マリオPRGリメイクが復刻した「カジュアルなゲーム」の魅力
スーパーマリオRPGがNintendo Switchで27年の時を経て「リメイク版」が発売されました。
個人的に、マリオRPGリメイクのおかげで「カジュアルに遊べるゲーム」の魅力を再発見したような気持になりました。
というのも、クリア時間およそ13時間(早い方なら10時間程度でクリアできるかも)と、マリオRPGリメイクは現代のRPGとしてはものすごくボリューム感としては少ない方です。
しかし、「超大作化、複雑化」している昨今のゲーム業界の中で、気軽に遊べてしっかり超おもしろいという「マリオRPGリメイク」の存在は際立っていると感じました。
今回はマリオRPGリメイクが復刻してくれた『カジュアルなゲームの魅力』について、自分なりに再発見したことを書いていきたいと思います。
※本記事はネタバレはありませんが、筆者がNintendo Switchのキャプチャ機能を活用したXポストの画像はあります。一部キャラやボスが映っています。
再発見した魅力「テンポ・キャラ・ボリューム」
マリオRPGリメイクは、当時のキャラクター・世界観・物語はそのままに、グラフィックがキレイになったり、現代風に戦闘アクションなどを新しくするなど、原作ファンを大切にしつつも現代のプレイヤーにも満足できる素晴らしいリメイクでした。
その過程で、僕個人としては以下の3点が「再発見」したカジュアルなゲームの魅力でした。
テンポの良いRPGは楽しい&遊びやすい
物語は「キャラ」が良ければ何度も会いたくなる
「初めて」RPGを遊ぶ子供たちやライトゲーマーによりそうボリューム
順番に語ってみたいと思います。
再発見その1:テンポの良いRPGは楽しい&遊びやすい
マリオRPGを久しぶりに遊んで、びっくりしたのは「とにかくテンポが良い」ってことでした。
わりとサクサク新しい仲間に出会い、次の町やダンジョンを見つけて、最奥のボスとすぐ戦ったり…
こう聞くと味気ないゲームに聞こえるかもしれないですが、サクサク進めるって実に楽しいんですよ。
「今日はどんな仲間が増えるのかな」「今日は新しい町に行けるのかな」とワクワクしてゲームを起動する感覚…まさに小学生の頃に感じていた「マリオRPGを遊ぶわくわく感」が復刻していることに気が付きました。
同時にテンポが良いから1エリアの区切りも早い≒短時間でもゲーム起動するモチベーションにもなるので、残業や育児で疲れてても「30分だけマリオRPGやるかー」という気軽に遊べるメリットも感じました。
再発見その2:物語は「キャラ」が良ければ何度も会いたくなる
これはゲームに限らず、漫画・アニメ・映画など「物語」があるエンタメ全般に言えることですが、やっぱり「キャラクター」が魅力的な作品はそれだけで評価倍増って感じじゃないでしょうか?
「物語としては欠陥やツッコミどころがあるんだけど、でも俺は私はこの○○というキャラが好きだから、この作品も大好き!」という経験、皆さんもあるのではないでしょうか?
マリオRPGは改めて「キャラクター」がほんとうに秀逸で、敵味方問わず個性的なキャラの魅力達が「わくわく感」を増幅させているんだなと感じました。
意外と子どもに辛辣なことも言えちゃうマリオ、泣き虫なマロ、お茶目で憎めないクッパ、強烈なトラウマや印象も残すヴィラン達…
27年たって35歳になった今でも、キャラ同士の掛け合いや行動に「ニヤニヤ」しちゃう、そんな魅力がマリオRPGの登場人物にはあふれています。
だから1週あたりのボリューム感が少ないRPGですが、、子どものころに何度も何度も周回して遊べたんだろうなと思います。
再発見その3:「初めて」RPGを遊ぶ子どもたちによりそうボリューム
マリオRPGは基本的に「27年前の原作が大好きな人」をターゲットに全力を注いでいるリメイク作品ですので、「今の若者や子どもにも!」というタイプで開発されているわけではないと思います。
ですが、マリオRPGがもつ気軽さ・カジュアルさ・楽しさは初めて「RPG」というものを触れる子どもたちやライトゲーマーにも優しいのではないか?と改めて思いました。
子どもたちもとっつきやすいポップなマリオたち
アクション部分もタイミング=直感で遊べる
物語も一区切りが短いので飽きずにサクサク進める
1日15分とか30分だけゲームする(できる)人でも無理なくクリアできる
一周あたりが短い=気に入れば何度でも周回しやすい
超大作化する現代のゲームでは、「広大なエリアと壮大な長編物語」「遊びきれないほど無限に発生するサブクエスト」が称賛される傾向がありますし、逆に「ボリュームが少ない=悪」とされることもしばしばあるように見えます。
ですが、マリオRPGのような「気楽さ」「カジュアルさ」と「面白さ」を持ち合わせるゲームは「これからゲームの沼に入ってくれるかもしれない」初心者や子どもたちに「最初にとってもらう1本」としてとっても重要なソフトだと思いました。
実際、筆者も27年前にマリオRPGを遊んで「RPGって面白いんだ!」と思い、年上の従兄弟に『クロノトリガー』を借りたりするなど、これまで遊んだことがないゲームに興味を持つきっかけになりましたしね。
「壮大化・複雑化するゲーム」の狭間で
当然のことながら、マリオRPGのリメイクが出るまでの27年間、ゲーム業界は当時はとても想像もできないほどめざましい、ものすごい発展を遂げてきました。
僕自身、「昔のゲームが良かった」ってことは全然思っておらず、なんなら最近のSwitch、PS5など現行機の方が面白いし、ロード早くて遊びやすいし、グラフィックもきれいだし最高!くらいに思っています。
でも、一方でゲームは進化しまくってどんどん壮大で複雑になってきているなあーとも素人ながら思う時もあります。
無限に遊べるとも思える広大なオープンワールド、永遠にアップデートしてくれるんじゃないかと思うオンラインマルチゲーム、1本で何個もの物語を堪能できるアドベンチャーゲーム・・・
どれもこれも素晴らしいのですが、一方で「こんなに遊べないよ」という虚無感というか疲労感?をときどき感じてしまうのも僕だけでしょうか?
「入口」としてのワクワク感あるカジュアルゲームを堂々と作ってほしい
最近はボリュームが少ないゲームやアイデア一点ものといえば「インディーゲーム」の領域という傾向はあると思います。
インディーゲームは安いし、「これはすごい!」とアイデアにうなされるもの、「この安さでこんなに遊べるの?」というクオリティのものなど、最近の開発者さんはまじですごい!と思います。
一方で、大手メーカーの出すソフトのボリュームが少ないとそれだけで「フルプライスでこれかよ」という批判も結構見受けられるのかなと。
今はコスパ・タイパの時代だし、ゲーマーの目も肥えているから、ますます名のある大手が出すソフトへのユーザーの視線は良くも悪くも厳しい=妥協点が高くなっているのだと思います。
ただ、今回のスーパーマリオRPGを夢中になって遊んだ体験は本当にすばらしかったし、やっぱり「気軽にさくっと遊べて、でも超楽しい=ハイクオリティだよね」ってゲームだって必要だ!と再認識しました。
他ならぬ任天堂だって「大傑作の超大作」を出して評価されていますし、マリオRPGをそういう超大作化・複雑化するゲームへのアンチテーゼとして出したわけではないのは明白です。
それでも、マリオRPGのような「ゲーム沼への入口」となるカジュアルなゲームを堂々とこれからも開発・発売していってほしい!と思ったのでした。
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