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和歌山にて武者修行してきた話

お久しぶりです。

タイトルを見てクリックしてくれた方、興味ある方、ちょっと長めの旅になりますが少々お付き合いください。なげえな、興味ないなあと思う方、苦し紛れのハートを押してからの退散をどうか願います。

もしくは【最後に】だけみてもらえれば。

はじめに

9月1日から15日、株式会社旅武者の運営するビジネスインターンシップ『武者修行プログラム』に参加してきました。

結果的に文字通り武者修行であったため、毎日を十分な睡眠を取れない疲労困憊なコンディションで過ごした二週間。(俗に言う寝てないアピールではございません、好きで寝ていませんでした。)それでも日中は睡魔よりも楽しさや危機感に襲われることが多かったので、最高に充実した二週間でした。

今回は自分のためにも、学んだことを公開できる範囲でアウトプットしていこうと思います。


武者修行プログラムとは

そもそもそれなんぞやという人にむけて簡単に説明。(記事の趣旨とズレるので、詳しくは書きません。興味ある人は気軽に連絡してください。)

デカめの一人旅の計画をコロナによって打ちのめされた矢先、海外インターンという言葉が検索エンジンで引っかかり、ここにたどり着きました。

超実戦型の新規事業立ち上げのビジネスインターンシップです。

コンテンツは「二週間でチームで一つのビジネスを0から完成させ、それとともに今後の人生を切り開いていけるような力(自走式エンジン)を身につけ、変態する」というもの。ビジネスにおける様々なフェーズを一度で経験できること、同じようなモチベーションを持ち自分自身と向き合っている大学生とともにプロジェクトを進められること、本気で向き合ってくれるプロのファシリテーターたちがいること、そして何より理念が自分の進んでいる矢印と同じ方向に向いていると感じ、参加料を払ってチャレンジすることにしました。

和歌山県 那智勝浦町へ

当初はベトナムのホイアンに行く予定でしたがコロナの影響で頓挫。
代わりに今年から新たに地方創生版が始まっていたことを知り、全く予想のつかない場所に身を置くために、いくつかある中で和歌山県那智勝浦町に飛び込むことを決めました。

なんで和歌山?とか、「ワカヤマワカヤマ」ってめっちゃ聞かれたりいじられたりしましたが、

・普段、都市近辺に住むことによって見えなくなっていること、今一度色眼鏡を外したい。(ここは一人旅の動機と似てるかも)
・都市でのビジネスだけではなく地方でのビジネス、どちらも大学時代に体感して、経験に幅を作りたい
・都会に比べて資源や周りの環境に制約がある「地方」で、一筋の明かりを見つけてアウトプットを出すという力が今の自分にあるのか知りたい。

大まかにこのような理由です。

那智勝浦町は、生まぐろ日本一を誇る港町です。ではそれ以外の魅力をなんとか作れないのか。そんな思いから複数あったうちの一つ「食品以外の新商品お土産開発」のプロジェクトをミッションにしました。

プログラムを実施する前には「前夜祭」という長時間のビジネスの知識に関する研修をオンラインで受け、チームでの会議と企画書を事前に作成。あとは現地へ、というところまで準備をして出発。

現地にて

チェンマイ以来の長時間の電車の旅。
片道6時間で那智勝浦町に降り立つと、正直、観光地とは思えない閑散とした風景が目に入りました。「どうなるんだこれ。」

普段は経営者やコンサルタントに従事しているファシリテーターの方々(以下FT)が既に町に話を回していて、町長や新聞社、観光機構、町民の方々まで自分たちの活動を注目してくれていました。「全国から大学生が集まって那智勝浦のためにビジネスを作ろうとしている!」という情報が回るだけで全体を巻き込めるのは、ある意味一つのコミュニティとして町という地域性が垣間見えた気がします。

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また、那智勝浦町で中心的な市場「にぎわい市場」を主な活動場所として使わせていただきました。

活動

毎日の朝礼や終礼、現地リサーチや会議を重ね、4日目には今チームが進めている企画の中間プレゼン。そこからフィードバック、チーム面談、ビジネス面談、FTとの個人面談が設けられています。最終局面では、2日間実際に販売するという効果測定(運転免許のやつじゃありません、そして最終プレゼン、とい流れでした。

