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日本人の「愛国心」は間に合わなかった 近づく戦争と小惑星

トランプ氏が警告、第3次世界大戦は「それほど遠くない」

トランプ米大統領は19日、中東やウクライナで続く紛争に言及しつつ、第3次世界大戦は「それほど遠くない」と警告した。ただし、自身が大統領に就いたことで大戦勃発は防げるとしている。
(CNN 2025/2/20)


「2032年に地球に衝突するかも」な小惑星、衝突確率が3.1%に上昇…

今年に入って急激に名前を聞くようになった小惑星「2024 YR4」。それもそのはずで、去年の年末に発見されたばかりなのに、たった8年後に地球に衝突するかもしれないという危険な星なんです。
2032年に2024 YR4が地球に衝突する確率、1.2%。が、最新の研究ではその確率が3.1%に高まってしまいました。

(Gizmodo 2025/2/19)


どちらの「警告」にも、懐疑説はありますが。

まあ、私は、どちらかというと、「第三次世界大戦」のほうを心配すべきだと思いますよ。確率的にもね。


でも、まあ日本は、相変わらず呑気で。

選挙を前に、政治はどの党も「手取りを増やす」みたいな話ばかりしている。

一度は期待したあの日本保守党も、新政策は「消費税ゼロ」ですよ。


選挙を前にすると、右も左も「コメよこせ」の生活闘争ばかりになる。

戦後の日本は、ずっとそうです。情けないです。



それで日本は、戦後80年、憲法改正で軍隊を正式化することもなく、「愛国心」を国民に育てることもなく、また戦争を迎えようとしている。

平和主義が通用するのは、平和な時だけ、という皮肉が現実のものになりつつあるのに。


日本人は「欧米」とひとことに言うけど、アメリカとヨーロッパが分裂しつつある。

それこそトランプがやり始めたことだ、と左派は言うかもしれないけど、JDヴァンスが言うとおり、右派がヨーロッパで伸びているのはトランプのせいではない。そして、トランプの前から、同じ「分裂」は、アメリカ国内にもあった。

もし、それが、ロシアの陰謀だとするならば、これもJDヴァンスが言うとおり、ロシアの謀略ごときに耐えられないほど欧米の民主主義が脆弱だったということです。


アメリカは、ある意味では建国の精神である、反ヨーロッパの「自由絶対主義」に戻りつつある。

昨日、YouTubeで、キリスト教説教師の高原剛一郎は、「キリスト教徒のJDヴァンスには、イエスを殺したローマ帝国=ヨーロッパへの反感がある」とか言っていました。ほんとかどうか知らんけど。

ヨーロッパに忍び寄る、民主主義崩壊の闇 衝撃のヴァンス副大統領演説(ごうちゃんねる 2025/2/20)


でも、この「分裂」が根深いものであるのは、確かなようです。



今度のトランプ再選で誰かが言ってたけど、戦後日本は結局、アメリカの民主党に教育されたので、共和党の思想がわかっていない。

私も以前、日本で翻訳出版されるアメリカの本は、リベラル派のものばかりだという問題を、書いたことがあります。


戦後の日本を最初に教育したのは、共産主義と妥協的だった民主党の左派でした。

そして、その民主党、リベラル派においても、1960年代以降、さらにもう一段、左傾化が進むことになる。

その契機になったのが、ベトナム反戦ですね。

ベトナム戦争は間違っていた、だからベトナム戦争に負けた、という苦い認識が、民主党の、ひいてはアメリカ全体のリベラル化を招きました。


白人リベラルの罪悪感は、欧米の標準的な人文学の価値観となり、反差別、多文化主義、LGBT・・などに運動化していくことになります。

移民問題を契機として、いま、それに対する揺り戻しが起こっているわけですね。


それに先立つ1980年代から、アメリカでは保守の再生、いわゆる「保守革命」が起こるわけですが、その中で重要だったのは、ベトナム戦争についてのリビジョニズムだったと思います。

たとえばマイケル・リンドみたいな、どちらかといえばリベラルな人が、「ベトナム戦争は正しかった」と言い始めた。

アメリカは戦争において、多くの間違いをおかしたかもしれないけど、少なくとも反共主義という目的は正しかった、と。

そうした思想の転換によって、アメリカが「ベトナム敗戦」を乗り越えたのが、「保守革命」の重要な要素でした。


ベトナム戦争についての議論はともかく、ある種の「正戦論」は、国民の価値観にとって重要なのは確かです。

正しい戦争はある、という前提から、国家の道徳や愛国心が生まれる。

アメリカは一貫して、正しい戦争は戦う、という姿勢がアイデンティティですからね。平和主義ではない。だいたい平和主義の国なんてほとんどない。


日本の戦後の平和主義は、憲法前文にあるように、「平和を愛する世界の諸国民の公正と信義」、つまり国連の一致団結を前提とするものでした。

その前提が崩れたことは、以前から言われていますが。


でも、日本のような他人任せの「平和主義」は、結局は相対主義におちいり、国民の倫理観や愛国心をはぐくまなかった、ということのほうが重要ですね。

事実において、日本人ほど愛国心の低い国民はいない。戦争が起こったら逃げる、とみんな言っている。どこに逃げるのか、は知らないけど。



国民の倫理観や愛国心のためには、ある種の戦争の肯定、「正戦論」が必要だ、ということは、日本でも1990年代に意識され、たとえば小林よしのりの「戦争論」が売れたりしました。

小林がどう言ったか、正確に覚えていませんが、私は大東亜戦争において、どこが正しくて、どこが間違っていたか、きちんと腑分けして価値観を確定させるべきだと思います。


私の意見では、

1 欧米人による「白人支配」と戦って、日本の独立を守ろうとしたのは正しかった

2 でも、そのために日本が「アジアの盟主」になりたがり、アジアを支配しようとしたのは間違いだった

という価値観がいい、それが正しいと思っています。


でも、なぜか日本の保守は、

1 日本が「アジアの盟主」になりたがり、アジアを支配しようとしたのは正しかった

2 でも、そのために欧米の「白人」たちと戦ったのは、間違いだった

という価値観なんですね。


逆だろ、逆。

と私は思うんですが。



まあ、私が正しいという自信はそんなにない。

ただ、こういうことを、大いに議論すべきだったと思うんです。


でも、もう遅い。

もう間に合わないですね。


日本人は「愛国心」を持てない。

自分たちの戦争を戦えない。

そのことに誰も危機感を持っていない。


戦争も、小惑星の衝突も、黙って受け入れて、日本は消滅するでしょう。

幸いなことに、その前に、私の寿命が消滅するでしょう。



<参考>


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