電通を退職して1年が経ったので振り返りと、改めて自己紹介
14年ほど働いた電通を退職して1年が経ちました。社会人15年目です。
簡単にですが、転職した1年について振り返ろうと思います(写真は夏頃参加したマーケターの集いで宿泊したザ・プリンス箱根芦ノ湖の芦ノ湖です。湖の目の前にベンチがあってとても良い。)
ちなみにですが1年前に下記のnoteを書いておりますので、ここで書いてことに対してどうなっているかについても記載します。
電通をやめてFor youに入社した話。
あたらめて今やっていることと、簡単な経歴です。
よかったこと
転職して、スキルや知識面や仕事面、社会的な接点において後悔することは全くないです!よかったことをあえてまとめると、
①やりたいことができていること
これまで経験してきたことを発揮したり、社員に共有することをしながら、キャリアとしてマネジメントの経験をしたいと思っていました。
前者においては、現場仕事もガッツリやりつつ、社員に適宜教えたりしながらやれているかなと思います。当たり前だったのかもしれませんが、クリエイティブのアウトプットを考えられる人は多いものの、なぜそれをやるべきかを戦略性を持って整理できる人ってそれほど多くないのだなと(自分の価値は社外に出てみると気づくというやつですね。)
後者については現状8人の部下(部下という気持ちはなく、仲間という気持ちなのですが)がいて、評価や育成をしています。
また、会社全体において育成の仕組みや評価の仕組みを作ったりなどさまざまやることがあります。またForyouは投資を受けているので投資先とのシナジーをどう生むかなども考えています。
採用業務に関しても比重がかなり高いのですが、スキルの見極めやカルチャーマッチなども経験がまだまだ足りないのか悩むことが多いです。それだけ自分が成長する余地があるということですが。
会社全体のブランディングについては、ロゴとサイトリニューアルを来年予定しているので、そこからさらにやることが増えていくと思います。
②クライアントとの距離が近くなったこと
電通という大きな組織にいたときはクライアントに一番近く向き合うのは営業/BPということもあり、あまりクライアントと仲良くなることはありませんでした。
転職して、所属する会社も個人の会社も前職と比較すれば知名度が高くないため、よくも悪くも個人として見られることが増えました。
それがゆえにいい仕事ができると個人として仲良くなれたり、「もっと思ったことを忖度なく言ってくれ」と言ってもらえることが増えました。ありがたいですね。そういってもらえると期待値を超えたいと気合が入ります。
③自身のスキルの幅が広がったこと
SNSやインフルエンサーが好きで得意な社員たちに囲まれてどっぷり使ったり、提案作業を続けていると、SNS話せるようになってくるものですね(当たり前ですが)
SNSの個別の投稿などのトレンドや投稿づくりなどは若い社員のほうが圧倒的に優れているのですが、俯瞰して見たときにどう役割を定義するのか、どのようにKPIを設計するのか、マーケティングにどう組み込むのかという視点で戦略をつくるのは得意領域なので、その知見はついてきたように思います。
ブランディングとSNS/インフルエンサーや、IMC設計の中のSNS/インフルエンサーについては、自分よりも語れる人はそれほど多くないという自信がつきました。
悪かったこと
悪かったことはほとんどないのですが、あえて整理すると、
①打ち合わせが多すぎる
For youがメインとはいえ三足の草鞋なので、日中が打ち合わせがほぼ埋まり、話すだけならいいのですが、プランナーとして自分の企画書を作る時間が朝か夜や休日になっていて時間が足りないですね。ここは課題が多くあります。
②深く考える時間がほとんどない
もっと考えたい仕事がたくさんあるのに集中して時間をとることができないのが辛いです。もっとじっくり考えたい、本当に。でも、そんなときなもうこないのかもしれません。そんなものですよね。
③インプットが足りない
現場でのインプットは増えましたが、書籍を読む時間がなくなりました。積読ばかり増えていきます。インプットの仕方もやり方を変える必要があり、課題があります。アウトプットばかりだと出がらしになってしまうし、体系的に理解しておかないといけません。
④欲を言えば自分の知名度を上げたかった
電通をやめて、おおっぴらに話せる状況になったのでもう少しセミナーなどに出てみたかったなと。もちろんそれは自分のせいなので実績をもっと作らねばなと思っています。今書籍を執筆しているのでそれが話題になれば少しは変わるのかな。
以上が良かったこと/悪かったことの整理で、ここからはやってきたこと/やっていることについての整理です。
やってきた/やっていることについて
For youの執行役員CMOでの仕事
仕事の割合的には下記です。
経営に関わる業務 30%
人事(採用、育成、スタッフィング)20%
アライアンス・パッケージ構築 20%
具体案件 30%
具体案件に入ることが思ったよりも多いなと思いつつ、電通にいたとしてもやりたかった面白く・大きな案件がやれているので、プランナーとしても満足度が高いです。
例えば、出資いただいているドワンゴさんや親会社のKADOKAWAさん、USENさんとの仕事もさせてもらっており、高いハードル、難しい課題が多いのですがやりがいがあります。
また、電通の大先輩東畑さんには顧問になっていただき、広告に関わることでの意識づけなどを学ぶ機会を得ることができました(ほんとはもっと仕事で関わりたいです)
また、来年頭ごろコーポレートブランドのリニューアルということで、ロゴとWEBサイトを刷新するのでその業務やサービスメニュー構築なども進めています。
