シェア
Kaito Imahori 今堀魁人
2022年7月3日 07:15
2022年6月24日 13:50
6月初めのある日、日の出前から道東の森を1人歩いていた。不気味なほどに音の無い朝の森。聴こえるのは私の足音と吐息のみ。どんなに耳を澄ましても風の音さえしないこの時期では考えられないほど静寂な世界。そんな森を歩きながら、必ずある自然に残された違和感を探す。3kmほど歩いた頃だろうか。大きな音はしないけれど変に視線を感じる。この視線は誰だろうか。じっと息を殺し、意識を周囲に張り巡らせる。1分ほど経
2022年2月2日 00:06
ピュルウ、ピルルという小声とパリパリと冬芽を啄む音。この距離感でしか聴くことができない音を楽しめる贅沢。ひとつの生き物ことを知り、そしてしっかりと観察、様子を窺いながら本物と対峙すること。確実に見られるところでただ見ることも楽しいかもしれないが、人が干渉していない状態の野生の個体だからこそ知らなかった本性を知れる喜び、そしてこの空気感を楽しむこと。最近餌を撒き野生動物を撮影する方や闇夜の中
2021年11月11日 20:02
2021年11月10日 00:35
2021年10月17日 23:03
2021年9月30日 19:31
2021年9月12日 23:51
2021年8月26日 01:03
あの兄弟の暮らす地に一ヶ月後改めて訪れると、大人の風貌で出迎えてくれた。まだ若干のあどけなさはあるが、周囲にはすでに親の姿はなく己の力で生きる時が来たようだ。このキツネの兄弟に出会えるのもきっとこれが最後。静かに外に降り、同じ目線で同じ匂い、世界、時間を感じてみる。キタキツネの世界は草の生い茂る世界が広がり、隙間からは兄弟の姿が見える。そして波の音や風の音がするたび海の香り、彼ら兄弟の匂い
2021年7月21日 13:34
2021年7月19日 12:39
2021年6月23日 21:20
朝から濃い霧の中に包まれていた。視界はたった10mあるかどうか。とても遠くのものは見える気配がない。風は穏やかだが、それがいけなかった。海霧が海峡に溜まり消え去らないのだ。風もなく、波もない。ひたすら船は見えない海上を行く先の見えないどこかへ向かって進ませる。聴こえるのは船のエンジン音と、船が走る波飛沫の音だけ。何時間経っただろうか。船はゆっくりと岬の方へ出た。するとあの視界を奪っていた海
2021年6月10日 22:50
2020年10月19日 00:56
約二週間、各地を巡る旅に出ていた。旅の途中、必ずと言っていいほど見かけたのは、車に轢かれた動物たちの姿。出会った時は、停まれる場所であれば、出来る限りその動物たちを、道路脇のなるべく離れたところへ避ける。他の動物たちの二次被害を減らすためだ。これは以前、尊敬する写真家である半田菜摘さんと撮影をご一緒させていただいた際に行われており、感銘を受けて以来、私も真似させていただいている。 轢かれ