![デザインの敗北](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/20030096/rectangle_large_type_2_71cbe8e803f3eb623e1cdfe0f573a521.jpeg?width=1200)
デザインの敗北事例集~人に伝わらないデザインは死ぬ~
ヒトに伝わらないデザインは、いとも簡単に死んでしまう。
オシャレでカッコよく、綺麗で鮮やかなデザインを作り、自分もクライアントも満足したとしても、機能性が無いデザインは簡単に死ぬのだ。
今回はそんな「デザインの敗北」事例を10個程度ご紹介しよう。
※反対の「デザインの勝利事例集」記事はこちら
1.東京ミッドタウン日比谷のトイレ前
東京ミッドタウン日比谷の「極力シンプルで美しいデザインにしよう」というデザイナーの欲求がトイレのアイコンを小さくしすぎて「トイレはどこ?」という質問が多発して看板が設置されるの、まさに『デザインの敗北』というほかなくてとてもすき pic.twitter.com/kpI8LnWkq7
— Simon_Sin (@Simon_Sin) April 2, 2018
わかりやすいデザインの敗北事例である。
どう見てもトイレを示すアイコンが小さすぎる。
デザインは「問題解決」のためにあるので、機能性を大いに失ったこのデザインはそもそも「デザイン」にも当てはまらない気もするが、「デザインの敗北」を極端に表す例ではないだろうか。
2.セブンイレブンのコーヒーマシン(旧型)
ちょwわーーかったからw!
— 佐々木良 (@ryo_sasaki) January 28, 2015
わかったからちょっとシーーw! pic.twitter.com/KmV18oJGxN
テプラを貼り付けた店員の半ギレ具合が伝わってくるような良い敗北事例である。
個人的には「押し間違えても、一切保証出きません」と「押し間違えた場合はレジにてお支払いをお願いします」が怒りが抑えきれない感じが出ていて好みだ。
ちなみにこのコーヒーマシンは、
セブンイレブンのコーヒーこれで100円はほんまに安い pic.twitter.com/SOKG9aI5yH
— 使わない (@ganhyurin) December 27, 2014
撃ち納めサバゲーの活力剤のセブンコーヒー! pic.twitter.com/dHhStCoduf
— おまつ (@omatsu1593) December 27, 2014
亜種が存在する。
※現在のコーヒーマシンはリニューアルされ、なんと「カップを入れたら自動的にサイズに適したコーヒーが出てくる」機能が搭載されました!
が、「機能の説明がほとんどないため、使い方が分からない」と、やはり敗北しているみたいです。
面白い体験をしました。おじちゃんが、セブンコーヒーの最新機種(左)が空いてるのに、旧機種(右)が空くのをずっと待ってて、「どうして?」と聞いてみたら、ボタンが無いからどうしていいかわからなかったみたい。 pic.twitter.com/V9uQfjolld
— むぎ@社内SE (@MUGI1208) June 15, 2019
3.銀座LOFTのフロア案内板
フロア名をカッコ良くしようと横文字だけにした結果、意味が分からなすぎてテプラを貼られていた銀座LOFT、4月の大改装で分かりやすくなったぞ!!! pic.twitter.com/H6o3FQhNuz
— コクブカメラ(iPhoneを買う先頭の客) (@kokubucamera) May 5, 2019
埋め込み投稿では切れていて分からないかもしれないが、6Fの「バラエティ雑貨・デザイン雑貨」のフロア表示は、左図だと「ネクストクリエーション トラベル モバイルツール」と記載されている。
分かってたまるか。
ちなみに黄色背景の部分は、ロフト店員が後からテプラで貼り付けたものだそうだ。
リニューアル後は日本語表示が入ったのでだいぶ分かりやすくなったものの、正直トイレ表示の男性・女性の見分けが遠目で分からないので、(社会的な)生死の狭間を彷徨っている人がこれを見たらキレるかもしれない。
もうあと一歩欲しいと思ったデザインだった。
4.自動ドアに付いているボタン
最悪のUXボタンに遭遇した。100人くらいは押したと思うw pic.twitter.com/d8siPmBcQi
— またよし れい【神戸Google広告運用依頼】 (@Sayobs) May 5, 2019
こちらは
非
常
ボ
タ
ン
です
正気か?