また、会社は順調に成長しておりまして、For youは広告企画制作事業とタレントプロデュース事業のハイブリッドエージェンシーなのですが(ここの説明はまた改めて)、広告事業については、7期と8期の1Qで比較すると。売上が274%成長、粗利が406%でした。びっくりしますね。
仕事はたくさんありますので、がんがん広告領域の仕事がしたい方、お声がけ待っております。採用絶賛強化中です。
また、noteの記事もたくさん書きましたね。
ストラテジーブティックの代表取締役
率直に言えば順調だと思います。営業活動全くしていていないので、来ている案件飲み対応ですが、それでリソースがかなり埋まっています。
(ちなみにですが会社名とサイトを再構築中です。しばしお待ちいただければと思います。理由は察してもらえればなと)
1年で何件仕事をしたのか数えてみたところ26件でした。月に2件ちょっとですね。
スタートアップのマスプランニング 9件
スタートアップのマスプランニング効果測定 7件
ブランディング戦略 6件
IMCプランニング 2件
都市開発リサーチ 1件
ビジネスデューデリサポート 1件
プランナーとして自分の手をガッツリ動かしているので最初はパツンパツンでしたが、業務委託で優秀なメンバーと一緒にやる体制が整ったので、もう少し案件数対応できそうです。
基本的には前職のスタートアップクライアント専門部署からの相談が多いのですが、都市開発やディーデリのサポートなど変わった案件にも関わることができました。難しい案件は大好きです。得意です。
スタートアップのコミュニケーション・ブランディングについて、クリエイティブだけでなくマーケティング目線で語ることにおいては、かなり実績と経験があるので自信あります。
スタートアップ企業のコミュニケーションとして関わった案件は下記などです。
ナンバーナインの社外取締役
こちらの会社の社外取締役をやっています。デジタルコミックエージェンシーで、漫画アプリなどに漫画コンテンツを卸すことや、WEBTOONの制作事業をしています。
私が主にやっている内容は下記です。
note
経営会議・合宿への参加
広告メニュー開発
その他プロモーション施策の検討
ナンバーナインはデジタルコミックエージェンシーとして、IPOやグローバル展開を目指しており、ドラスティックに投資やマーケティングをおこなっています。社外取締役としてですが、広告やブランド面で貢献しながら、私としてもよい経験をさせてもらっています。
INCLUSIVEの資本傘下に入ったことにより、より大人の方々の協力を得ており強化されています。 INCLUSIVE社の方とのやりとりも非常に得るものが大きいです。
また、ナンバーナインはWEBTOONスタジオを立ち上げておりますが、先月第一弾作品をLINE漫画にて公開。ランキング1位を獲得するなど目に見える成果・結果を挙げ続けています。
noteの記事もたくさん描きました。
ナンバーナイン社もIPOを目指しており、今後もどんどん成長、新しい打ち手をうっていくため、そのサポートができればと思っています。
一年前にやってみたいと思ったことはできているのか
1年前のnoteでは下記のことをやりたいと思っていました。
①年齢軸:38歳という年齢で出るとすればこのタイミング
がっつり働いて改めて思うことは、働くには体力が必要ということですね。その意味ですごく年齢は大事だなと思いました。
今後は体力づくりの比重も増やさないと、同じアウトプットをし続けるには難しくなるだろうなと思っています。
年齢的には企業の経営層・マネージャー層の方は40代、50代の方は多いので、その少し下の世代として話しやすいなと思うことが増えました。
②キャリア軸:経営/マネジメントの経験やスキルを得たい
会社のブランディング・採用・アライアンスは引き続き中心メンバーとしてやらせてもらっています。
アライアンスは前職からやっていたので引き続きという形ですが、採用・育成に関してはがっつりやるのは初めてなのでまだまだ自分のやり方が定まらなく悩むことがあります。こちらも経験していくことで最適なところに落ち着くとは思っているので積極的に取り組んでいければなと思っています。
もっとやらなければいけないことが多くあるので、来年はさらに取り組んでいきます。
③スキル軸:今までのスキルを生かしつつも、違うスキルを得ていきたい
上でも触れましたが、マス的なアプローチの経験に加えて、デジタル/SNSなどをどう組み合わせるかということついてかなり知見を得ることができました。
あと、書籍書いています。
以上、1年を振り返って簡単にまとめてみました。
追加して、電通を辞めたあとで目標としていただのが「書籍を出す」ことでした。
下記のnoteを書いておりまして、こちらを見ていただいた出版社の編集の方に声をかけてもらい、今執筆をしております。
第1回の記事:「考えること」は「分けること」
第2回の記事:「考えること」は「書くこと」
第3回の記事:「考えること」は「知ること」
第4回の記事:「考えること」は「課題を特定すること」
第五回の記事:「考えること」は「まとめないこと」
『考えることの教科書(仮)』というようなタイトルを仮で置いていますが、電通やストラテジックプランナーとして悩んだ経験に基づいて、誰でも自分の頭で考えてアウトプットできるような本にしたいと思っています。
来年の2月ごろ発売に向けて進めておりますので、こちらも随時情報発信していきたいと思います。
最後に
前職の方々やこれまでお付き合いのある方から声をかけてもらったりと、これまでの縁を非常に感じました。本当に嬉しいことです。ありがとうございます。
目の前の仕事で期待値を超えることが、新しい仕事につながるということを感じた1年です。当たり前ですが忘れないようにします。
みなさま引き続きよろしくお願いいたします。
筧