私の恩師
こんにちは。
今回は私の恩師について書きたいと思います。
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恩師について書こうと思ったのはLucyさんの記事を読んだのがきっかけです。
僕の恩師は高校の齋藤先生です。
齋藤重信(さいとう しげのぶ、1947年5月6日 - )岩手県盛岡市出身のサッカー指導者。岩手県立盛岡商業高校や岩手県立大船渡高校のサッカー部監督として、両校を全国の強豪校に育て上げ、多くの選手を指導した。第85回全国高等学校サッカー選手権大会の優勝監督。
引用:Wikipedia
齋藤先生は喉に穴が空いていて、声帯が1つしかありません。
試合中も喉に空いた穴を指で塞ぎながら、ガラガラとした声で叫びます。
" 翔! "
名前を呼ぶ声だけはよく分かるんだけど、言葉だけでは何を言っているか分からない。
だからジェスチャーを使うんです。
そうすると不思議だけど、僕には何を言ってるかわかるんですよね。
何故そうなってしまったのか。
齋藤先生は喉頭癌を患いました。
僕が指導を受けるずっと前の話です。
どの病院で診察を受けても全摘出になる。
そう言われたそうです。
ですが、唯一希望が見つかります。
とりあえず声帯を1本取ってみよう。
それでダメならもう1本取るから。その時は諦めるんだよ。
そう言ってもらえた病院が1つだけあった。
齋藤先生は放射線治療をしても食欲は旺盛だし、髪も抜けなくて本当に元気だったそうです。
奇跡的に1本の声帯が残ったことで声を失わずに済んだ驚異の生命力。
そこから齋藤先生は残された声帯で声を振り絞りながら長い年月を過ごしていくのです。
齋藤先生と過ごす中で僕が1番心に残っている言葉があります。
お前たちの頑張る気持ちをお金で買えるなら、
先生は買ってあげるよ。
だけど、こればかりはお金では買えない。
自分で頑張るしかないんだ。
確かにその通りだ。
何かいまひとつ頑張りきれなかった自分に火が灯った瞬間でした。
選手権に向けてもうひと頑張りだ!
そう思って練習に明け暮れる日々が続いていきました。
そんな中である出来事が起こります。
その日はサッカー部で校内の掃除をしていました。
僕は数人の部員と齋藤先生と一緒に自転車置き場の掃除をしている時に、いきなり隣でうずくまる先生に気づくのです。
翔、苦しい。背中をさすってくれ
僕は苦しむ先生の横で背中をさすり続けました。
それが、大きな病気の前兆とも知らずに。
次の日からは何事もなく過ごす先生の姿に、
苦しんでうずくまる先生をさすり続けたことを忘れていきました。
選手権の全国大会も近づき、ある時先生の姿を学校で見かけなくなりました。
僕は皆んなには言うなと父から理由を聞かされ、
先生を日本一にしよう!強く決意した瞬間でした。
齋藤先生が来ないまま練習は進み、合流したのは全国大会に向けた事前合宿の終盤でした。
そして、第85回全国高校サッカー選手権が開幕。
2007年1月8日
僕たちにとって最高の1日になるのです。
俺、めちゃくちゃジャンプしてるな笑
齋藤先生は大会前の11月に冠動脈血栓で約8時間の心臓手術を受けながらも、現場に復帰して優勝の瞬間を迎えた。
僕は嬉しかった。
優勝する事が自分の1つの夢だったから。
ただそれだけではない。
自分の夢は、父のかつての夢でもあった。
そして、齋藤先生を優勝させる。
それは、僕たち親子の夢。
齋藤先生を師とする者たち全員の夢でした。
だから泣きました。
齋藤先生には勝っても負けても泣くなって言われてたけど無理だった笑
優勝パレードでオープンカーに乗る予定のない自分に
" 翔も乗れ "
齋藤先生と一緒に岩手の皆さんに沢山声をかけていただいたことは今でも良い思い出です。
そんな齋藤先生も2019年引退しました。
齋藤先生にもらった言葉は
今では、僕が選手たちに使っています。
ついこの前も順心の選手に使いました笑
あの時に先生がくれた言葉。
今になって改めて考えてみるとあの言葉は、
頑張るのは自分自身の力だぞ。甘いぞ。って叱責ではなくて、その言葉の裏にはお前たちならまだまだ出来るぞ。って背中を押してくれていたんだと思います。
言葉や行動で後押ししてくれる人がいるから頑張れるんだなって思いました。
人は1人では頑張れない。
仲間が頑張る姿。仲間がかけてくれる言葉。
家族からの言葉。学校の先生からの言葉。
友達の言葉。地域の人たちの言葉。
様々なことよって一歩踏み出す勇気がもらえる。
誰かのためだからこそ、より頑張ろうと思える。
齋藤先生が教えてくれたこと。
サッカーの勝ち負け以上に大切なこと。
今度は僕が伝えていきます。
今回の優勝後に先生がメールをくれました。
優勝おめでとう。際どい所もあったけど、面白い試合でした。これからも指導者としてより経験を積み、良い指導者になってください。
何が良い指導者の条件なのか。答えはわからない。
だけど、先生の言葉を胸にこれからも僕は歩んでいきます。
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