書については学年が進むにつれて知っておく漢字も増えるので、そのまま放っておくとますます日本の本を読まない、読めなくなっていくだろうと思っていました。
そこで、本人の学年相応の漢字だけは最低限学習させることにしました。毎日少しずつ負担にならない程度に地道にドリルで。
そして年に一度、学年相応の漢検を受験するようにしました。漢検はどこの街でも小さな日系塾などでも受験できました。
特に漢字嫌いの弟は、漢検直前は泣きながら学習していたこともありました〜
我が家は補習校や日系塾などを利用していなかったので、この漢字の学習は自宅で細々ですがやってよかったと思います。


4️⃣【小学生】
  リラックスタイムは「お気に入りの本の読書時間」

スポーツで体をしっかり動かして、あたたかいごはんをしっかり食べて、たっぷりの睡眠。そしてこれに加えて大事だと思うのが、自分の好きな本をゆっくり読む読書時間。
英語でも日本語でも、本人が好きな興味ある内容の本は、心を豊かにしてくれます。
楽しく読み進めるから、日本語力もこのおかげでついたと思います。
兄の本棚は宇宙関連ばかり、弟の本棚はサッカー選手の自伝でいっぱいでした☺️


5️⃣【小中学生】
  現代文風のかたい文章に、最低限でいいので日々触れる機会を作る。

高校は日本の高校に戻るつもりでいました。理由は、理系だったので日本の学校教育の方が合っていると考えたためです。
夫を残して先行帰国し、日本の帰国子女受入校を受験、編入しました。
進学校に編入しようと考えていたので、途中から急に日本の授業についていくには、かたい日本語の文章にも触れておく必要があると考えていました。
でもそんな難しい本や長い文章だと嫌になるし継続できないので、
「毎日10分現代文読解 高校受験用」みたいなドリルシリーズを少しずつ継続させるようにしました。間違えてもいい、問いに答えるより日々そういう文章に触れておくことが大事と思っていました。


以上が、生後から中学生まで海外で育った子供達への我が家の日本語教育です。
いつか日本に本帰国するから常に準備しておく必要がある、でも日々の現地での彼らの学校生活だって一生懸命やってる中で、負担がなるべく少なく効率よく最低限を身につけるにはどうすればいいか、その場その場で私なりに考えて対応してきたものを振り返ってみました。
中学、高校で本帰国した子供達は、授業で日本語において不自由なかったようです。
テストのための暗記などの勉強方法や、日本の授業スタイルなど違和感はいろいろあったようですが。
海外生活の長さやタイミングによって、または日本人学校や補習校などに通っていた方など、それぞれ状況が異なるかと思いますが、何か参考になることがあればうれしいです。

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