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いざ!くまもとジュニアプログラミングアワード2024で講演!

先日、ドラクエの生みの親、堀井雄二氏が文化庁長官表彰を受賞しましたね。
あれは、ゲームクリエイターの僕にとってうれしい出来事でした。
その数日前に、子ども達の前で「ゲームの歴史」について講演をしたのですが、文化の歴史の中での事象として、世間で「ゲームが低俗なもの」とされていたことをちょっと触れたりもしました。
今は、そうした時代を通過し、保護者もゲーム世代になっているわけですが、ゲームが愛され、立派な文化として評価を受けられたのは、それまでこの分野を開拓し、頑張ってくれたクリエイターの皆様の情熱があったからこそ。
東京オリンピックでの選手入場にゲームミュージックが使われ、人類の祭典の中で日本のゲームが世界に誇るべき文化という事か示されたときは、本当に晴れがましい気持ちになったものです。

子ども達への講演依頼が!!

さて、熊本では「くまもとジュニアプログラミングアワード」という大会が毎年開催されています。(優勝者は全国大会に進出するよ!)
こちらは熊本日日新聞社の事業で、小中学生が、社会問題解決のためのアプリ、ゲームなどを制作し、優秀作品を決めるというものです。
僕は去年より、この大会の中で講演会の依頼をいただいていて、子どもたちの作品のプレゼン後、審査に約90分ほどかかるその間を使ってお話をするのです。去年も、「ゲームはこうしてできている!」という内容で、ゲーム開発のセクションやプロジェクトの進行についてを話したりしました。
やっぱり将来ゲーム開発会社に入りたい子どもたちも多く、質疑応答では様々な質問があり、なかなか好評だったんですよ。
で、今年もお声がけをいただいたものの、去年と一緒じゃアレだし。
僕の古巣であるゲーム開発会社、アルファシステムさんにお願いをして、座談会を行う事にしました。

次世代のプログラマー&クリエイターへ

どの業界でも同じと思うけども、今後は人材不足という問題があり、次世代のIT業を支える人材を育成しようという狙いも含めた事業なので、そこは夢が広がるような話をしなくては…。
そこで表題を「ゲームの歴史とその可能性」とし、アルファシステムさんとゲームの歴史についてネタ出しをあーだこーだ行いました。

これが結構おもしろい発見があり、昔のテレビゲームや70、80年代の世間一般のコンピューターの認識などのネタが集まり、「これ1個番組出来ちゃうんじゃない?」ってくらいの面白い構成になりました。

「太陽にほえろ」でマイコン刑事がPCに犯人の居場所を特定させる、
今で言うChatGPTみたいな使い方をしているところ。当時の世間のコンピューターのイメージ(誤解)。

原初のゲームが、アメリカの原子力研究所(軍事の分野)から誕生したこと、
たった5週間で作られたゲーム(アタリショックの引き金)があったこと、
インベーダーブームで浮き彫りになった社会問題と、対応すべきこと(風営法)など、保護者にとっても中々楽しいんじゃないかって内容にしました。

なんせ、僕もアルファシステムスタッフも、昭和生まれ。カセットビジョンやゲーム&ウォッチに触れてからの~、ファミコンど真ん中世代。
今の小学生は、生まれた時にグラフィックは3Dは当たり前、ドット絵だってペイントツールでチョチョイのチョイ。
プログラムを書く環境だって整っているし、何ならAIがフォローまでしてくれる。本当にいい時代になったものです。
でも、変わらないのはゲームいつだって「人がわくわくすること」を目指してきたってこと。
そして「みんなを繋げていく力」「みんなの心を動かしていくちから」がある
ということなんだよね。

ゲームの可能性

ゲームの歴史の他に、今後のゲームの未来やその可能性なんかは大会で子どもたちが応募した作品がそれを表しているわけなんですけど。
ゲームという形をとった社会問題解決ツールですね。
医療や福祉や、企業や商品のマーケティングや教育など、娯楽という枠を飛び越えて様々な分野に活用が研究されています。

もちろん、地域のSDGs・この国の道徳を伝えるゲーム教材「花咲くプラネット」についてもお話ししました!よろしこ!

どの分野に「ワクワク」をもたらしていくか。ゲームが活かされる分野はまだまだ広がると思います。
今回は、それを子ども達に伝えようと挑みました。

お楽しみはこれからだよ…

一方、今回はアルファシステムを呼ぶということで、もう一つの側面を持った座談会に仕立てました。
今回は子どものための座談会…だけではなく、アルファファンにとって垂涎モノの企画を用意したのです。イヒヒ。

アルファシステムから借りた、高機動幻想ガンパレードマーチなどの開発作品にまつわる品々を展示。子どもたちも興味津々!


2000年にプレイステーションで発売した高機動幻想ガンパレードマーチについての開発秘話をこの日限りだけ話しましょう。
これを大きなもう一つの目玉としました。
このゲーム(略してガンパレ)は、かつてゲームの歴史の中で今まで誰も見たことも聞いたこともないシステムで、宣伝費ゼロながらカルト的な人気に支えられ、数々のメディア賞を受賞した作品です。今も熱狂的なファンに支持されています。

え? 子どもが聞いて面白い話かだって?
違うよ? 大人の参加者を作るためだよ! ウシシ!

Xで「ガンパレの開発秘話を話すよ」と告知を出すと、瞬く間にリポスト数は234に。
前半、子どもと保護者だけの会場は、後半に大きなお友達によって席が埋められていきました。子どもたちも異なる雰囲気に感づいたようです。(笑)

ゲームの魅力・そのパワーを見せる!

実は、今回のもう一つの狙いは、子どもたちにアルファ&ガンパレファンが集まるのを見せること。
ゲームがこんなにも人々の心の中に生き続け、そして再び人々を集結させるパワーを持っていることを、感じてもらうのが僕の何よりの目的でした。
ゲームを通じ、世代を越えても僕らが繋がれることを肌で感じてもらうこの狙いは、大成功。
そして、アルファ&ガンパレファンの大人たちにも、これからの世界を創るクリエイターがいること、こうした大会があることを認知していただく機会になるのも狙いでした。
この人類の歴史の中で、TVゲームの歴史はまだまだ短く、100年たっていないのです。
でも、急速に発達して、娯楽の分野を超え色んな分野に影響を与え続けています。
そして、過去楽しんできたゲーム達、作ってきてくれた人たち、ゲームを愛してくれた人たちのおかげで僕たちはゲームクリエイターになれました。
今度は僕たちから、このゲームの歴史の中の最も先端にいる、子ども・未来のクリエイターにバトンを渡す思いでいます。
大会に参加してくれたみんなにも、どうか、ゲームの世界へあとに続いてくれる人がいれば、先輩クリエイターの僕たちとしてはとてもうれしいです。

アルファシステムの皆さん、こうした機会をいただきました熊本日日新聞社さん、ありがとうございました。

カジオ企画は、こうしたゲームの分野のキャリア教育も行っておりまーす!

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