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「大地」パール・バック著 三世代の生き方

この数年間、読む本がコーチングやカウンセリング、
ビジネス書、自己啓発ばかりだった事に気が付きました。
コレは危ない、偏っていく!と思い本屋に行って来たのが春先のこと。

自分の意思を曖昧にして、本屋を自由に100歩歩く
歩いたところの本棚から本を選ぶ「100歩選択」をしました。

久しぶりのリアル本屋は楽しいです。
ふらりと棚を見ると、洋書の古典コーナーでした。

その中に見つけたのが「大地」です。
丸谷は土いじり、畑いじりが好きなのでタイトルで「大地」を選びました。

読みながら調べてみると複数の賞を取っている立派な古典文学でした。
しかし、翻訳も読みやすく時代描写も詳細に描いてあるので読みやすいです。

「大地」は三部作になっいて
一部では、小作人から地主に成り上がる話。
二部では、息子たちがそれぞれ協力し合いながら生きていく話。
三部は、まだ未読。

読みながら気がつくのは、100年も前の中国の話なのに
今、現代の日本にも十分に通用する物語だということ。

1、土地を買う
2、資本がモノを言う
3、男が金を持つと駄目になる
4、女が金を持つと食い物、宝石に走る
5、親の価値観と葛藤する

丸谷はコーチであり傾聴屋なので、
5、親の価値観と葛藤する
と言うところにフォーカスしました。

100年前の中国は
「男が継ぐもの、女は奴隷」
という価値観です。
女の子は生まれて纏足をされて逃げないようにされてしまいます。
現代では考えられません!

男の子が生まれても長男最高!!!
以下は以下というもの。

小説の中では、時代ごとに価値観も変わってきます。
初代爺さんは
「湯に茶の葉なんぞ入れるのは、罰当たり」
という貧乏でしたが、孫あたりになると
喫茶店で茶でも酒でもたらふく飲み食いしています。

親の価値観のままだと、息苦しいでしょう。
その葛藤も丹念に書かれています。
たらふく腹を肥しても、幸せそうではありません。

飢饉や盗賊から逃れてやっとのことで手に入れた土地
「土地を売ったらおしまえだ」
という親父の価値観を、裕福に育てられた息子たちは
それぞれに価値観を対立させながら時代を生き抜いていきます。

果たして、彼らは幸せに近づけるのか。。

人生の教科書のような小説です。
三部を読むのが楽しみです。にこり

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