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振り返りを実践できるようになる本 / 1行書くだけ日記 やるべきこと、やりたいことが見つかる (著)伊藤羊一

・ やったことを書いて、あとは振り返るだけ
・ 振り返りを書くことで「メタ認知」と同じ状態をつくる
・ 振り返りは、小振り返り、中振り返り、大振り返りの3種類ある

本書は、ヤフーアカデミアの学長を務める伊藤羊一の著書になります。内容はとてもシンプルですぐに実践できる内容になっています。こういった振り返りや考えを整理するようなメソッドは、どれだけ納得感を醸成してくれるかが大切だと思っています。どういうことでもある程度やりきらなければ、自分に合っているかどうかは判断ができません。

そういう意味では、本書は著者の「生き様」が語られており、すぐに実行したくなる気持ちにさせてくれる本だと感じました。振り返りが大切なことは、多くの人に言われていて理解していると思います。しかし、本書はそのハードルをとてもさげ、かわりに意欲をとても上げてくれています。

改めて、成長したいと考えている人にとって一読の本になります。


やったことを書いて、あとは振り返るだけ

本書で紹介される1行日記の全体像は、下記のようなものです。

[やったこと]:机の周りを片付けた(→今日やったことを1行書く)

[自分にとってどんな意味があるか]:不要なものに囲まれていた(→やったこと・起こったことについて、自分にとっての意味を考えます)

[そうか!]:不要なものが多すぎると必要なことに集中できなかったのではないかと気づく(→そこで気づきは何かを考えます。自然に気づくのがベスト)

[やってみよう]:まめに片付けよう(→次にやるべきことを見つけたら、行動していきましょう)

最初に日記として書くのは、1行目の[やったこと]になります。ここは1日あったことを何でも書いてよいとあります。上述の例でも、「机の周りを片付けた」とは、そこから何か学びが得られそうなものということではなく、「やったこと、起きたこと」が書かれているだけです。

各場所、書き方についても特に指定はありません。とにかく、1行だけでもいいから、起きたことを書きます。

そして、次に、振り返りとして、[やったこと]から、自分にとっての意味を考えます。上記の例では、机の周りを片付けたということから、「不要なものに囲まれていた」という意味に気が付きました。これは人によって、意味は異なります。人によっては、「忙しくて生活を省みる余裕がなかった」「気持ちを安定させるために片付けは効果てきだ」みたいなことが入るかもしれません。

重要なのは、いかにして、「自分に引き寄せて考えるか」ということです。この自分に引き寄せることで、毎日の[やったこと]に対して、成長するための学びに変換してくれます。

同じやったことでも、意識することができれば、多くの成長の機会が存在しているということです。

振り返りを書くことで「メタ認知」と同じ状態をつくる

本書では、1行だけの日記や振り返りでも、書くことが大切だとしています。書くというのは、紙に書かなくとも、スマホに入力してもいいので、頭の中ではなく、見えるものとして可視化することです。

頭の中で考えていることを、見えるようにすることで、自分の考えを客観的にみることができます。この自分の考えを客観的に見える状態が、「メタ認知」に近い効果を得られるとあります。

「メタ認知」とは、「メタ(高次の)」という言葉が指すように、自己の認知のあり方に対して、それをさらに認知することである。(wikipedia参照)ということですが、この能力は、仕事で成果をあげる人にある共通点として存在しているとあります。

実際に、仕事でも人間関係でも、周りが見えずに自分の視点でしか見えてない人というのは、視野も狭く、俯瞰して物事がみれず、成果は出しにくい人やめんどくさい人で多い気がします。

こうならないために、1行日記 / 振り返りを書くことで、「客観的」に自分を見ることができるようになります。

小振り返り、中振り返り、大振り返り

本書では、前述したような、日々の1行日記に対して、[自分にとってどんな意味があるか][そうか!]、「やってみよう」を書いていく、日々の振り返りを小振り返りとして、それらを通してみたときの振り返りを中振り返り、そして、半年、1年単位で大きく振り返ってみる大振り返りの3種類があるとあります。

中振り返りは、1週間に1回程度行うもので、小振り返りを見ながら、共通点を発見したり、抽象的で色々な出来事に適用できる気づきを得ます。

大振り返りは、半年や1年に1回実施し、日々の振り返りや中振り返りを通して、自分のいきたい方向に向かって進めているかを振り返るものです。

この振り返りを継続してつなげていくことで、目指している成長したい自分になっていくことができるとあります。

本書は、すごいテクニカルなことが書いてあるというよりも、シンプルなことを継続するための納得感を与えてくれる本だと思います。

こういった振り返りは、「メモの魔力(著)前田裕二」にも近いものがあると思いますが、中々続かない、ちょっと自分にはあわないと感じた方は、読んで見る価値があると思いました。

またビジネスの場においても、日次や週次で定例MTGを実施されている会社がほとんどだと思いますが、このメソッドを活用することで、成長につなげることができると感じました。


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