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処女作(全文無料) 短編小説 膜を通して。

長らくお待たせしました。
かきくけコラムニストです。
今回の作品は
僕の投稿初の有料短編小説になっています。
これで、本当の僕のファンを選別する事が出来ますね(冗談)
頑張って書いたので是非、読んでみて下さい。それではどうぞ!
※「処女作なので皆んなに先ずは読んでもらいたい!」という理由での全文無料なので
次回から1000円キッチリ取っていきます。


膜を通して。

かきくけコラムニスト


男 芳賀啓人

(はが けいと 1998年10月19日〜)

また同じ朝が来た。昨日のブラジル産豚肉は特に腰に来るものがある。そんな事を言いながら、あの頃と変わらない子供部屋を飛び出して指定されたバス停に行き、港の倉庫に向かった。この生活が始まって早1年。高校を卒業して周りはやれ就職やら、進学やら、本当は死んでも乗りたく無い社会のレールに沿った塗装の剥がれた列車に乗って、僕の行きたく無い場所に皆んな行ってしまった。あの頃僕らの下関は荒廃しまくっていたが、友達がそばにいる事で世界一の楽園だと錯覚していた。この街は昔、捕鯨が盛んで全国各地から金を求めて男達が移住してきたそうだ。今では世界各国から鯨を捕獲する事への問題視が騒がれているが、僕の様なこの街に住んでいる奴からしたら、知ったこっちゃ無い。当たり前。ただお前らの国の文化とこの街の文化が違うだけ。中国だって猿の脳みそを平気で店で提供したり、犬を食べたり、アフリカの一部地域では首狩り族という集団が人間の脳みそを食べる事で自分自身が強くなるという言い伝えを守り現在でもその活動は行われているらしい。確かに鯨が昔よりも減少した事によって保護団体が捕鯨を非難する事はまだ分かるが、世界を見渡してみろ。こんな鯨よりも考えないといけない事は沢山あるだろ。中国で言ったらウイグル人問題なんて最たる例だ。この日本をどうにか批判したいからってイチャモン付けてくんな。そんな事を友達と話していた事を移動中のバスの中で思い出した。何も変わらないのに、何かが変わると思って熱心に語り合った夜。流した汗も少しの輝きを放っていた。ああ、先に言わないといけない事があった。今向かっているバスはこれから働く日雇いバイトの冷凍倉庫のピッキングの場所に向かっている。此処では生気を失った顔の集団が朝早くの冷たい下関の港に向かい、その近くにある冷凍倉庫の中でピッキング(仕分け)を行う。時間は8時間。午前8:00〜12:00、12:00〜12:30昼休憩、12:30〜16:00で終了だ。内容としては港に送られてきた様々な商品をベルトコンベアで僕達が待機している仕分け場に流されてくるので、それを僕達が1つ1つ段ボールに入れていく。ただこれだけの仕事。腕と腰の筋肉が平均以上の発達をしている奴が勝ち残る仕事。そこで僕は永遠に商品が来る→取る(本当に重たい)→段ボールに入れるを此処一年繰り返して来た。この作業をしていても、この作業内容について意識する事なんてものは無いので(ちょっとしたテクニックぐらい)昔の事を思い出す時間によく充てている。僕の学生時代は人に話せる程の出来事は本当に1つも無かった。小学生の時は人並みに勉強が出来て、運動も出来て、友達も2.3人は居て、まあ日々感情が揺れ動く事は少なかったが、幸せに暮らせていたと思う。父は地元の漁師で特に何処かに一緒に遊びに行ったりとかは無かったが普通に優しくて、母は専業主婦で普通に優しかった。この街では一般的な家庭環境だったとも思っている。中学生になると思春期に突入して両親と会話をする時間は減っていき放課後は、軟式テニス部の練習か、数人の友達で何処か遊びに行くみたいな一般的な中学生を過ごしていたと思っている。だが、1つだけ他の中学生達と違う部分があった。それは「性への途轍もない執着」だ。