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指先いらずのおかきもの

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大きなスマホならスクロールすらいらない。 そんなおかきものたち。
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#文芸

朝に寄る

 月はまだいるか。なんて考えて捨てる夜。
 早とちりの秋雨か、門限破りの梅雨なのか。分かるのは明日、いやもう今日か。
 きっと夜を巡って,来る朝には雨だろう。

 雲の向こうにまだ、あの月は居るだろうか。

             ……みたいな。

 そんな空想の予定を入れてみる。お蕎麦と髭剃りの間が良い。
 意味の有無は問わないで、人は無意味に意味を持たせられる生物なんだから。
 無意味含めて

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軽剥

薄く,軽やかに。私から剥がれていく。
それは、爪痕を残すための白い爪とか。
または、自分を守っていた卵の殻とか。
時の流れに振り落とされた、幼さとか。
心の中で細々と輝いていた、未来とか。
大人になれなかった僕が、剥がれたか。
はたまた大人になる私が、剥いだのか。
考えている間に、それは白く色褪せる。
前は何色だったのか、分からなくなる。
色を探して、考えていた意味を失くす。
何をきっかけに考えた

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