長い間、お疲れさまでした
ついに今日がやってきました。
決戦の11月24日、赤丸の付いた日。
父は今日、75歳以上の高齢者が免許更新の際必要になる認知機能検査と運転技能検査を受けてきました。
誕生日の半年前から予約ができますが、受けられる日が今日しかないという盛況ぶり(枠が少ないだけかもしれませんが)。
1ヶ月半前は鼻息荒く、絶対受かると豪語していたのですが。
「夕方、どうだった?」と聞くと、見るも哀れなしょげかえりぶりです。
付き添った弟に聞くと、最初の認知機能検査が散々だったらしい。
そりゃそうだよね・・・、日頃の生活ぶりを見ていると通ったら逆に怖い。
それでも運転技能検査までは受けさせてもらえたようです。
運転には絶対の自信を持っていた父ですが、思うようにいかなかったらしく、自分の能力の低下ぶりを自覚せざるを得なかったようです。
うなだれている父の姿は、何と言って声をかけてあげればいいかわからないぐらい。
しかし「もう、生きる気力がなくなった。」とは口にするけれど、想像したほどではありませんでした。
もしかしたら、どこか心の片隅にかすかな自覚があったのでしょうか。
口にすることばと表情が若干噛み合わない感じがしました。
そして、それに安堵しています。
イソップ物語の「すっぱい葡萄」ではありませんが、いろいろな事例を並べて、まだ自分はマシなんだ、しあわせなんだ、と言い聞かせつつ、やっぱりその喪失感は簡単には払拭できない。
「死んだら棺桶に免許証を入れといてくれ。もしかしたら向こうでは乗せてもらえるかもしれないから。」と無駄あがきもしています。
この葛藤はしばらくは続くのでしょう。
私たちは見守るしかありません。
今度の土曜日は父が私と弟のお嫁さんのお祝いをしてくれると言ったので、家族だけの食事会をします。
そのときに、父の免許返納のお祝いもしてあげようと思います。
「お祝いだよ、父ちゃん。長い間、運転お疲れ様でした。」
タイトル画像は”ますの”さんにお借りしました。
父はもうハンドルを握ることはありません。
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