必ず伝わる事業計画書の書き方とは!?
起業するとなると出資や、資金の融資を受けるため事業計画書がとても重要で、事業計画書が成否を決める部分も大きいです。
また社内で新規事業を企画・推進する際にも自社の事業の俯瞰と従業員への方向性の共有のため求められるケースもあります。
事業計画書とは?
事業計画書とは、頭の中にあるアイデアや構想を事前に事業という形にし、どのように実現していくのかを示したものになります。
事業計画をつくる目的は、大きく2つ
1、従業員や役員、融資相手に事業の概要や魅力を伝えるため
銀行から融資を受ける場合や、ベンチャーキャピタルなどの投資家から資金調達をする際には必ず提出が求められます。そして、事業計画の内容によって、融資や出資が受けられるかどうかが決まってきます。
2、起業家自身が事業を進めていくための見取り図とするため
今まで頭の中で検討したことをまとめることにより、事前に事業を客観視でき、抜けていた視点やリスク、準備不足に気づくことができます。
また事業をすすめている場合は、これから何をすればよいかや、スケジュール通りに進んでいるかどうかを管理することも可能です。
事業計画書作成にあたり、事業プラン立案に必要な要素「6W2H」
<Why?>
なぜ、この事業をやるのか?
事業を進めていく中で、困難な壁にぶち当たったときの精神的な支えとなります。また、「経営理念」や「経営方針」に結びつけることも可能です。
<What?>
商品・サービスの具体的な内容は?
事業で提供する商品・サービスの具体的な内容をまとめます。顧客に対してどのような商品やサービスを提供しようとしているのか、あるいは扱う商品やサービスが市場や顧客に受け入れられるものかを考えます。
<Where?>
想定する市場はどこなのか?
商品やサービスを提供しようとするエリア、市場は、できるだけ絞り込むのようにしましょう。相手が鮮明になればなるほど、アプローチの方法が具体的に検討することができます。
<Whom?>
ターゲットとする顧客は誰なのか?(ペルソナ)
商品やサービスを提供しようとする顧客を設定します。またターゲットにとらわれず、事業にかかわる「whom」を分析することも重要です。
<How to? >
どのような特徴で、どのような手段が必要か?
商品やサービスを、目指す市場・顧客に提供する際にどうやって競合優位性や独自性を発揮するかを検討します。
「販売力」、「商品のユニークさ」、「物流の効率性」といった特徴を発揮するには、それを生むノウハウ・手段も必要となってきます。
<When?>
どのようなタイミングで事業を開始するのか?
事業の特徴となるノウハウを獲得するには、「人」と「金」をどんなタイミングで投入するのかが重要となってきます。どのようなスケジュール感で、どんな人と、どれくらいの資金が必要か。この「時間軸」の概念を設定することで、事業の実行計画を組み立てることが可能です。
<Who?>
誰がその事業をやるのか?
事業内容と事業者の能力を判断し、今後、どのような人材が必要になるかを考えなければなりません。その為、事業を進める上で、他にどんな能力・経験を持った人が何名必要なのかを検討していきましょう。
<How much?>
資金は?売上高や利益は?
開業前、そして開業後に事業を運営していく上で、どれだけの資金が必要になるのか見積もります。またそれがどんなタイミングで必要になるのか、事業フローや売り上げ見込みと合わせて検討し、具体的な資金計画、資金調達手段に繋げていきます。
「6つのS」を「6W2H」に置き換える
独立するだけなら簡単です
問題は、独立して行う仕事をどうやって継続させ、発展させるかがとても重要になってきます。
それを実現するためには、独立後の日々の努力が大事なことは当然として、独立前にもしっかり準備しておくべきことがあります。
それは「6つのS」で表すことができます。
6つのS
「6つのS」とは、信念(精神的財産)、仕組み(知的財産)、資金(物的財産)という「基本の3つのS」に、商品(サービス)、市場、支援を加えたことを指します。
独立の理想像とは、これらの「6つのS」を獲得することにあります。
それをどう考え、準備し、動かしていくのかを綿密に計画したものが、事業計画になるのです。
6つのSは「6W2H」の疑問に対する回答というかたちで考えることができます。
何をするのか? どの市場でやるのか?
「6W2H」には、考えを進めるうえでの原則的な順番があります。
多くの場合は、「What?」から入って、次に「Where?」、「 Whom?」へと進んでいきますが、反対に、先に狙う市場やターゲットを定めて、そこに提供できる商品やサービスを考案する方法もあります。
前者は動機先行型で、後者は根拠先行型といわれております。
マーケティング的には後者が有利ですが、「What?」と「Where? 」、「Whom?」の2つを頻繁に往復してプランを深めていけば、どちらからスタートしてもかまいません。
いずれにしても、「Why?」には、たえず立ち返ることが大切なのです。
なぜ、自分はそれをやるのか、なぜ、市場は、それを必要とするのか、その回答が曖昧なプランは「空理空論」にしかなりません。
「How to?」はカナメ
残された「2W2H」のいずれも軽視できませんが、中でも「How to?」は、最重点項目となります。
言い換えれば、この「How to?」こそ、市場がその事業に対して感じる魅力であり、競争相手に対する優位性となるポイントなのです。
まさに、事業アイデアの部分。
既存のものや先行している人々より、一味も二味も違う事業にするための創意工夫なのです。
それは商品やサービス自体の工夫でもいいし、販売・提供方法の工夫でもいいです。
さらには生産段階の工夫、流通の工夫、販売後のフォローの工夫などでも大丈夫です
ここが弱いと、後の「When?」「Who?」「How much?」などは、力のない計画になりかねません。
最後に実行のためのプランを!!
プランの最後が「When?」「Who?」「How much?」です。事業を実際に稼働させていくための諸課題に取り組む必要があります。
どんなにいい事業アイデアでも、実行のためのプランが甘ければ、それは「絵に描いた餅」でしかありません。
実は、この点のツメが甘い人が少なくないのです。
仮に事業を1年間行うとして、必要資金はいくらか? では、その資金はどうやって用意するのか? また、どのような仕事をするスタッフが何人必要か? さらに、そのスタッフはどうやって集めるのか? これらは夢を語る部分ではありません。
現実的で、かつ具体的な案だけが求められる個所だと考えてください。
事業計画書から外せない8つの項目
「事業計画書」は、起業に必要不可欠な書類です。また作成はとても大変な作業になります。
しかし事業計画書を作成することで、計画的な事業遂行や客観的なビジネスモデルの把握など様々なメリットになります。
そして、事業計画書の作成は、「6W2H」の視点で事業の検討を行うことから始めましょう。説得力があり、人に伝わる分かりやすい文章で作成することも大切です。
作成後は、必ず他の方に最終チェックを行ってもらい、客観性のある内容にしましょう。
自分では完璧だと思っていても、まず間違いなく「ミス」「抜け」「弱点」「矛盾」「無理」「難解」などと思われる個所があります。
できる限り多くの人に見てもらい、良い点と悪い点の両方を指摘してもらうようにしてもらいましょう!
ぜひ綿密な事業計画書を作成し、起業の成功へと繋げていっていただけると幸いです!