カウンセリングを受けるときに大事なこと
カウンセリングはいつ効果が出るか分からず、効果が目に見えるものでも数量化できるものでもなく、それなのに高額です。普段私たちが購入するものとはだいぶ性質が違いますね。カウンセリングを開始するか、継続するか。みなさん不安と戦いながら受診すると思います。
出来るだけお金をかけずに、カウンセリングの効果を最大にするためには?私がカウンセリングを受けて掴んだコツをお話しします。
※人によって合うやり方は異なります。あくまでも参考と考えてください。
※私は精神科のある病院で、心理士にカウンセリングを受けました。ほぼ毎週30分間、1年間です。心理士は「なんでも話したいことを話してください」というスタンスでした。
①考えではなく気持ちを話すこと
カウンセリングを受け始めた当時、「自分が苦しいのは毒親のせいではないか」と考えていました。そこで私は心理士に、悪い親がどれほど子供に悪影響を及ぼすか、私の親はどれだけ悪い親だったか、本やネットで得た知識を心理士につらつら語りました。でも半年経っても全然改善の兆しが見えません。
やり方を変えました。「辛い」「悲しい」。自分の気持ちを、ポツポツと心理士に話し始めました。すると、自分でも知らなかった気持ちがブワッと心の奥から湧き上がるようになってきたのです。心理士の前で声を出して泣きました。「苦しい」「死にたい」「クソやろう死ねよ」「アイツ殺してやる」「ぐちゃぐちゃになるまで殴ってやりたい」「誰よりも私が一番辛い」...。こういう気持ちを言うようになってから、カウンセリングは一気に進展しました。
②「話したいこと一覧」を作り込まない
私は、カウンセリングにより変わったことは心理士に何でも報告する義務があるように感じてしまっていました。ですから次のカウンセリングまでに感じたことを事細かに一覧表にして、カウンセリング時に心理士に報告していました。でもそれだと、カウンセリングの時間がただの報告会に変わってしまい、本来のカウンセリングができません。カウンセリングで一番効果が現れるのは、その時感じたことを感じたまま話す中で、自覚していなかった感情やトラウマ、思考の歪みを発見した時です。ですから、取り掛かりの話題として「今週の話題」を一つ考えておくくらいは良いかもしれませんが、一覧表は作らない方が大きな効果を期待できます。
③カウンセリングはビジネスであると心に留めておくこと
カウンセリングを終了したときに心理士に言われたのは、「境界線がわかっていたね」ということでした。カウンセリングを受ける人の中には、心理士との境界線が曖昧になり、休みの日まで電話を架けてしまったり、心理士に恋愛感情を抱いてしまったりする人がいるそうです。心理士は何を話しても聞いてくれますから、そういう気持ちにもなってしまいますよね。でもそれは心理士に寄りかかっている状態で、それまで寄りかかっていたお酒や恋人やホストや宗教...それらが心理士に代わっているだけなのです。それはカウンセリング成功とは言えません。私はその境界線を踏み越えることはありませんでした。何故かというと、初めから「心理士は金をもらって私の話を聞いている」と理解していたからだと思います。心理士が話を聞いてくれるのはビジネスです。仕事だからです。だからといって、そこに情がないわけでもないし、私たちを搾取しようとしているのでもありません。心理士は私たちを助けたいと思ってくれています。ただ彼らも生きる上でお金を稼がないといけないし、あくまでもその一つとして心理士という仕事をしているわけです。心理士を頼るのは、あくまでカウンセリングの時間のみに留めましょう。それができなければ、カウンセリングの意味がなくなってしまいます。
以上、私がカウンセリングを受ける中で掴んだ、カウンセリングの効果を最大にするコツでした。お役に立ちましたら幸いです。