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専門知識の詰め込みは限界を感じる話

最近ほぼ毎日、新聞では「専門人材」という文字が躍っています。
ただ、「専門人材」が単に「専門知識を詰め込んだ人材」と勘違いされるようだと、先行きが心配になります。
これからAI・ロボット社会になっていけば、むしろ知識だけの専門性では、人間がAIやロボットに勝てるわけがありません。
特定の範囲の知識を詰め込んだだけの専門人材をめざして、人間が今これから必死になるというのは、僕にとっては全く意味がわからないのです。

大学を卒業して28年になります。
50代になって身の回りで感じるのは、この世代でも活き活きして活動の幅を広げている方はみんな、知識だけの専門性では生きていないということです。
何に対しても好奇心が旺盛で、特に人や社会に対する関心がとても高く、むしろ専門性はないくらいです。

目の前に困った人がいれば、そのために何でも勉強します。
専門知識を仕事にしているのではなく、同僚やお客様に役立つことを仕事にしています。

こういう方々は、いつになっても勉強をやめません。
範囲も定めず、社会の変化や人の変化に合わせて、そこで役に立つためにまた勉強します。
教科書だけが教材ではありません。
通勤電車の中でも、会食の席でも、子育てでも、あらゆる場面が学習の場になっています。

関心の幅が広く、ある分野だけを深堀りして理解しているわけでもありません。
人の役に立つことに焦点を当てて、必要なことをポイントを絞って勉強しています。
だから、インプットした知識に対して、活用する際のアウトプットが多く、その幅広さに、端から見ると「いつ勉強しているのか?」と驚くこともあるほどです。
要は、実用的な知識を効率よくインプットすることに集中しているわけです。

もし足りないことがあればすぐに調べるので、検索能力がとても高いです。
幅広い知識もあるので、多角的に答えを探る能力もあります。
だから、直感的な気づきによって、特定分野だけの専門家よりも本質的な答えを導いたりもできます。

こういう方々からは本質的で新しい視点をいただけるので、会って話をするのがとても楽しいです。
きっと、日々あらゆるジャンルの方々と交流しているのだと思います。

今、ネットを探せば、ありとあらゆる教材があります。
テキストでも、スライドでも、動画でも、ありがたいことに誰かがネットにアップしてくれています。
多くの知識が、本当にありがたいことに、無料で公開されています。
検索する能力さえあれば、知りたいことは大抵インターネットにある時代に我々は生きているわけです。
自身の好奇心にあわせて分野を問わず勉強ができ、自分にしかない幅広い知識を身につけることができるでしょう。

そんな時代の中で、「ここからここまで」という専門知識の詰め込み教育は今後どうなるのでしょうか?
誰かから画一的に教材を与えられて学んだ知識は、AIやロボットが活躍する時代にどこまで通用するのでしょうか?
それよりは、まず、いま目の前にいる人や社会の悩みに対して自分は何ができるのか、ちょっと考えてみれば良いことなのではないでしょうか?

▼今回の記事は、前回の記事にいつもより多くの反響をいただいたことがきっかけで書いてみました。
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