【今生の思い出】ジョン・アダムズ自作自演コンサートに行ってきた
A席6500円ですよ。
わたしの一週間分の食費ですよ。
貧乏老人のわたしは、死ぬような思いで、チケット買いました。
でも、最近、マジで、知ってる人がよく死ぬ。
死んだら、音楽も聴けないからなあ。
わたしだって、いつ死ぬかわからん。
いまのうちだ、と思ったんですね。
ジョン・アダムズが、日本に来るというから。
日本に来て、初めて日本のオーケストラで自作を振る、というコンサートに行ってきました。
ジョン・アダムズだって、もう75歳。
同年(1947年)生まれの高橋春男さんが、最近亡くなったばかりだ。
もう何度も見られないかもしれない。
18日、サントリーホール。
演目は以下のとおり(すべて自作自演)。
1 アイ・スティル・ダンス(2019)(日本初演)
2 アブソリュート・ジェスト(2011)
3 ハルモ二ーレーレ(1984-85)
ここでエラソーに曲の解説や演奏批評はしない(できない)けども。
アダムズの指揮も、都響も素晴らしく、ひたすら、耳のごちそうでありました。
2時間、夢のように、あっという間に終わった。
一カ所だけ、挙げるとすれば、「ハルモ二ーレーレ」第一楽章中間部で、弦楽が「憧憬」の旋律を奏ではじめるところ。
会場から、「ふーぅ」とため息が聞こえた。
ため息が出るほど美しい。
あの瞬間だけでも、6500円の価値がありました。
終演後は割れるような大喝采。
「ハルモ二ーレーレ」は人気曲で、いつ聴いてもいいけれど、本当は、(最近わたしがよく聴いている)「繊細で感傷的な音楽」を、作曲者の棒で聴きたかった。
ジョン・アダムズはまだ元気そうだから、また来て振ってほしい。今度も貯金をはたくよ。
<参考>
都響のジョン・アダムズ特設サイト