これを言うと必ず「そんなん中学生なんか四六時中脳内エロで満たせれてるやろ」なんて言葉が返ってくるが、僕の場合はその「エロ」の次元を超越した「エロ」を日々感じていた。例えば自慰行為をする時、皆んなは一度は惰性でやった事があると思うが、僕は一度も惰性でした事は無い。何故なら自慰行為をした時の衝撃的な快感は中学生の身体には早すぎるものであって、本来はしてはいけないものだとずっと思ってたからだ。だから自慰行為は週一回と自ら制限を掛けて生活を行なっていた。もう一つは「性別を超えた快感」と言うものもあった。今となっては男→男、女→女が好きという感情は皆一つの価値観として理解していると思うが、当時の自分の周りに居た人達はいつも男→女、女→男が好きだという前提で話を進めていく為、話の途中で絶対噛み合わない所が発生してしまう。その都度自分が相手の価値観に合わせて会話をしないといけないので、他人と会話をする事があまり好きでは無かった。僕の場合は女の胸でも抜けるし、男の胸でも抜ける。女性器でも抜けるし、男性器でも抜ける。今で言うLGBTQのBに当たるバイセクシャルの人間だった。(今では女性しか抜けない)そんな事実を隠しながら生きていく事は難しく、ある日の英語の授業中にその年から新たにこの学校にやって来た今で言うALT(外国語指導助手)という簡単に言えば海外から出稼ぎに来た英語を教えるだけの先生が僕の教室に入って来た。ALTは白人の身長180〜185cm、筋肉モリモリ、イケメンアメリカ人だった。当時の僕の性癖にぶっ刺さった。女性なら清楚だがS気があるお姉さんタイプ、男性なら筋肉モリモリマッチョマンなら誰でも良かった。僕はいきなりいつも英語を教えてくれるブス眼鏡ババア(当時の感想)の隣に、まさか性癖を刺してくる奴が出て来るなんて思いもしていなかったので、自分の男性器がみるみる勃起していき、周りの奴らにバレるぐらい分厚い学生ズボンを膨れ上がらせてしまった。そしてその状態で授業が流れて行くが僕の脳内は「今すぐあの白人とセックスしたい!」という感情だけが音速を超えるスピードで流れていっていた。そして中2の夏休み終わりという事もあり、まだ室内は暑さが残っていたので、辺りを見渡してみると女子はスカートがいつもより短く、胸元のボタンもいつもより1つ多く空いて、男子に関しては殆どボタンを開けてる奴、ボタンは開けていないが汗の影響でムキムキの胸の形がはっきり見えている奴など、ただ辺りを見渡すだけで僕の性癖をブスブスと刺して行く音が聞こえて来るという不思議な状況になってしまい、部活や遊び疲れて余りで自慰行為が出来ていなかったという事もあり、僕は授業中に分厚く蒸し暑い学生ズボンの中で射精をしてしまった。完全に出て感覚があり、臭いも完全に精液の臭い。当然数秒後には隣の男子に「なんか臭くね?」と言われたので僕はすぐさま先生に「ちょっとトイレ行って来ます!」と言ってトイレに行きベタベタになったパンツと染み着いた学生ズボンの内側をトイレットペーパーで念入りに拭き、パンツはもう使えないので履くのを辞めて、学生ズボンは仕方なく履いた状態で教室入ったら、案の定友達数人から「なんかお前チンチンめっちゃ見えるぞ。」とまあまあの声量で言われ、自分では大丈夫と思っていたパンツ無しズボン状態が、周りから見ると完全にチンチンの輪郭がくっきり見えていたらしく、他のクラスメイトにもその状態がバレたので本当に恥ずかしくなり先生にも何も言わずにそのまま家に帰った。両親には「体調が悪い」という理由で持ち堪えた。その日から数週間は学校に行く事が出来ず、自分の周りと違った性癖を恨み、自分の存在自体を消してしまいたくなってしまった。そして数週間が経ち、大事な中間テストがあるという事で仕方なく学校に行った。そしてあのチンチン丸見え事件を目撃した人々を前にしていきなり足が動かなくなった。「絶対になんか変なあだ名を付けられていじめられてしまう!」と思ったから。そしたら友達の1人が教室を出て僕の所に来て、「お前大丈夫やったか?