マルチェッロのため(?)と物価高対策の日伊合作手打ちラーメン
マルチェッロは今高校2年生。
小さい頃から日本の漫画やアニメが大好きで、大の日本贔屓。片言の日本語も話す。
2、3年前クネアツに登るロープウェイの中で、お調子者の弟のマルコを横目に、私に向かって
「カ・レ・ハ・バ・カ・デ・ス」
と言う。
それまでイタリア語で話をしていたのでいきなり日本語に切り替わった会話を理解するのに一瞬時間がかかったが、十分通じる日本語だった。
マルチェッロの大好物は「ラーメン」
パオラもマルチェッロはラーメンが大好きなのよ、とよく言う。
そう言われると私としては「ラーメンを食べる会」を開かなければいけないような気がしてくる。
鶏ガラ、などと言うものが売っていないイタリアで、美味しい自家製のコクのあるスープを作るのも難儀だが、最大の障害はラーメンどんぶり。
マルチェッロを招待するとなると、弟二人、お母さんのマルティーナ、シルビア、パオラ、私、と簡単に7、8人分のラーメン丼が必要になる。
イタリア人にはやたらに和食は出さない主義なので、今持っているのは2個だけ。狭いキッチンにそのためだけに嵩張る器を+5、6個買いたくないうーん。。。と躊躇する。
と言うわけでラーメンを食べる会はまだ開いていない。
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もう一つ、障害ではないが腹が立つのが生麺の値段。
ミラノで流通している生の中華麺はある中華食品会社の製造するモノ一つ。
独占市場なので、値段も売り手の言い値になる。
2年前ロシアがウクライナに戦争を仕掛け、エネルギー危機でガソリン代が急騰して間も無く、500gで1.5ユーロ(約250円)だった生麺が450gで2ユーロに上がった。
近所の中華食材屋で「えー!いきなり50%の値上げ?!」と言ったら、
「ガソリン代が急騰したから」と言う返事だった。
で、「じゃ、ガソリン代が下がったら値段も下がるのね。」と試しに言ってみた。
もちろんそんな事はないとよくわかっていた。
予想通りその後ガソリン代が下がっても値下げはなかった。
さらに不愉快なのは袋に450gと書いてあっても、家に持ち帰り重さを測ると大抵430g程度しかか入っていない。これは違法行為だ。
ザラザラとした舌触りで、あまりコシもない中華麺が430gで336円。納得がいかない!と手打ち麺に挑戦することに。
レシピはこの方のものを採用させてもらいました。
初回は試しなので半量で、とても美味しく、ツルツルで少し縮んだ美味しい日本風の中華麺が出来た。こんなにいい感じの麺はミラノでは売っていない。となると経済面だけでなく作り甲斐もある。
と言うわけで、今回はまとめてオリジナルレシピの倍の量を作ることに。
すぐに食べない分は冷凍保存可能。
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製麺作業で手間が掛かるのは:
1・混ぜた粉をこねる
2・引き延ばして切る
の二つの作業。
1・は昔取った杵柄で得意。いえ、私は麺打ち職人をしていた事はない。美術大学時代陶磁研究室だったのでいまだに土練の要領で粉がこねられる。
普通の人はそう言う技はないと思うので、ビニール袋に入れて足踏みすれば楽だと思います。
2・ここが日伊合作と呼ぶ所以- 家庭用パスタマシーンで簡単に出来ます。
イタリアの家庭には大抵1台はあり、これさえあれば生パスタはあっという間に好きな厚さに伸ばせます。
。。。でもこれを持っている家庭は日本ではほとんどないかもしれませんねぇ。
その場合は麺棒で伸ばして包丁できる、と言う作業が必要になります。
<材料> 出来上がり1.5kg分
・中力粉 800g
・薄力粉 200g
・水 400ml
・卵 2個
・塩 小さじすり切り 2
・重曹 小さじすり切り 2
・片栗粉(打ち粉)
<作り方1・練り>
1ー1・中力粉と薄力粉はさっくり混ぜて大きめの器に入れます。
1ー2・卵を割り解し、水、塩、重曹と一緒に混ぜたものを1の中央に流し込みます。
1ー3・初めはヘラなどで混ぜ
1ー4・徐々に手で纏めます。
1ー5・4の右側写真程度に纏ったら、平らな台の上で捏ねます。
*私は陶芸の菊練りのように練りますが、ビニール袋に入れて上から足で踏むのでOK。
1-6・20-30分練り続けます。良く練るとコシのある麺になります。
1-7・練り終わったらラップに包んで冷蔵庫で3、4時間休ませます。
<作り方2・製麺>
2-1・今回は大量なのでまず半分をを取り出し、それをまた半分の半分に、片栗粉をまぶします。
2-2・軽く手で押さえ、製麺機の最も厚めの(目盛1)ローラーに挿入して引き延ばします。
2-3・次に2段階くらい薄くできるように設定し(目盛3)ローラーに挿入して引き延ばします。
2-4・さらに薄く設定し(目盛4か5)ローラーに挿入しで引き延ばします。
2-5・麺カット用の付属部品を取り付けて2-4を挿入して取っ手を回すと、あっという間に麺が出来上がります。このパスタマシーン、なかなかの優れ物です。
でもこれ持っている人は日本では少ないと思うので、棒で引き伸ばして切ってもらうしかありません。
2-6・全体に軽く片栗粉をまぶし、1食分に分けてラップに包みます。2、3日以内に食べるものは冷蔵庫で、それ以上の保存は冷凍庫にします。
*全て同じ重さにしなくても初めから測って重さを書いておくと、食べる時のおなかの加減で多いもの少ないもの選べるので便利です。