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【DAY 26】 睡眠と仕事の生産性

みなさん、睡眠不足で仕事のパフォーマンスが低下した経験はありませんか?おそらくほとんどの方がこのような経験をされてきたのではないかと思います。

今日は、睡眠が仕事や学習の生産性に与える重要な影響について、科学的な視点から詳しく見ていきましょう。

1. 睡眠不足が仕事に与える影響

1.1 認知機能の低下

睡眠不足は、記憶力、判断力、反応速度など、重要な認知機能を著しく低下させます。研究によると、17-19時間の覚醒は、血中アルコール濃度0.05%と同程度の認知機能低下を引き起こすことが分かっています(Williamson & Feyer, 2000)。

誰もが一度は睡眠不足の状態になったことがあるのではないでしょうか。特に集中力や判断力の低下は、日常生活においてものすごく危険な状態をもたらすことがあります。

一度睡眠不足になると睡眠負債として蓄積されていき、睡眠負債を返すのに3,4日かかると言われています(個人差があり、3週間かかる方もいるとか)。できるだけ睡眠負債を貯めないよう、睡眠中心の生活をしていきたいですね。


1.2 ミスの増加

睡眠不足状態では、ミスを見逃しやすく、判断エラーが増加します。医療現場での研究では、睡眠不足の医師は通常の36%増の医療ミスを起こすことが報告されています(Landrigan et al., 2004)。

特に海外での取引など書類をこと細かに見なければならない時に睡眠不足の状態だと、不利な取引をしてしまうケースも考えられます。ミスを防ぐには自分自身で対策をしてあげてくださいね


1.3 集中力の低下

十分な睡眠を取れていない状態では、タスクへの持続的な集中が困難になります。特に単調な作業では、一時的な注意力の低下(マイクロスリープ)が発生しやすくなります(Durmer & Dinges, 2005)。

睡眠不足の状態だと集中力が低下すると言うのは、今となっては周知の事実ですよね。睡眠不足による集中力の低下に関しての論文もたくさんあります。


1.4 感情コントロールの乱れ

睡眠不足は感情の起伏を大きくし、職場での対人関係にも悪影響を及ぼします。研究では、睡眠不足状態では感情制御を担う前頭前野の機能が低下することが示されています(Yoo et al., 2007)。

睡眠不足は脳に大きなダメージを与えることになります。集中や論理的思考、コミュニケーションなどは、すべて脳が主体となって活動しているものです。良くも悪くも脳は睡眠によって影響されます

自分の思考や行動はすべて自分次第ということですね。


2. 良質な睡眠がもたらす生産性向上

2.1 意思決定能力の向上

適切な睡眠は、複雑な意思決定能力を向上させます。特にビジネスシーンでの戦略的判断や重要な決定において、良質な睡眠は不可欠です(Harrison & Horne, 2000)。

さきほどいった通りですね。常に良質な睡眠を心がけることでいざという時に力を発揮することができそうです。


2.2 学習効率の改善

睡眠は新しい情報の定着と統合に重要な役割を果たします。夜間の良質な睡眠は、日中の学習内容を長期記憶に変換し、スキルの習得を促進します(Walker et al., 2003)。

日中は社会人として働き、就業後はスキルアップのために自己啓発に取り組まれている方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。おそらくnoteをされている方、ここまで読んでいただいている方であれば、その傾向は強いように思います。

日々の情報のインプットや学習をしていく中で知識の定着は大切です。睡眠をしっかりと取ることにより効率的に学びを得ることができるようになります。


2.3 生産性の最適化

個人の睡眠-覚醒リズムに合わせた仕事のスケジューリングは、生産性を最大化します。特に重要な意思決定や創造的な作業は、個人の覚醒度が高い時間帯に行うことが効果的です(Schmidt et al., 2007)。

睡眠が生産性を向上させることは徐々に社会に浸透してきていると感じます。実際に仮眠を推奨する企業も増えてきており、まだまだ増えていくことが予想されます。


2.4 最適な睡眠時間の確保

研究によると、成人の最適な睡眠時間は7-9時間とされています。この範囲内の睡眠時間を確保することで、最高のパフォーマンスを発揮できます(Hirshkowitz et al., 2015)。

実際には睡眠時間が異なるため、自分にとって最適な時間を探してみてくださいね。

まとめ

睡眠は仕事の生産性に直接的な影響を与える重要な要素です。質の高い睡眠を確保することは、単なる休息以上の価値があり、職場でのパフォーマンス向上に不可欠な投資と言えます。

次回は、「睡眠習慣の改善方法総まとめ」についてお話しします。

参考文献

  • Durmer, J. S., & Dinges, D. F. (2005). "Neurocognitive Consequences of Sleep Deprivation." Seminars in Neurology, 25(1), 117-129.

  • Harrison, Y., & Horne, J. A. (2000). "The Impact of Sleep Deprivation on Decision Making." Journal of Experimental Psychology: Applied, 6(3), 236-249.

  • Hirshkowitz, M., et al. (2015). "National Sleep Foundation's Sleep Time Duration Recommendations." Sleep Health, 1(1), 40-43.

  • Landrigan, C. P., et al. (2004). "Effect of Reducing Interns' Work Hours on Serious Medical Errors in Intensive Care Units." New England Journal of Medicine, 351(18), 1838-1848.

  • Schmidt, C., et al. (2007). "A Time to Think: Circadian Rhythms in Human Cognition." Cognitive Neuropsychology, 24(7), 755-789.

  • Walker, M. P., et al. (2003). "Sleep and the Time Course of Motor Skill Learning." Learning & Memory, 10(4), 275-284.

  • Williamson, A. M., & Feyer, A. M. (2000). "Moderate Sleep Deprivation Produces Impairments in Cognitive and Motor Performance Equivalent to Legally Prescribed Levels of Alcohol Intoxication." Occupational and Environmental Medicine, 57(10), 649-655.

  • Yoo, S. S., et al. (2007). "The Human Emotional Brain Without Sleep—A Prefrontal Amygdala Disconnect." Current Biology, 17(20), R877-R878.

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