あの時お前おしっこ漏らしたんだろ?誰とお前の事馬鹿にしたりしてる奴なんていねえから。早く教室入ってこいよ!」と強く背中を押されて教室に入ることが出来た。そして顔を上げて皆んなの顔を見ると、皆僕を心配しているような顔で、僕を見つめてくれた。誰も射精した事なんて気付いても無く、考えにも無かったそうだ。危ない。その安心でまた勃起しそうになったが、英語のブス眼鏡ババアの顔を思い出してなんとか耐えた。そしてその調子で中学を卒業。(まあ、その間にも運悪く射精した時に精子が上手く外に出る事ができずに、金玉の中で悪さをしてある日激痛が走り、急いで泌尿器科に行ったら「自慰行為のし過ぎです。」とおじさん医師に言われて、その時横にいた母に「少しは回数を減らしてみたら?」と謎のアドバイスを貰うみたいな事もあった)そして地元の偏差値45ぐらいの公立高校に入学。勉強は中学に入ってから全然やる気が起きなくてこの有様になった。中学の友達は何故か地元の進学校に皆行った為、話せる相手が誰も居なかったが、頑張って同級生に声をかけて行き中学の時同様2.3人の友達を作る事が出来た。そして部活は軽音学部に入って文化祭前とか何かのイベント前になると部員が集まってそれぞれのバンドメンバーを作って、披露曲を決めて、毎日放課後練習をして、当日披露して声援を貰うという所謂「青春」を体験する事が出来た。(何故か中学を卒業してからは、女子でしか抜けない体に変化していた)そして3年生になると将来の事を考えるようになり、皆んな就職or進学という2択になっていた。僕も特にやりたい事なんてものは無かったので、地元の偏差値40ぐらいの大学(Fラン)の指定校推薦がうちの高校からまあまあの数出ていたので、そこに進学するつもりだった。進学を選択した奴らは大体がこのFランに行く予定だった。僕の友達も皆この大学に行こうとしていたので、僕もこの大学に進学したくなって指定校推薦枠を勝ち取ろうと必死に勉強した。しかし指定校推薦は高校3年間の成績を総合的に判断した上での推薦なので、1.2年遊び呆けていた僕は当然行けるはずも無く枠に入る事が出来なくなり、進学する事が出来なくなった。(友達はこっそり1.2年も勉強していたらしい、死ね。)なので残りの就職の択しか無いので父に懇願して父の漁師を継ぐ事にした。最初は色々大変だったけど段々上手くなって行き父から「これで俺も安心して漁師を辞める事が出来る。」と僕に言って来た。父はずっと僕の事を陰ながら見守っていたらしい。だが、ある日下関から萩の方に行き漁をしていた時、今まで体験した事の無い荒波が押し寄せて来て、僕は漁師に恐怖のイメージしか付かなくなり、22歳の時に辞めた。そこからは父とは一言も話していない。そして3年程のニート期間を経て、今の日雇いピッキングに落ち着いている。そして仕事が終わり1万円の入った茶封筒を握り締めながら帰宅して、母にそのまま1万円を渡して部屋に戻った。(月10万は家に金を入れないといけないので)そして四肢全てが疲れているのでもう寝ようかと思った時「このまま同じ事を繰り返して死にたく無いな。何か欲望を満たすものないか?そうだ!パパ活女子とセックスしよう!」となり今まで溜めに溜めていた性的欲求を満たす為に、令和最強の素人「パパ活女子」とセックスする事に決めた。いつも通っている風俗なんてもう高が知れている。あんなのに1〜2万もせっかく頑張って稼いだ金を使いたく無い。だから素人でもあり、合法でもある(違法)パパ活女子とセックスをすれば新しい快感を得る事が出来る。絶対。そうと決まればすぐにXを開いて「パパ活」と調べて出て来たアカウントに手当たり次第dmで「20代男、今すぐヤリたいです。」と送った。そしたらすぐに「アオイ」という子から返事が来て「ホ別ゴムあり2万でOK?」と来たのですぐに「OK!」と送りLINEも交換して日時を10月19日に決めた。そして当日夜行バスを使って歌舞伎町のトー横に向かった。