分からない…明らかに「ドアをオープンする」という意図がある箇所に非常ボタンを設置する意図が分からない…怖い…
デザインの敗北というか、これはもはや悪質なトラップである。
逆に言うと、「デザインは上手く使えば人を陥れることが出来る」ということが学べる、奥深い事例だと捉えられるだろう。
5.品川駅改札外の案内表示
品川駅改札外の案内サイン、青ベースだった原型の上からおそらく現場職員作成と思しき野良サインが貼られているのだが、出口を黄色系にまとめ、各路線のカラー、ピクトグラムやナンバリングにも対応という野良サインとしては稀に見る完成度に仕上がっていて驚愕。
— Mr.Densha (@mrdensha) March 12, 2019
品川駅にはなかなかのやり手がいる。 pic.twitter.com/FOzmgZ5DOj
左側が元のデザインで、右側がおそらく現場職員が作成したと思われるデザイン(左図の上に貼り付け)である。
スタイリッシュでカッコよく見えるのは左側だが、すべての表示が同系色のため、「乗り換え案内なのか」「新幹線なのか」「出口なのか」などが直感的に伝わってこない。
昔ながらの、あまりスタイリッシュとは言えない右図の方が結果的に分かりやすくなっているのは、まさしく「デザインの敗北(現場職員の勝利)」と言って良いのではないだろうか。
6.とある場所のトイレマーク表示
トイレの男女マーク。デザインの敗北を見た pic.twitter.com/Oww1jmR1xF
— カルマおじさん (@konoe_lal) March 7, 2019
なんだこれは…さっぱり分からん…
なんとなく左が男で、右が女性のような気も…するが…
正直テプラが貼られていなければタチの悪い運ゲーである。
テプラも男性側は濃い青に黒文字で見にくいなこれ……
7.駅に設置されている「消火栓」
真面目な話、公共の場における、特に緊急時に使う機器・施設は、全方位からそれとわかるデザインが施されるべきだと思うんですよ。
— ソノヤマ・タカスケ (@T_SONOYAMA) January 25, 2019
「オシャレで環境に溶け込むデザイン」で、目の前にあるAEDの存在に気付かなかったとしたら、そのデザインは犯罪的であるとさえ言えるんじゃないかと思うんですよ。 pic.twitter.com/3OKciYEcr4
これは投稿者のソノヤマさんが仰っているように、「緊急系」の情報についてははっきりと視認でき、認識できるようなデザインにするべきだろう。
この画像の場合は、裏側からも人が見ることが容易に想像できるのに、表側に回らないと「何の設備なのかが分からない」というのはかなり致命的だ。
(かといって自動ドアの取っ手のところに非常ボタンを取り付けていいという話ではない)
8.洗面台の蛇口
とある飲食店にて。トイレの洗面所で、写真のような武器が、明らかに私のみぞおちのあたりを狙ってた。しばし悩んだ末に、そっと手を武器の真下あたりに伸ばすと水が出た。やっぱり。続いて掌を開いてみた。するとエアが吹き出して濡れた掌を乾かしてくれた。よく見ると、「dyson」と書いてあった。 pic.twitter.com/60UmHj3sw0
— 伊藤正宏 (@ito3com) July 30, 2018
わたしもたまーにこういったタイプの蛇口に遭遇することがあるが、やはり使い方がいまいち分からない。
蛇口の下に手を出すと水が出てくるというのはなんとなく直感的に分かるが、なんだこの左右の突起物は。クロスボウか何かか?
水が出た後、風が出てきてすぐに手が乾くというのは画期的で機能的なのだが、使いこなせなければ意味がないのではないか……?
