コーヒーの”蒸らし”って何?蒸らしが必要な理由とコーヒーの味への影響について
ハンドドリップなどでコーヒーを淹れようと思うと、必ずと言っていいほど”蒸らし”というキーワードが出てきます。
蒸らしと言われても、これから初めてコーヒーを淹れようと思っている初心者の方や、コーヒーメーカーやお店などで飲む専門という方にはいまいちピンと来ないワードかもしれません。
「ハンドドリップは蒸らし時間が重要」とか、「最初は30秒間蒸らして〜」など、コーヒー店のスタッフやコーヒー好きの友人が話しているのを耳にしたことがある方もいるかと思います。
しかし、その”蒸らし”とは一体何で、どんな効果があるのでしょうか?
蒸らしとは?その意味と重要性
ハンドドリップでコーヒーを淹れる際、最初に少量のお湯を注いで数十秒から1分ほど待つ工程を蒸らしと呼びます。
コーヒーの粉がぷくぷくと膨らんでドームのようになっている場面などを見たことがあるかもしれませんが、あれは蒸らし時にコーヒー豆の中に閉じ込められていたガスが放出されることで起きる現象です。
この蒸らしをしっかり行うことによって、コーヒーの粉から味をしっかりと引き出すことができるのです。さらに言うと、この蒸らしによってコーヒーの味が左右されると言っても過言ではないかもしれません。
例えば、蒸らしを行わずにコーヒーを抽出すると、コーヒーの味を上手く引き出せず酸味が際立った青臭いような味になります。
逆に、蒸らし時間を長くしすぎてしまうと、今度は出したくない苦味や渋味といった、いわゆる雑味と言われる味まで抽出してしまいます。
蒸らしを行う際のポイント
蒸らしがコーヒーの味に大きな影響を与えることは先に述べました。
ここからは、実際に蒸らしを行う際のポイントです。
まず、蒸らし時に注ぐお湯の量ですが、これは最終的に注ぎたいお湯の量の2割程度をおすすめしています。
と言われてもよく分からないので、サーバー底にポタポタとコーヒーが落ち始めるくらいを目安にするといいと思います。
この時、粉全体にお湯がかかるように注ぐようにしましょう。満遍なくお湯をかけることで、均等に味を引き出すことができます。
次に蒸らし時間についてですが、当店では蒸らし時間は30秒としています。
しかし、これは使用する豆や挽き目の細かさなどに左右されるので一概に何秒が正解だと言うことはできませんが、一つの目安として基準を設けておくといいかもしれません。
もし30秒の蒸らしでは味を引き出せていないと感じれば、蒸らし時間を1分に延ばしてみるなどして対応します。
最後に
蒸らしはコーヒーの味を決める大事な工程の一つですが、その考え方は人によって様々です。
コーヒーは淹れる人の数だけ味が存在します。
そのうちのどれが正しいかなどは僕はあまり気にしません。
より美味しいコーヒーを淹れる(飲む)ために試行錯誤する、その過程が楽しいと思っているくらいなので、皆様にも肩肘張らずに、気軽にコーヒーを楽しんでいただけたらと思っています。