女 村田 葵

(むらた あおい 2008年10月19日〜2024年10月19日)
別名「アオイ

札幌はいつでも寒い。どんなに家庭が滅茶苦茶になっても一歩外に出てみるとすぐに家の中に入りたくなるぐらい寒い。まあ、私が生まれた頃よりかは暑くなって来ているとは思うけど、東京やそれよりも西の地域の人達に比べたら、全然寒い方だと思う。今は16才。トー横に住んでいる。その理由は幼少期まで遡る。私が生まれまも無い時はまだ父と母は仲良く過ごしていた。両親共に医者で、病院の中で知り合って結婚したらしい。父はまあ、平均的よりは上ぐらいの顔で、身長は186cm、細くて背も高くて頭も良くて学生時代はかなりモテていたといつもまだ自我も持っていない私に向かってよく言っていたそうだ。(母から聞いた)母も平均的よりかは綺麗な顔をしていて、特に鼻は私も憧れるぐらい高くて、鼻筋も真っ直ぐ通っていて、父はその部分を特に好きだそう。(父から聞いた)母も学生時代は頭も良くて、ある程度可愛いかったからまあまあモテていたそうだ。(そんな事は本当にどうでもいい)だから、私の家庭は周りから見たら、両親医者だからそれなりに裕福で、それなりに外見が整ってといたから、私の記憶がない時から近所の人達に「この家に生まれて良かったねー!」とよく言われていたそうだ。(よく言われてばっかりやな)そして父、母共にかなりの学歴厨で周りかの期待、視線をいつも気にして生きていたので、一人っ子だった私にその凝り固まったプライドだけの思想が降り掛かってきた。始まりは私が1歳ぐらいの頃。(この頃の記憶は何故かある)母が仕事から帰宅して、地元でも有名な勉強させられる保育園にいる私を迎えに来てすぐに家に帰り、その保育園でやっていた知育玩具みたいな今考えれば「何がおもろいねん!」とツッコミたくなる様なパズル、積み木、木の棒に丸い動く塊が何個か付いていて、それをひたすら動かして特定の場所に集めるの様な事を一日中させられてた。そして小学生になるとよく分からない塾に入れさせられて、いつも学校で皆んなが習っている内容のどんどん先の内容をやらされて小学校を卒業する頃には高校1年〜2年生ぐらいの内容まで終わる事が出来た。この時の私はただ塾の先生に言われた事を毎日こなして、出来たら先生、母、父、にめっちゃ褒められるので、まだ子供の頃だったから「褒められるって事は、この行為は良い事なんだ!」と錯覚して褒められたいが為に毎日必死で勉強した。そしたら当然だが学校のテストの点数はいつも満点。塾のテストは学校のテストよりもかなり難しいかったから80/100点ぐらいで、母が決めていた合格ライン70/100点はいつも満たしていたので、テストが終わり、結果が返却されて母に見せて8○点とかだったら「凄いね〜〜!」と褒められて、私が欲しかった2000円ぐらいするシャーペンとか、ゲームのカセットとか、好きなアニメのグッツとかなんでも買ってくれた。けどいつも家に帰っても両親は仕事の関係で家にいる事は殆ど無く(年に4.5回)本来両親に話さないといけない悩み。学校で○○ちゃんと喧嘩したとか、○○君に嫌な事を言われたとか、○○ちゃんと体育の時こんな事があってとか、塾終わりに○○ちゃんと話して楽しかったとか、今日あった楽しかったエピソードトークが一切出来ないまま時間が過ぎていっていた。