無職の障害者の学校(1)
日本には職業能力開発促進法に基づき、国が設置する障害者職業能力開発校があります。そこでは障害を抱える人たちが就職に向け、OAやメカトロ等の技術を学んでいます。
私は半年間、障害者向け職業訓練校に通っていました。その時のことを、これから障害者向け職業訓練校への入校を考えている人たちへの参考となればと思います。
入校までの経緯
私は40代の半ばで仕事からくるストレスが昂じ、うつ病と診断され、精神障害者手帳2級を付与されました。勤務していた会社は1年半の休職期間を経て退職。その間に社会人大学院に入学していましたが、精神状態が最悪の状態で高度な経営学を研究するのに限界を感じ、結局1年で中退しました。
退職→大学院中退を経て、同業他社へ再就職しましたが、重度のうつ病を抱えたままでの仕事は精神的に不可能で、わずか2か月で退職しました。
その後半年間の無職期間を経て、自宅近くにある病院の調理師として再就職しましたが、調理師資格を持っているだけで野菜の皮むきすらできない能力でしたので、散々いじめを受け、ここも3カ月で退職、その後すぐ同業他社の小さい会社に入社しましたが、これまで大手企業でしか勤務していなかったので、中小企業での仕事のやり方に馴染めず、やはり2か月で退職しました。その後は登録派遣の仕事を2か所ほどしましたが、精神的に不安定な状況の中での就労は困難を極め、5か月だけの勤務で終了しました。退職後、やはり自宅に近い場所にある特別養護老人ホームの介護の仕事に就きましたが、最低時給での勤務の中、中年男の私への若手同僚たちからのいじめで結局2か月でギブアップ。幸い、ちょうど1年間職に就いていたおかげで、失業給付を受けることができましたので、暫くは療養に専念することにしました。月に15万円にも満たない失業給付と、障害厚生年金3級がひと月あたり約5万円あり、何とかやっていけると思いました。
障害を持つ求職者は、ハローワークでも他の人たちとは別の窓口が用意されていて、そこに障害者向け職業訓練校のポスターが貼ってあり、毎月募集をしていると書かれていて、相談員に尋ねると、失業給付を受けながら仕事の技術を学べるとのことで、最長1年間在籍でき、失業給付期間が終了しても在籍中は給付延長されると教えてもらいました。とりあえず学校説明会に応募しました。
学校説明会では、OAビジネス・メカトロ系・IT系など様々な業種への訓練が行われていると説明され、未経験の分野で新規に学べるということと、障害に区別なく例えば私のような精神障害のうつ病でも差別されないとの事でした。学校、というより企業のオフィスのような環境で、個々の進捗に合わせた訓練をされていて、例えば私のように既にオフィス系ソフトを普通に使いこなせていれば更に上のスキルを学べると思い、出願をすることにしました。
しかし、出願後、私の過去の経歴を見たという就職エージェントから、管理職待遇でのオファーがあり、給料も高かったので、そちらを選んでしまい、職業訓練校への応募を辞退しましたが、そこはこれまでに働いた中でナンバー3にも入るくらいのブラック企業で、わずか1週間で退職しました。そしてハローワークに一度辞退した出願を再度したいと相談すると、提出した出願書類が残っていたので、そのまま応募する事ができました。
次回(2)では、入校試験と面接についてお話いたします。