みなさま、あけましておめでとうございます!
世界的にもさまざまなことが起きた2022年。2023年はどのような年になるでしょうか。
婦人之友社の創業者である羽仁もと子は、家庭からよい社会をつくるという視点を貫く月刊誌『婦人之友』を創刊し、今年で120年の節目を迎えることとなりました。2023年最初の「羽仁もと子のことば」は、明治40(1907)年8月に書かれたものを紹介します。明治40(1907)年の1月、東京株式が大暴落。これが日露戦争の戦後恐慌の始まりです。日本は、日露戦争で多額の支出があったものの、賠償金がまったくとれず、この恐慌は「明治四十年恐慌」ともよばれています。そのような社会状勢のなか、羽仁もと子が残した言葉です。
昨年は、不安定な社会情勢の中、円安や物価の上昇などにより、私たちの生活に直接影響のある出来事が多くありました。それでも、生きていかなければならない私たちにとって、このもと子の言葉は、少なからずヒントになるのではないでしょうか。明治四十年恐慌が、一般の家庭の家計に与えた影響がどの程度であったか、わかりませんが、「一つの銅貨でも、十分に役にたつような使い方」を多くの方が模索していた時代であることがうかがえます。
この「金銭に対する理想」の最後には、よい社会(各人の家庭に、全然余財を持つことなしに、安心して生活することが出来る)を築きたいという理想を記しているところも、羽仁もと子ならではの考え方でしょう。このほかに羽仁もと子の社会への想いを綴った「家庭は簡素に、社会は豊富に」もあわせてお読みください。
2023年も、どうぞよろしくお願いいたします!