そして、5年生ぐらいから本格的に中学受験の勉強をスタートさせられた。私は女性なので地元の有名な中高一貫校は男子校である事も珍しく無く、母は「もし貴方が男として生まれてたら、絶対北嶺(地元で一番の中高一貫校)に入れさせてたなーー」とまたに言っていた事を思い出した。けど私は女性。だから北嶺よりは偏差値が低いが地元の誰でも入れる公立の中学校よりは良かった違う中高一貫に受験させられて、そして入学して中学生まではその学校で、高校はまた違う地元の公立の進学校に通うという予定だったそう。(当時の私は取り敢えず中学受験の勉強に必死で、他の事なんて考える事は出来なかった)そして受験当日。私の学力が思ってた以上に良くて難なく合格。そして小学校卒業。そのまま受験した中高一貫校に入学した。母の期待に応える事が出来たという喜びと自分の努力が報われたという喜びで合格した時は家族全員で喜び合った。(この頃になると父は余り学歴厨とかでは無くなっていて、母中心に私の道は決められていった。特に親戚に合格報告する時の母の顔は今でも忘れられない程、上手く育てられている自分に自惚れていた。)新しい環境。私も中学生になり、小学生の頃よりもやりたい事なんかは多くなっていった。実は小学生の頃、塾で授業を受けている時なんかはよく「けどクラスメイトの○○ちゃんは最近彼氏が出来たって言ってたなぁ〜。私も最も学校で皆んなと関わりたいけど、塾の宿題を休み時間にしてたらすぐに時間は無くなって、皆んなは外から楽しそうな声、話をしながら教室に帰ってくる。今の自分って本当に楽しいのかなぁ〜、、、、」と思うがすぐに「ここ、テストに出そうだからメモしないと!」と思考が勉強=幸せをどうにかして作ろうとしている体になっていたが、今は周りの皆んなは当たり前の様に塾にも行ってるし、他の習い事(ピアノ、そろばん、水泳、英会話、習字)もやってる人がクラス全体の過半数は占めていたと思う。(私は塾一本)その中で1人私によく話しかけくれた人がいた。その子の名前は美咲ちゃん(以後Mちゃん)。Mちゃんは私と同じ様に小学生時代から毎日塾に行っていて、親から「あなたは北大医学部に行くのよ」とずっと言われて来たそうだ。私も実は中受の時に「あなたは北大医学部に行くのよ」とMちゃんと全く同じ事を言われていた事を思い出した。けどMちゃんは高校はエスカレートでこの学校の高校に行くらしい(まあ、それが普通なんだけど)。でもMちゃんは大学なんて行きたく無く、況してや医学部なんて絶対行きたくないらしい。「本当は漫画家になりたいの!」と自分が書いた私は分からないキャラクターの絵を見せてきた。素人目からしても上手いという事がわかるぐらい上手だった。でもMちゃんは「この事をお母さんに言うと、めっちゃ怒られるの。一回自分が書いた絵を破された事もあったの。最悪じゃない?」と声色は明るい感じだったけど、目元は赤くなり今にも泣きそうな顔をしていた。私は「実は私も小学生の頃よく、本当に今楽しいかなとか考える事があって、Mちゃんみたいに具体的な夢とかは無いけど、なんて言うか自分の人生ってこういうものなのかな?って思う時があるの。」と伝えるとMちゃんが「じゃあ今度塾終わりでも良いからこの場所に来てよ。」とスマホで見せられたのは、北海道屈指の繁華街「すすきの」の有名なNIKKAと書かれたおじさんの看板がある所の真下ぐらいの画像を見せて来た。