【1日1冊】2つの思考モード/ ファスト&スロー(著)ダニエル・カーネマン
- date:2019.11.18
こんにちは。本日は、2002年にノーベル経済学賞を受賞した「ダニエル・カーネマン」の名著を読みました。
この本は、上下巻あって、上巻だけで21章まであって、めちゃくちゃ長いw
今までも何度か読んだのですが、気合をいれて読まないと頭に入らないので、頭にいれるために、アウトプットを意識しながら読んでみました。(システム1では対処ができないということですね!)
本日の1枚まとめ
人間の頭には、2つの思考モードがあり、それぞれ異なる特徴があります。
・「システム1」は自動的に高速で働き、努力はまったく不要か、必要であってもわずかである。また、自分のほうからコントロールしている感覚は一切ない。
・「システム2」は、複雑な計算など頭を使わなければできない困難な知的活動にしかるべき注意を割り当てる。システム2の働きは、代理(*2)、選択、集中などの主観的経験と関連づけられることが多い
引用元:ダニエル カーネマン,村井 章子. ファスト&スロー (上) (Japanese Edition) (Kindle の位置No.570). 早川書房. Kindle 版.
この「システム1」は、自分で意識することはほぼできないが、自動的に判断が行われます。このシステム1は意識することなく簡単な計算や(簡単な)車の運転などを特に意識することなくこなすことができます。
そして、「システム2」は、2桁のかけ算などの複雑な計算や、複雑な運転(たとえば、高速道路で車線を切り替える場合など)の対応などの注意力が必要となることがすることができます。
普段は、「システム1」が対応をしているが、「システム1」で対応できない場合に、「システム2」が対応することになります。それは、例として書いた2桁のかけ算など、直感的に回答できないような問題や、高速道路で危険な状態での車線の切り替えなども「システム2」が対応することになります。
またそれぞれの対応をする場合において、頭を使うことには限度が存在しています。先程のような簡単な計算をしながら、簡単な車の運転をすることはできますが、複雑な運転をしている最中に、複雑な計算、危険な状態であれば、しゃべりかけることすら危険な場合があります。(というか、反応できません)
頭で判断する場合は、まず「システム1」が自動で判断する。ただし、判断できないような複雑な問題になると「システム2」が主導権を握ることになります。
「システム1」と「システム2」の異なるものが存在していることを説明するのに、錯覚を使って説明している。
引用元:ダニエル カーネマン,村井 章子. ファスト&スロー (上) (Japanese Edition) (Kindle の位置No.729). 早川書房. Kindle 版.
これは有名な話ですが、長さが違うようにみえる線は、実は長さが同じ線になっています。そして、定規で測り長さが同じことを確認しても長さが違うように感じることはやめられません。
これは、「システム1」が自動で判断しているもの(長さが異なるように見える)と、「システム2」が本当は長さは同じとが別々に存在していることを表しています。
あなたは定規を信じることを選んだが、システム1がやりたいようにすることは止められない。同じ長さと知っていても、そのように見ることは、あなたには決められないのである。この錯覚に逆らうためにあなたにできることは、一つしかない。羽根のついた線が出てきたら、見た目の印象を絶対に信用しないことである。このルールを実行するには、錯覚のパターンを認識できるよう学習し、必要なときにその知識を呼び出せなければならない。もしそれができたら、あなたはミュラー・リヤー錯視には二度と惑わされないだろう。それでもあなたには、片方の線が長く見えているのだが。
ダニエル カーネマン,村井 章子. ファスト&スロー (上) (Japanese Edition) (Kindle の位置No.739-745). 早川書房. Kindle 版.
そして、これは視覚だけのはなしではなく、「思い込み」という認知錯覚という意識の話でも考えられます。この「思い込み」が、自分たちの行動を規定してしまっている可能性があります。
「SHIFT:イノベーションの作法」では、バイアスを排除することが必要とありましたが、ここでいう「システム1」と「システム2」の違いを認識することで、筋の良い切り口を見つけることに繋がると思います。
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