【介護保険】限度額超過について考えた
どーもカイゾウ(@kaizo777)です。
今回は上野千鶴子著「在宅ひとり死のススメ」を読んでいて感じた在宅支援の固定観念について書いてみます。
私自身「在宅」を支援するケアマネジャー(以下:ケアマネ)として、11年以上仕事をしていますが、今回の書籍を読んで自分自身に考え方に偏り(バイアス)があったことを感じました。
それは「負担限度額を超えない」という意識です。
介護保険は要介護度に応じて「負担限度額」という保険点数の上限があります。要支援1~要介護5までそれぞれ上限値が設けられていますが、いつの間にかこれを「超えないように」という意識が強く働いていたように感じました。
この記事は
・(新人)ケアマネさん
・家族介護者さん
の参考になるように書いていきます。
トータルコストの意識
「在宅ひとり死のススメ」には、在宅と施設の費用について取り上げた一節があります。
そこには施設に掛かる費用と在宅に掛かる費用について書かれたものがありました。あくまで参考数値と捉えて良いと思いますが、この視点が私には足りなかったと感じました。
書籍には「在宅で最期を迎える利点」が多く書かれており、それを実証する為の意見が色々と書かれていますが、今回のこの記事では「在宅が良い」「施設が良い」という内容を書くつもりはありません。
単純に私という個人のケアマネが意識が足りなった点をシェアしていきたいと思っています。
話を戻しますが、在宅支援をする上で「負担限度額」に対する意識が強かったと反省しています。
あくまで、負担限度額は「超えてはいけない点数」ではなく、超えたら利用者負担が10割になるという「保険対象内の点数」というものです。
要するに、負担限度額を超えても超えた分の10割を支払う能力が利用者にあるのであって、必要なサービスなのであれば利用して頂けばいいのです。
「在宅ひとり死のススメ」に書いてある施設の料金と在宅で希望するサービスを組み入れ調整した場合を比較すると、確かに限度額超過をしても状況に応じて在宅での生活を続けた方が言い人もいるという考えが生まれました。
ケアマネはトータルの支払いコストをもっと正確に意識する必要があると感じました。
なぜ限度額の超過に対するブレーキが掛かっていたか
これは単純に「利用者負担」が大きくならないようにという意識が強かったように思います。
例えば、要介護2の利用者が限度額いっぱいまでサービスを利用した場合の利用者負担は約20000円(あくまで通所等の自費分は入れていません)。
そこに1000単位超えるようなことがあれば、自己負担が10000円上乗せになるという計算です。(1000単位の超過≒デイケア1回分相当)
私は利用者にも限度額超過の説明をする時には、上記のような説明をしています。
もろろんこれまでも利用者の意向を無視した支援をしてきたことはほとんどありません。利用者の意向が確認できる方にはしっかりと確認し、どのような生活をしていきたいかを考えてきました。
しかし、限度額超過を念頭に置いたケアプランを深く考えたことがあるかと問われると「限度額を超えないようにプランニングするには」に重点を置いていたように感じます。
例えば、夜間帯にヘルパーが必要な場合。身体に触れる介護を30分行った金額は約3800円(10割負担)。単純に10日間来てもらったとしても38000円。
※かなりザックリとした計算です。
これを高いと感じるか安いと感じるかは利用者・家族次第。
在宅で介護をし続けるか、最終的に介護が困難になった場合に施設を選択するかの選択肢にここまでの情報を提供していたかというと正直していませんでした。
施設入所の金額と在宅で希望を100%叶える為の金額
この数字をしっかりと利用者・家族に提示できるようにするべきだと感じました。
「介護」はもちろんお金だけが問題ではありません。利用者自身の気持ちや家族の気持ち、様々な方の想いが複雑に絡み合っています。
その複雑な想いを後悔の無いように選択する為にも、もっと介護に掛かるお金について掘り下げて考えていくべきなのだと思います。
私自身、施設入所に掛かる金額についての説明は必要なタイミングでしてきました。
しかし、自宅で本人・家族が望む在宅支援に掛かるお金を限度額超過した部分まで詳細に計算したことがあるかというとほとんどありません。
限度額超過=100%自己負担→高額→金銭的負担大→困難
という式を勝手に頭に思い描いていたからだと思います。
そう考えていたのは私自身。利用者・家族へ情報の全てを提示してこそプロであるという認識がまだまだ甘かったと反省しています。
まとめ
今回、上野千鶴子先生の「在宅ひとり死のススメ」を読んでとても勉強させて頂いています。
まだ読み進めている途中ですが、前半から今回のような気づきの嵐。
もちろん人それぞれ考え方があるので、上野先生の考えが全てだとは微塵も思っていません。
ただ、様々な権威性のある方達の意見を取り入れて自分の考え方を膨らませる作業はとても重要だと常々感じました。
続きを読み進めてまた気づきが生まれたらシェアしたいと思います。
最後までお付き合い頂きありがとうございました。
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今日はこの辺で。
ではまた!!