王子様不在のハネムーン。あるいは、口に合わない地酒の話。
こんにちは、かきぴーです。
たまにはちょっとした青春の思い出話でもしようと思いポチポチしています。コロナで旅行に行けずモダモダした気持ちをぶつけたい。ちょっとだけお付き合いいただけますと幸いです。
2016年、春。
パリに留学中の貧乏女子大生かきぴーは悩んでいました。
ギリシャ旅行にいきたい!
もっというと、
サントリーニ島にいきたい!!!
サントリーニ島とは、ギリシャにあるリゾートな島で、漆喰で白く塗られた壁に、ところどころ青く塗られた教会、そして美しい空と海が映えるリゾート地で、ハネムーンの行き先として人気がある場所です。
そう、ハネムーンで有名な島なのです…。
Twitterで見かけてから、ずっと行きたかったサントリーニ島。ヨーロッパに留学しているうちに行きたい。でも、ホテルを探してもハネムーンルームというロマンチックな部屋ばかり。どこでも1人旅できてしまう私でしたが、さすがにここは一緒に行ってくれる人がほしい。
それなのに…彼氏が…いない………。
先立つもの(彼氏)がない私は、とりあえず同じヨーロッパに留学していた友人のにゃあみさんに相談しました。
私「最近どう?旅行行きたいんだけど、ギリシャ興味ない?」
にゃ「ギリシャ?何があるん?」
私「サントリーニ島というめちゃくちゃ綺麗な島があるんだわ。」(Google画像検索の写真を送る)
にゃ「いいじゃん。行こうよ。」
私「まじ?でも、この島ロマンチックすぎてハネムーンの客ばっかりなんだよね。今行くか、いつかのハネムーンにとっておくか悩む…。」
にゃ「未来の旦那様なんて待ってたってしょうがないよ!今行こうよ!」
私「やっぱり?王子様は待つものじゃなくて追い越すものだよな!いこいこ!」
こうして、不確実な未来より、確かなイマを選んだ貧乏留学生かきぴーは、なんとかバイトを頑張りフライングハネムーン旅行に行くことにしました。ちなみに私はフランス、にゃあみさんはドイツに住んでいたのでギリシャのホテルで現地集合です。ええい!うるさい!これが新しい新婚旅行だ!
せっかくのギリシャなので、アテネで合流、1日観光した我々は無事、サントリーニ島行きのフェリーに乗りました。
Google画像検索でよく出てくるのはサントリーニ島の中でもイアという場所。ホテルはそこにとりました。ちなみに行ったのは2月末だったので、オフシーズン価格でハネムーンルームにものすごく安く泊まれました。この時期は寒くて海やプールに入れないのと、お天気が崩れやすいのがネック。でも、島の美しさは冬も夏も変わりません。
そこからはもうパラダイス。
おいしいご飯と可愛いわんこにめちゃくちゃ癒されて島を満喫。そしてどこを撮っても映える。
そう、人生の楽園はギリシャにあったのです。
一応、海辺でラブソングを歌ったり、アクセサリーをお互いにつけあったりしてハネムーン感もちゃんと楽しみました。
サントリーニ島の有名な美しい夕陽もふたりと野良犬ちゃん一匹で眺めました。ハネムーンノルマは達成ですね。
ふたりでお散歩していたら、猫がたくさんついてきて、ハーメルンの笛吹(猫)みたいになったり、オフシーズンの荒れたビーチに行って嵐にあったり、ホテルの人にレズカップルとして親切にしてもらったり、旅行中に就活解禁になったことに気付いてES書いてみたり、居住地が海外で説明会に全然申し込めなくて諦めてまたお散歩に行ったり、たくさん思い出が作れました。
留学先の大学の春休みを利用した1週間ほどの旅でしたが、楽しすぎて、最後はアテネに一泊してから帰る予定だったスケジュールを急遽変更。ちょっと慌しくなってしまいますが、結局ギリシャ最後の夜もサントリーニ島で延泊して過ごしました。最後に見た夕焼けの美しいこと、名残惜しいこと…。
コロナで海外旅行どころか国内旅行、そしてちょっとした外食すら憚られる世の中になって、やっぱり彼氏がいないからという些細な理由で行きたかった場所へ足踏みしなくてよかった、心からそう思います。
ハネムーンに必要なのは王子様じゃなかった。
ハネムーンを楽しめる自分自身さえいればよかったんだと思いました。
今も変わらず彼氏はいませんが、次は30歳記念でまたギリシャに行きたいね、と話しています。ハネムーンは終わったから、次は違うテーマにしよう、次は貧乏旅行じゃなくて、お互いにバリバリ稼いで、ちゃんとシーズン真っ盛りでプール付きのホテルを予約して、あの時は口に合わなかったギリシャのOUZOとかいうお酒にもう一度挑戦してみよう。ん?気がつけば私の人生に王子様はいない前提で話は進んでいますが、それでもいいではありませんか。時代は令和。結婚なんてしなくても人生は美しいのです。
そうだよね、わんちゃん。
ギリシャの神々が愛した酒の味も、大学を卒業して、就職して、いくらかアルコールを知った今なら美味しく飲めるかもしれません。
La vie en rose(ラビアンローズ)だなんて言葉もありますが、人生が薔薇色一色だけなんて芳しいけどさみしいと思いませんか?私、そんなにピンクが好きなわけでもないし。どうせなら、もっと違う色も知りたいのです。
次の思い出は、夕陽に染まる街の色をしているでしょうか、どこまでも透き通った紺碧の海の色でしょうか。それとも、全く知らない美しい色をしているのでしょうか。
また、新たな思い出を作れる世界になることを祈って、乾杯。
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