デザインの敗北

デザインの敗北事例集~人に伝わらないデザインは死ぬ~

ヒトに伝わらないデザインは、いとも簡単に死んでしまう。

オシャレでカッコよく、綺麗で鮮やかなデザインを作り、自分もクライアントも満足したとしても、機能性が無いデザインは簡単に死ぬのだ

今回はそんな「デザインの敗北」事例を10個程度ご紹介しよう。


※反対の「デザインの勝利事例集」記事はこちら


1.東京ミッドタウン日比谷のトイレ前

わかりやすいデザインの敗北事例である。
どう見てもトイレを示すアイコンが小さすぎる。

デザインは「問題解決」のためにあるので、機能性を大いに失ったこのデザインはそもそも「デザイン」にも当てはまらない気もするが、「デザインの敗北」を極端に表す例ではないだろうか。


2.セブンイレブンのコーヒーマシン(旧型)

テプラを貼り付けた店員の半ギレ具合が伝わってくるような良い敗北事例である。

個人的には「押し間違えても、一切保証出きません」「押し間違えた場合はレジにてお支払いをお願いします」怒りが抑えきれない感じが出ていて好みだ。

ちなみにこのコーヒーマシンは、

亜種が存在する。

※現在のコーヒーマシンはリニューアルされ、なんと「カップを入れたら自動的にサイズに適したコーヒーが出てくる」機能が搭載されました!

が、「機能の説明がほとんどないため、使い方が分からない」と、やはり敗北しているみたいです。


3.銀座LOFTのフロア案内板

埋め込み投稿では切れていて分からないかもしれないが、6Fの「バラエティ雑貨・デザイン雑貨」のフロア表示は、左図だと「ネクストクリエーション トラベル モバイルツール」と記載されている。

画像1

分かってたまるか。

ちなみに黄色背景の部分は、ロフト店員が後からテプラで貼り付けたものだそうだ。

リニューアル後は日本語表示が入ったのでだいぶ分かりやすくなったものの、正直トイレ表示の男性・女性の見分けが遠目で分からないので、(社会的な)生死の狭間を彷徨っている人がこれを見たらキレるかもしれない

もうあと一歩欲しいと思ったデザインだった。


4.自動ドアに付いているボタン


こちらは





です


正気か?

分からない…明らかに「ドアをオープンする」という意図がある箇所に非常ボタンを設置する意図が分からない…怖い

デザインの敗北というか、これはもはや悪質なトラップである。

逆に言うと、「デザインは上手く使えば人を陥れることが出来る」ということが学べる、奥深い事例だと捉えられるだろう。


5.品川駅改札外の案内表示

左側が元のデザインで、右側がおそらく現場職員が作成したと思われるデザイン(左図の上に貼り付け)である。

スタイリッシュでカッコよく見えるのは左側だが、すべての表示が同系色のため、「乗り換え案内なのか」「新幹線なのか」「出口なのか」などが直感的に伝わってこない

昔ながらの、あまりスタイリッシュとは言えない右図の方が結果的に分かりやすくなっているのは、まさしく「デザインの敗北(現場職員の勝利)」と言って良いのではないだろうか。


6.とある場所のトイレマーク表示

FireShot Capture 1595 - カルマおじさんさんはTwitterを使っています 「トイレの男女マーク。デザインの敗北を見た https___t.co_Oww1jmR1_ - twitter.com

なんだこれは…さっぱり分からん…

なんとなく左が男で、右が女性のような気も…するが…
正直テプラが貼られていなければタチの悪い運ゲーである。

テプラも男性側は濃い青に黒文字で見にくいなこれ……


7.駅に設置されている「消火栓」

これは投稿者のソノヤマさんが仰っているように、「緊急系」の情報についてははっきりと視認でき、認識できるようなデザインにするべきだろう。

この画像の場合は、裏側からも人が見ることが容易に想像できるのに、表側に回らないと「何の設備なのかが分からない」というのはかなり致命的だ。

(かといって自動ドアの取っ手のところに非常ボタンを取り付けていいという話ではない


8.洗面台の蛇口

わたしもたまーにこういったタイプの蛇口に遭遇することがあるが、やはり使い方がいまいち分からない

蛇口の下に手を出すと水が出てくるというのはなんとなく直感的に分かるが、なんだこの左右の突起物は。クロスボウか何かか?

水が出た後、風が出てきてすぐに手が乾くというのは画期的で機能的なのだが、使いこなせなければ意味がないのではないか……?

いずれこういった形式の蛇口がスタンダードになれば「直感的なデザイン」と呼ばれるようになるので、「技術の革新」と「デザインの敗北」は紙一重なのかもしれない。


9.点字ブロック殺し

この床をデザインした人はおそらく「点字ブロック」をデザインの一種としか捉えていないのではないだろうか…。

バリアフリーユニバーサルデザインという言葉が浸透して大分経つが、こういったデザインが蔓延ってしまうと世界中から冷笑の対象となってしまうのではないだろうか。

本来点字ブロックを使う方々にとっては不便極まる話だ…


10.明らかに海苔に見えるおしぼり

これはもはやトリックアートジョークグッズに近いものではないだろうか?と思ったが、一応「デザインの敗北」事例に組み込んでおく。

わたしも絶対これは海苔だと思って食べようとしてしまうだろう…


その他のデザイン敗北事例集


以上、デザインの敗北事例集でした。

デザインを手掛ける方々は、「クライアントに満足頂けるハイセンスでかっこいいスタイリッシュなデザイン」だけを追求するのではなく、「誰にとっても使いやすく、機能的なデザイン」もぜひ追求して頂ければと思います。

この記事がきっかけで、今後「デザインの敗北」事例が1つでも減ってくれれば、何よりです。


もしほかの「デザインの敗北事例」をご存知であれば、コメント欄で教えて下さい!この記事に追記させて頂きます🙇‍♂️


今回は「デザインの敗北事例集」だったのですが、反対に秀逸な「デザインの勝利事例集」もあった方が役立つと思いますので、後日まとめてご紹介したいと思います。

※「デザインの勝利事例集」つくりました。こちらも合わせてどうぞ。


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