いずれこういった形式の蛇口がスタンダードになれば「直感的なデザイン」と呼ばれるようになるので、「技術の革新」と「デザインの敗北」は紙一重なのかもしれない。
9.点字ブロック殺し
はじめましてです。夏頃に訪れた某県庁所在地のバスターミナルでこんな光景に絶句いたしました。これを設計した建築デザイナー氏や施設管理者氏に、弱視体験メガネ+白杖でココを歩いていただきたいものです。 pic.twitter.com/D2U3D8C8Gz
— akira goto (@akira_goto) November 21, 2017
この床をデザインした人はおそらく「点字ブロック」をデザインの一種としか捉えていないのではないだろうか…。
バリアフリーやユニバーサルデザインという言葉が浸透して大分経つが、こういったデザインが蔓延ってしまうと世界中から冷笑の対象となってしまうのではないだろうか。
本来点字ブロックを使う方々にとっては不便極まる話だ…
10.明らかに海苔に見えるおしぼり
食事処にて、お米が余ったら食べようと思っていた海苔がオシボリだった時の俺の気持ちが分かるか? pic.twitter.com/oFSM1MHSXS
— 石黒正数 (@masakazuishi) March 25, 2018
これはもはやトリックアートやジョークグッズに近いものではないだろうか?と思ったが、一応「デザインの敗北」事例に組み込んでおく。
わたしも絶対これは海苔だと思って食べようとしてしまうだろう…
その他のデザイン敗北事例集
テラッセ納屋橋で見つけた #デザインの敗北 pic.twitter.com/ANBanG1x5W
— 桜野時生 (@TokioSakurano) March 28, 2018
デザインの敗北 pic.twitter.com/g5BgndS8CU
— 静岡茶🕺ଳ🦈 (@shizu_cha) January 23, 2017
デザインの敗北2
— 静岡茶🕺ଳ🦈 (@shizu_cha) January 23, 2017
同じ建物の男子トイレ。下のプレートは既製品の後付け。女性トイレにも同様の措置あり。 pic.twitter.com/5kZ0Oa28Tm
ローソンPB商品の新パッケージ、どれが何やら見分けがつかず超不便。眼鏡を忘れてきたので、いちいち手に取らないと商品名が読めなかった。なんでこんな反ユニバーサルデザインを採用するのかな pic.twitter.com/SsI7r4EuMK
— junkTokyo (@junktokyo) May 17, 2020
このピクトグラムをエレベーターの看板に採用した者に呪いあれ!そのデザインに災いあれ!
— 筒田 (@kinosaki_jack) May 22, 2020
(トイレと間違えて決壊しかけた) pic.twitter.com/ZQVhLqzHf9
以上、デザインの敗北事例集でした。
デザインを手掛ける方々は、「クライアントに満足頂けるハイセンスでかっこいいスタイリッシュなデザイン」だけを追求するのではなく、「誰にとっても使いやすく、機能的なデザイン」もぜひ追求して頂ければと思います。
この記事がきっかけで、今後「デザインの敗北」事例が1つでも減ってくれれば、何よりです。
もしほかの「デザインの敗北事例」をご存知であれば、コメント欄で教えて下さい!この記事に追記させて頂きます🙇♂️
今回は「デザインの敗北事例集」だったのですが、反対に秀逸な「デザインの勝利事例集」もあった方が役立つと思いますので、後日まとめてご紹介したいと思います。
※「デザインの勝利事例集」つくりました。こちらも合わせてどうぞ。
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デザインの敗北事例集を10個ほど紹介しています。デザインは簡単に死ぬのだ…
— かじさん@旅するWEBマスター (@kaji_webmaster) February 29, 2020
デザインの敗北事例集~人に伝わらないデザインは死ぬ~|かじさん@旅するWebマスター @kaji_webmaster #note #cakesコンテスト2020 #デザインの敗北https://t.co/JFkQ67iL68
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