私は「こんな所まだ12歳の女の子だけで行くのは危ないよ!」とMちゃんに言うと、Mちゃんは「けど私達の様な無理矢理中受を受けさせられた人達って、普通に毎日生活して来た小学生とかよりも何百倍も努力して、何もかも我慢して、大人の機嫌を伺って、本当に最悪な人生を送らされて来てたと思うの。だから私はもう残りの人生、自分の好きな様に生きるって決めたの。だからこの中受も頑張った。最後のミッションだと思って。だからさ、葵ちゃんも変わるなら今だと思うよ。」と12歳の発言とは思えない程力強い言葉を感じた。私はその言葉に感化されて「じゃあ、塾終わりに行ってみる。」とMちゃんにわかる様に強い言葉で返した。そして当日塾の授業中にも今日の事でソワソワしていたが、いざ塾が終わりすすきのに向かうとなると案外気持ちを昂らせながら向かう事が出来た。「本当に私が楽しいと思う世界」を目指して歩いた。午後9時。本当ならとっくに家にいる予定だが、親はまだ帰っていないので、まだ大丈夫。そしてすすきのに到着した。そしたらもう既にMちゃんが到着していた。格好は完全に地雷系。Mちゃんの両親も私と同じ様に両方医者だからまだ帰って来ていないらしい。最近は塾が終わる→バックの中に入れている家から持って来た地雷系の服を近くの公衆トイレで着替える→すすきのに行くを繰り返しているらしい。Mちゃんは漫画家になりたいと言っていが、多分それは本当の夢では無くて、本当は私みたいに具体的に夢とかは無いけど、「今やりたい。」を優先して生きていく事は決まっているタイプの人間なんだと思った。私は眩しいぐらいのネオンを全身に浴びて、Mちゃんと一緒に街を歩いた。移りゆく景色を見ていると、今まで悩んでいた事が全部空に飛んでいく様な感覚を感じた。その瞬間私は「もう、自分の思った様に生きる。」と決意した。それからというもの、塾も頻繁に休む様になり(まだ、母にはバレていない)すすきのの街を徘徊した。時にはトー横にいる様な人達とも交流して、自分の居場所を求めた。そしてパパ活も始めた。誰も私を愛してくれていなかった事をMちゃんに気付かされて気がしたから。けど本番は一度もしなかった。自分の処女膜を破ってくれる人を見つけるまでは、そしてテストの点数が学校40/100点、塾4/100点というのが返却されて、私はそのテスト用紙と「もう、自分の行きたい様に生きる。」と書いた紙を残してMちゃんと一緒にトー横に行った。16才の時。(もうこの時点で、通っていた中高一貫校は退学になり、母も変な宗教に入信したのか、意味不明な文章を日々LINEで送られてくる。即ブロ消し、したけど。)トー横に行けば世界が広かった。自分と同じ様な考えの人達と毎日遊ぶ事が出来て楽しかった。時にはちょっと怖い見た目をした男の人に友達数人が連れ去られて、数日後に闇バイトの叩き(強盗)で捕まったニュースとか見たり、折角一緒にトー横に来たMちゃんが、来て数日後には近くのラブホから飛び降りて死んじゃたり。まあ怖くて悲しい事もあるけどあの頃に比べたら毎日楽しい!!だから今日もパパ活する為にXに来たdmを身漁る。そしたら「啓人」っていう人から「20代男性です。今すぐヤリたいです。」みたいな馬鹿が釣れたからホ別2万でヤることにした。