上記のスケジュール以外の活動は全てチームで何をするか決める方式。スケジューリングと逆算した行動、それに伴う積極性が求められました。(1日のday offもある)

最終プレゼンでは、FTの方々、にぎわい市場の責任管理者、那智勝浦町観光機構の方、全員でそのビジネスを今後町に残していくかどうかの採用不採用を決めてもらう形です。
馴れ合いではなく、本気でこれからもこの町に残していいと町の人たちが思うものが採用される。

振り返り:全体として

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目標:今ある自分の力、チームで掛け算をした力、全てを出し切った状態で終わる

結果:目標の状態を実現し、ビジネスプラン採用

ほんとに色々な障壁にぶち当たりましたが、最後なんとかチームで壁をぶち壊し、最終プレゼンで審査員たちをぎゃふんと言わせることができた気がします。

①中間プレゼンまで
初めて顔を合わせた人たちと早速行動をとる。とにかく進まねば、と思ったせいなのか心理的にも、ビジネス面でも、あやふやな状態で進んでしまいました。また、ビジネスのフレームワークを噛み砕けてない状態でもありました。

今思うと、とても目も当てられないようなプロダクトとプレゼンを中間プレゼンに持っていき、見事に玉砕。自分たちが「ここおかしいのでは?」と感じつつも見て見ぬふりしてしまった場所をことごとく突かれ、ボロボロになりました。お先真っ暗。

②FTとの面談

ビジネス面では「土台がなってないよね」「君たちのやりたいこと、与えたい価値ってなんなの?」

まず、ビジネスとしての根拠づけが乏しい。「〜だからこれは売れる」という文脈にとても当てはまらない。具体的に言うと、町の人たちからもっと生の声を聞いて、現状課題を徹底的に分析すること(定性分析)からもう一度スタートし、そこから段階を踏まなければと全員が感じました。

チーム状況については、「君たち、優しいし受け入れられるチームだけど、なんか腹割りきれてないんじゃない?」

二人互いに60%ほどしか自己開示できていない状態だと、4人チーム全体で見ると重なり合う部分は15%にも満たない。

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確かに。チームビルディングの重要性を体感した瞬間でした。
この状態だと、「なんかおかしい」と誰かが思っても、立ち止まって軌道修正できない。

面談終了後、真っ先にやったことは、心から何もない状態にするほどの自己開示会。弱み、恥ずかしい部分、価値観の変遷、全てを曝け出して一気に距離を縮めようと思いました。(一人旅で飯に誘ったり、友達作るときに僕がよくやる手法)

今思うと、これが僕らのチームの風向きが一気に変えた気がします。

③効果測定、最終プレゼンまで

定性分析→仮説ニーズやターゲット設定→定量分析 と進めていきます。

大きかったのはそれまでと違い、違和感を感じた瞬間に立ち止まれたこと。やはり一人では気づかないこともあります。何をやるか、どうやるか、それをやって何を知りたいのか、いつやるのか、全部チームで納得いくまで議論しました。すべてのステップでPDCAを回しました。

進むごとに止まっても、その前の段階に紆余曲折を経て導き出した土台があるため、簡単には折れないチームへと変貌を遂げていいました。

「こーゆーの売れないかな?」

「効果測定までに実現できなそう」

「でもニーズとはマッチしてるはずだからほかの方法探したり、粘ってみよう」


そしてずっとこの町にいる分、この町ならではの伝えたい魅力や価値を肌で感じ、那智勝浦に精通している地元の方々や観光客いろいろな方に話を聞いて導き出した現状課題がわかり、その中から本当に解決したいものを選びました。

「那智勝浦で、目玉となるモノお土産商品を作り、町にさらなる活気と笑顔を届けたい」「町のシンボル生まぐろの価値を伝え、全国区で普及させたい」

プロジェクトを進めていく上での一番大事な土台、whyの部分を固めました。

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この二つの交わる部分。ここにビジネスがあり、練りにねって、ついに一つのプロダクトにたどり着きました。

効果測定までの試作品作成にも様々な壁がありました。コスト面だったり、デザインを考え、現地で形にする。イラストや販売に使うPOP広告は旅武者専属のプロのイラストレーターさんにお願いし、思いや背景を納得いくまでしっかりと伝えきること。そしてこれらは全て直近の期限までにやらなければならない。

