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【休職日記】LINE友達とZoom友達
私には友達と呼べる人が2人しかいません。51年間の人生において、たったの2人です。小中学校時代は問題児扱いされ、高校は中退、単位制高校はサボりまくっていた事もあり、同窓会というものにも誘ってもらった事がありません。大学時代は多くの交友関係を持ちましたが、友達と呼べる付き合いをしている人は1人しかいません。社会人になり、14社も渡り歩いた事もあり人間関係は希薄で、15年間勤務した外資系でも辞めたら年賀状も来なくなり、僕の人生って何なのだろうなぁ、と何度も虚しく思いました。
しかし、元々人間関係構築が苦手な私は、「友達100人つくるんだ♪」というのが極端に苦手で、自分から友達になりにいこうとした事がありませんでした。男の友達さえつくれない私に恋人など到底できる事はなかったのですが、一時期30代前半に、大阪のスナックのママと1年ほど半同棲したくらいで、別れと同時に会社も辞めて東京へ戻っていったという経験くらいしかありません。
さて、そんな私ですが、大学時代に知り合った友達と言える1人と、もう一人は、付き合い上は幼稚園からの幼馴染で、数えて45年の付き合いになります。ただ、幼稚園からの幼馴染と本格的に仲良くなったのは、私が高校を中退した頃ですから17歳の頃あたりで、大学時代に知り合った友人と付き合いの長さでは、さほど変わりません。しかも同い年でもあり、上下関係無く付き合えて来ました。
この2人とは、実は仲良くなったとはいえ、実のところ20年近くは、数年に1度会うくらいで、長く細くの関係でした。社会人になってから、日々の仕事に忙殺され、転職を繰り返していた私に、会って会話をする時間的余裕がまったくありませんでした。
ところが、私が最初の休職をした頃あたりから、彼らとのコミュニケーションは頻繁になってきました。その理由は、私が転職する際の身元保証人になってもらう為でした。会社によっては、親族以外の保証人を要求されるケースもあり、元々親戚付き合いも疎遠で、身内も高齢の両親とニートの弟でしたし、何より母親に心配をかけたくなかったので身元保証人の話は出来ず(とはいえ、勝手に母親名義で作成した事もありましたが)、必然的に社会人である友達2人に頼るしかありませんでした。もう一人大学時代の後輩もいるのですが、彼は奥さんに身元保証人になるのを反対されてしまったのですが、独身の2人は、何の躊躇いもなく署名捺印、会社によっては印鑑証明や住民票も必要なところがありましたが、それもくれました。
コミュニケーションの大半は、LINEでした。私は長らくLINEをやっていなかったのですが、コロナ禍直前でLINEを利用し始め、コロナ禍の頃になると、大学時代の友達とは、Zoomで会話するようになりました。
タイトルのLINE友達とは幼稚園からの友達で、Zoom友達は大学時代からの友達の事です。
Zoom友達は、コロナ禍の最中に、都心から離れた場所に引っ越し、基本在宅勤務だったのですが、会社から近い郊外へ引っ越したため、中々会うのが難しいのですが、月に何度かZoomで1時間から2時間くらい近況報告や世間話をしています。彼も、私ほどではありませんが、二桁に近いくらい転職をしているのですが、IT系のキャリアを確実に積み重ねてステップアップしていった理想的な転職スタイルです。その為、彼の身元保証人も私が何度か引き受けた事もあり、そういう意味ではWin-Winな関係でもあります。
LINE友達は、コロナ直前に離婚をして「身軽」になってから、会う機会が増え、その際にLINEを交換したのですが、LINE交換前までは、あまりコミュニケーションをほとんどとっていなかったのに、3日に1回は必ず向こうから何かしらの接触を試みて来るようになりました。彼ともコロナ禍以前は数年に一度会うか会わないかでしたが、最近では月に1度くらいの頻度で会って飲むようになりました。そんな彼にZoomを薦めたのですが、彼は極度の「電話嫌い」で、身内とも電話での会話が出来ないくらいの嫌悪派です。一度家族同士でLINEグループビデオ通話をしたけど死ぬほど苦痛だったとの事で、それ以上薦めることはしませんでした。
2度目の休職で、一度は復職も決意したのですが、やはり今はまだ無理だと思い、療養に専念する事にしたのはいいのですが、断捨離もほぼ一巡して、中小企業診断士試験勉強と英語の再学習に取り組んでいますが、勉強だけでは気が滅入ってしまい、そんな時に昔からの友達と気軽にコミュニケーションがとれるのは、とてもありがたい事ですし、LINE友達が云うには、LINEのおかげで電話嫌いの俺でも人とコミュニケーションが取れるようになったとの事で、確かに便利なツールが無料で使えるようになったのは、ある意味革命的な事ではないかなと思います。日本テレコムという固定電話の会社で勤務した事もあり、固定電話から携帯電話へのシフトチェンジを感じてからほどなくしてスマホの大普及化へ、更にはスマホを通じて有料電話からLINEやZoomという無料ツールへとIT技術の進歩とともにライフスタイルは大きく変わっていきました。
余談ですが、LINE友達もZoom友達も、私よりも人気者なので、多くの友達がいるのですが、どうやら密接にコミュニケーションしているのは私だけのようです。冒頭で『自分から友達になりにいこうとした事が』ないと書きましたが、LINE友達曰く、「お前が連絡してくれるから俺は今こうして付き合っている、他の友達は全然連絡してくれないし、俺からもしない」と。
でも、LINE友達よ、それは私がアクティブなのは私が今、休職中で暇を持て余しているからだと伝えると、「www」と笑われました。しかし、何にせよ、どうであれ、そんなアクティブに付き合ってくれるのはありがたいです。
今日もLINE友達とZoom友達と、それぞれのツールを使いコミュニケーションを取りました。僕には友達と呼べる人は彼ら2人しかいませんが、むしろ2人もいるのだと思うようにしています。そしてLINEやZoomを通じて、より密接な関係を醸成して、これからも付き合っていくと思います。