アフガニスタンのタリバンとは

連日ニュースになっているアフガニスタン情勢についてです。アフガニスタンを制圧したタリバンについてご紹介します。

本投稿を読んでいただく前に、タリバンにフォーカスしていますが、筆者は中立的な立場で投稿してます。

また、色々な国で出会ったイスラム教徒の方から、過激派組織・テロ組織≠イスラム教徒である事を念押して皆さんに伝えたいです。

タリバン

は省略すると、アフガニスタン・パキスタンにいる民族で構成された、過激派組織です。なぜタリバンが生まれたのか順を追って説明します。

1.ソビエトがアフガニスタン侵攻を行った際に生まれてしまった難民がパキスタンに移住。
アフガニスタンの隣国、パキスタンでは、アフガニスタン難民の青年達にイスラム信仰の強い学校(マドラサ)を設立し通わせます。


2.当時タリバン達が通った、パキスタンのマドラサでは、国家とはコーランに完璧に基づいた国家でなくてはならない。というイスラム教に完全に基づいた国家観についての教育。コーランの一部である、聖戦思想を強く教育します。

3.そして、学生達は、故郷アフガニスタンを荒らすソビエトを聖戦思想(ジハード)の下、米ソ対立によりパキスタンからの間接的なアメリカの支援で必死に戦います。
結果的に、ソビエトを撤退させアフガニスタンを守りました。

4.アフガニスタンを守りきり、聖戦思想を持つ彼らはイスラム教徒以外認めず、従わない者は、生まれ変わらせる事により、現世の苦しみから解放されるという思想から、厳正なイスラム国家、教徒以外を敵とみなします。

5.アメリカを9.11テロで襲ったアル・カイーダというタリバンと殆ど同じ形で形成されたテロ組織がアフガニスタンに潜伏していた為、2001年にアメリカがタリバン政権下にあったアフガニスタンに侵攻。
タリバンとアル・カイーダは同じ思想観を持ち、タリバンはアフガニスタン民族である為、アル・カイーダと共闘する事に。

6.アメリカが勝利したという名目で無理やり、アフガニスタンの首都を制圧。アメリカ主義の大統領を就任させ、タリバンはアフガニスタンを追われましたが、2005年頃から、パキスタンに潜伏していたタリバン達がアフガニスタン地方などで実権を握り始めます。

タリバンが米・ソに勝利した理由。

タリバンは中央アジアの民族(主にパキスタン・アフガニスタン)で構成されています。ソ連とアメリカの侵攻にも耐える、聖戦思想を持ちます。

嘗て、モンゴル、アフガニスタン、パキスタン、インドを支配下に置いたムガル帝国と呼ばれるイスラム教国が、1500年代~1800年代まで存在しました。ムガル帝国を築き上げたバーブルはアフガニスタンに陣を構え、中央アジアを占拠し、作り上げます。

陸続きで地政学リスクが多い中央アジアをムガル民族はムガル帝国を300年近く防衛してきました。

タリバン=ムガル民族と呼んでもおかしくないと思います。彼らはDNAにムガル民族の戦闘力が刻まれており、歴史的に見ても、アフガニスタンという土地を追われては、取り返す。そんな能力を生まれながらにしてタリバンは持ち合わせ、尚且つ聖戦思想を持つので、米・ソ連に勝利出来たのではないかと思います。


画像1


ムガル帝国繁栄図。緑部分の一番左がアフガニスタンで、インドまで繫栄させました。

今後のアフガニスタン情勢予想

昨日のニュースでもありましたが、首都カブールでISが自爆テロを行ったと犯行声明を出しました。ISとタリバンの目的は、同じイスラム教国の設立ですが、IS側は異教徒の米国や諸外国と交渉する余地を与えたことで、タリバンが支配するカブールにてテロを行ったとの事です。

タリバンは、ここ数十年で変化しているみたいで、国家として認証を得る為、諸外国との外交などに励んでいます。しかし、ISの様な絶対的な聖戦思想を持つ組織との衝突や、反政府勢力との三つ巴の内戦が起こる可能性があると思います。



いいなと思ったら応援しよう!