うまくチームで手分けをし、間に合わせて2日に実際に市場で販売しました。自分たちの予想を遥かに超えた売り上げを出すことに成功。買ってくれたお客さんにも予め用意した質問をして、根拠づけ、より良いものへの探究を疎かにせずやり切った気がします。損益分岐計算、今後の展望まで気を抜かずに考えて、プレゼン準備へ。

最終プレゼン。
中間プレゼンにはなかった一貫性と説得力を、PDCAを回して獲得したデータ、そして僕たちの思いとともにプレゼン。寝不足で充血した目をガン開きし、伝え切りました。審査員の質問も、瞬時に対応して解消。

審査員の反応は、一度挫折を味わっている自分たちの予想よりも、さらにポジティブなものでした。「ビジネスのプレゼンとして抜け目がない」「この完璧なPOPを作成しきったことがすべてを物語ってる」忘れられないフィードバックでした。

「採用です、おめでとうございます!」と言われた瞬間、肩にのしかかっていた何かが消え去り、同時に目頭が自然と熱くなったのが二週間PDCAを回し続けてやり切ったと実感している証拠だった気がします。

現在は自分たちの商品を今後町に残すための引き継ぎをしています。

振り返り:ビジネス面

ビジネスってなんとなく、任務のようなものだと感じていました。ですが、この武者修行プログラム那智勝浦タームで感じたのは

伝えたい魅力、価値とニーズ

この二つの間にあるものがビジネスであり、実現していく過程にとてもやりがいや楽しさを感じることができました。より多くの工程に自分が携わっているほうが幸せを感じる人間なんだ俺は、って感じです。

また、ビジネスの基本的なフレームワークの大切さを頭と体の両方で実感できました。定量分析、定性分析、ニーズ、ターゲット、損益分岐点、3C分析、ペルソナ。ここに書いたらキリがないのでアレですがいずれも今後必ず生かせるようにきっちり整理しておきます。まああんなにもがいたので、忘れることはできませんが笑

そしてすべてのステップで逆算し、妥協せずPDCAサイクルを回すこと。客観し続け、追求し続けなければどこかで必ずボロが出てしまうことも実感できました。

振り返り:チーム・ターム

これから生きていく上で、新たな人たちと協力して一つの物事に取り組む機会が多くなる気がします。

そんな中、チームビルディングの重要性に気づけたことは自分の大きな発見でした。関係性に重きを置いている組織が強い理由がわかった気がします。

自分とは違うタイプ、しかも今回は自分以外3人は女子という初の経験ができてよかったです。委任できるところはしっかり任せる。自分の課題であった部分が自然にできていました。

武者修行くる人って、高い参加料払って僻地に進んで行くんでまあ普通じゃないんですよ。普段関わることがない全国からきた、年齢も違う、ちょっと変わった大学生と一緒にやれて本当に良かったです。このプログラムの特筆すべき点の一つだと思います。チーム以外の人とも真剣に語り合ったり、お互いのバックグラウンドを明かしあったり。悩みに一筋の光を与えられるようなアドバイスをプレゼントできたり。こーゆーの、素直に最高です。

みんな本当にありがとう、これからも頑張ってこ。

最後に

一言で言うと、自信つきました。

ビジネスっていう領域での初のチャレンジで成功できたことは素直に嬉しいし、今後に必ず生かしていきたいです。

もう一つ自信がついたのは自分が進んでいる方向が間違っていないと強く思えたことです。

周りを気にしまくって競争意識強めのイキリボーイからの脱却を図るため、4年間で普通の人がしないような経験を幅広くしようと勝手に誓って1年半。

広い世界を見ることで価値観が変わっていったり、意思決定に自信がついたり、周り関係なく自分の人生を生きたいと思うようになっていますが、どうやらこれは自分にとって正しいベクトルなんだなあと。それはメンバーやFTいろんな人と話して強く認識できたことです。

武者修行にすがるのではなく、うまくあのプログラムを利用してやったぜ、と思えるようにこれから歩んでいきたいと思います。

そして、忘れてはならないのが那智勝浦町でお世話になった人々。いろいろサポートしていただき本当に本当に感謝です。間違いなく僕はこの街のファンになりました。必ずまたお邪魔します。


最後まで読んでくれた人、ありがとうございました。好きです。気が遠くなるような字数でしたが、凝縮してこのくらいのいい経験ができました。


では、また。







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水谷海人
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