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『RRR』は“感動ヒューマンアクション映画” を越えて、もはや“極上のお笑いエンターテインメント” だ。
インド発の映画で世界的大ヒットを飛ばしているのが『RRR』だ。
普段接する機会の少ない、いわゆるポリウッド映画だが、「面白すぎる」「上映時間が3時間あるけど、ずっと楽しい」等の評判を耳にしたので、このたび鑑賞してみた。
結果、めちゃめちゃよかった。そして、めちゃめちゃ笑った。
※以下、ネタバレ注意
本作は実在の独立運動指導者コムラム・ビーム(以下、ビーム)とアッルーリ・シータラーマ・ラージュ(以下、ラーマ)を主人公にしたストーリーであり、その2人がイギリス領インド帝国に戦いを挑む姿をフィクションとして描いている。
ゴーンド族の守護者であるビームはイギリス総督スコット・バクストンに拉致された村の娘を取り戻すため、反英戦争に必要な武器を手に入れるため本心を隠し警察官になっていたラーマは警察組織での出世を目指していた。
2人はひょんなことから出会い、やがて心を通わせ親友となるが、ラーマが追っていた指名手配犯がビームであることを知ると、2人は烈火のごとく格闘する。
ついにビームは逮捕され、ラーマはその功績から、武器庫の管理権限を持つ特別捜査官に昇進する。しかし、目的のために親友を裏切ったことは間違っていたと悟り、ラーマは拉致されたゴーンド族の娘とともにビームを逃がすが、このことがきっかけで今度はラーマが収監されてしまう。やがて、ビームはラーマの本当の目的を知ることとなり……。ここから先は、ぜひ映画館で鑑賞してほしい。
作中のビームとラーマはとにかく強くて、敵をバンバン倒していく様がとにかく爽快なのだ。
難攻不落のように思えた大英帝国の軍団相手でも、臆することなく立ち向かう2人の勇姿。アクションもとんでもない大迫力で、その強さも相まって笑ってしまうほどだ。このおっさんたち、強すぎない? そう誰もが心のどこかで思ったはず。
もちろん、アクションだけではない。ビームとラーマの仲睦まじい友情はもちろん、ビームが密かに心を寄せる、イギリス総督の姪でありインド文化に好意的なジェニーとの恋路も必見だ。
そのジェニーがビームとラーマを社交パーティーに呼んだ時のこと。ある白人男性が「お前らはサルサもフラメンコも踊れないだろ? 出ていけよ」と挑発すると、2人は何の前触れもなく癖つよダンスであるナートゥ・ナートゥを踊り出すのだ。
陽気で、誰が見ても笑ってしまうような切れ味は本作の魅力を詰め込んだ印象的なシーンといっても過言ではない。
ナートゥ、ナトゥナトゥナトゥナトゥナトゥナトゥ、ナートゥ♪
ずっと頭の中でループしてしまうほどの中毒性。これこそがRRR信者なのかと自分で悟ったほどだ。
踊っているシーンはこれだけではない。エンドクレジットでも主要キャストが陽気に踊っているのだが、彼らに混じり知らないおじさんが楽しそうに輪に入っている。
そう、それは本作の監督でもあるS・S・ラージャマウリだ。初見ではまず分からないが、気になった人はググった後に「いや、自由すぎるだろ!」とツッコミを入れたに違いない。
友情、恋路、正義、闘い。その全てがこの映画に詰められている。
そして、その全てが面白く、もはやこれは極上のお笑いエンターテインメントなのではないかと思えてきた。
『RRR』を観た者であれば分かるはずだ。3時間があっという間に過ぎ去ることに。そのエネルギーを映画館で体感できて、そして久しぶりに心高鳴る作品と出会えて嬉しかった。
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