2024年10月19日。

お互い今日がこの世界に生まれた日だなんて
頭の片隅にも無かった。
この世界の事なんて
今は考える事が出来なかった。

男やっとトー横に到着した。
女あいつまだかな。
男この街は僕の下関よりも荒廃しているけど、なんだか気持ちは明るくなって来た。もう午後11:30分。辺りはネオンの所為でまだ明るいが身体は疲れを感じ始めている。急いで「アオイ」ちゃんに会わないと。あっ、いた。
女もぉー!!遅すぎ!「こいつ、本当に20代か?ボロボロの服に、ボサボサの髪、the田舎者って感じだな。」
男ごめん。夜行バスで来たから遅くなっちゃった。「めっちゃ可愛い!!今すぐにでもヤりたい!」
女じゃあホテル行こっか!「けど、顔は結構イケメンだな。なんか興奮して来た。」
男俺今日奮発してホテル代に10万持って来たから、「アオイ」ちゃんが知ってる10万で行けるホテル行こう!
女えー!なんでそんなにお金持ってるの?「こいつ、なんか慣れてる感出してくるなぁ。まあ良いけど。10万あるならいつもよりちょっと高めのあそこで良いっか。」じゃあ○○って所行こ!
男OK!

ホテル到着。

女先にシャワーしてくるね!
男分かった!
女(シャワー中)「なんか自分の父親にあいつ似てるな。お父さんもまあまあイケメンだったし、初めての本番任せてもいいかも。」
男(シャワー待ち)「なんか可愛いし、年齢は低過ぎたら怖いから聞かないけど、楽しそうだな!」
女シャワー終わったよ!「ゴム一応耐久性が良いこっちに変えとくか。(持参ゴム)」
男じゃあ俺シャワー入るね「今日の為にパナソニックの1万円ぐらいする電動シェイバーで全身剃って来たんだからな。VIOは除毛クリームでツルツルにして来たし、今日は楽しませるぞ!」終わったよ!
女OK!じゃ始めよっか!
男 うん。

開始。

男えっ、生で良いの?
女うん。なんか啓人さん見てると興奮して来たからいいよ。「初めてのセックス。今までは本番無しでやって来たけど、初めて処女膜を破ぶられても良い人に出会えたかも。」
男大丈夫かな。俺捕まったりしないかな?「生なんて、地元の風俗でもやった事ないぞ!」
女もういいの。なんか分かんないけど貴方が、私のお父さんにそっくりだから。なんか分かんないけど、貴方なら初めての処女膜を破ぶられたいなって。
男あ、そうなんだ。「そんなのどうでも良いだろ!!まあ、人生で一度は生でヤってみたかったから、別に良いか。」

ブスッ。

女あ、痛い!
男大丈夫?
ブスッ、ブスッ、ブスッ×n。

女今まで迷惑かけてごめんなさい!!
男急にどうした!
女私、本当は勉強とか受験とか一切やりたく無かったけど、お父さんとかお母さんが喜んでくれる姿が見たくて頑張ってきた。いつも帰りが遅いから今日学校であった事とか話した事が全然無くて悲しいとか思ってたけど、その分医者というとんでもなく忙しい職業の休みの合間で私の好きなアニメの映画を一緒に見に行ったり、動物園とか水族館とか色んな所行ったり、いつも私お父さん、お母さんの嫌な所ばかり見てたけど。本当は本当は本当は、、
男おい、大丈夫か!

あ、あ、イク!
ブシュゥー!!

あ、あ、あ、(汗滴る)
出してしまった。

あ、あ、あ、(涙滴る)
出してくれた。

女 大泣き 
男「アオイ」ちゃんも今まで色んな事があったかもしれないけど、過去を振り返っても現状は何も変わらない。俺も「アオイ」ちゃん程では無いけど色んな事があって今日雇いのバイトやってる。帰りに風俗に行くぐらいしか楽しみが無い人間なんだよ。「アオイ」ちゃんも今何歳か分からないけど、
女16
男16!嘘だろ!俺滅茶苦茶犯罪者じゃん!(最初から犯罪者)
女けどもういいの。貴方が今私の膣内に精子を入れくれたおかげで私の何かが吹っ切れた。
男よく血だらけのマンコの状態でそんなに冷静に喋るなぁ。俺が「アオイ」ちゃんのお父さんに似ていたか知らないけど「もう俺もここを逃したら誰とも付き合えなく人生終わってしまう気がする。この街が俺を変えてくれる気がする。」
女まあ、ちょっとだけね。ごめんね。さっきあんな事言って。
男俺と、
女え、いきなり何?
男付き合って下さい!
女え、
男だってもう中出ししちゃたじゃん!もう俺が「葵」の本当のお父さんになって一緒に人生育んで行こうぜ!
女、、、
部屋を飛び出す。

男おい、なんで俺はいつもこうなっちゃうのかな。でもあいつもまた誰かの精液で加工された醜いマンコになるんだろうな。もういいわ。人生こんなに甘く無いもんな。

部屋を出る
階段を降りる
屋上に繋がる非常階段の柵が外れているのを目撃する。
男 あいつもしかして。
走る。走る。
ホテルを飛び出した瞬間。
「LINE!(通知音)」
通知に気づき立ち止まる。

バァッッッッッッッッッン!!!!!
ブシュー!!

目の前に「アオイ」ちゃんが
グニャグニャになった葵が。

男 どうしてだよ!!(涙)
辺りは騒然としている。誰かがもう既に救急車を呼んでいた。

男そういえば、LINE来てたような。
葵①
開く。
「お前と一緒に死にたかった。クソ親父」



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