50. クエン酸と重曹は別々にとる
2020年頃から旧ツイッター界隈で「クエン酸と重曹を混ぜてつくる炭酸水」が流行り出した。もともと山行に持参して、気分転換に飲む人がいるなど、目新しい情報でもない。
コップに入れる量、入れる順番、飲むタイミング、アレンジ等、様々な説も飛び交う。
クエン酸を教えたらダメだ!薬が売れなくなってしまう。とは有名な話。リアルな医師ルートの話も耳にした。確かに効くらしい。
最初は家にあるものを使って飲んでいたが、厳選されたものを注文したほうがよさそう。そこで、天然の重曹、無水クエン酸、純国産クエン酸を注文し始めた。いつものように泡がシュワーッとブクブク、たまにコップからあふれ出てしまうジュースをおっとっと、と飲む。夏に飲むと特に美味しいし、身体もすっきりする。頻繁に飲んでいたわけではなく、思い出した時くらいだった。他に飲む種類が多すぎて!
最近、クエン酸と重曹は別々に摂取したほうがいい、と目にするようになった。少しばかり気になってきた。どっちがいいのだろう?
気にしていると、どんどん情報が集まってくる。
酸性のクエン酸とアルカリ性の重曹を混ぜたら中和するよね。冷静に考えたら当たり前のこと。結局クエン酸だけの効果となり、クエン酸+重曹ジュースは重曹の効果を期待できない飲み物となる。
重曹は重曹の役目があるのでもったいなかった。泡を立てるだけの出番だった。
すでに研究済みの重曹の本格的な効果を知ると、これはもうクエン酸と別々にとるしかない!クエン酸+重曹ジュースはソーダと割り切って今まで通りたまに飲む。
重曹は水で溶くだけでは飲みにくいので、蜂蜜、メープルシロップなどに混ぜてなめる方法もある。特に、ブドウ糖との相性が最高で効果が高いという。重病に効くとか。
巷に突然流行り出すものには、やはり距離をとっておいた方がいい。重曹の本当の効果を隠すための誤誘導だったりして、とふと思った。
ちなみに、クエン酸ジュースの主な飲み方。
①クエン酸+蜂蜜レモンジュース(安全なレモンを蜂蜜に漬けたシロップを常備)
②クエン酸+片面紫蘇シロップ
庭に自然に(勝手に)生えてきた片面紫蘇を塩でもんでアクとりしたあとに水で煮る。甘味の種類はいろいろ。煮汁にライムやレモン、クエン酸を加えてパーッと赤紫になったら紫蘇シロップのできあがり。
自宅の庭にはその家に住む人に必要な植物が生えてくる。観察すると実に面白い。どんなに踏みつけられても、場所を移動してでも生えてくる。健康な時は雑草の種類が確かに少ない。
今年も夏の暑さにぐったりしていたら、久々に片面紫蘇がお出ましに。それが一本だけ。すくすく大きくなったので、早く使って~と言っていることにやっと気づく。ずっと昔、1メートルを超え低木のようになるくらいにずんずん大きくなってしまったときは、なんでこんなに大きくなるの!と根こそぎ抜いて捨ててしまった。片面紫蘇からの声が全く届かず。今年はクエン酸と相性の良い片面紫蘇採用。
片面紫蘇は表が緑、裏が赤、生で食べるにはいまいち向かないが、緑、赤の性質を備えているので香りが良い。赤紫蘇シロップの仕上げのように青紫蘇を加える必要がない。むしろシロップ向き。
とは調べてからわかったことで、今まではあんまり美味しくないし、と無視していた。でも、赤紫蘇までは赤くはないけれど、上品な色のシロップができた。
同じくシソ科、バジルの苗は買ってきたものだけれど、今年はバジルソースを作ってみた。クルミ、粉チーズ、ニンニク、塩、オリーブオイルでグルグル。消毒した瓶に入れた後、そっとオリーブオイルを入れると変色防止にもなる。
翌日、自家製バジルソーススパゲッティを作ったら、今まで食べた中で一番美味しかった。安全手作り。自分に合ったビタミン、ミネラルを備えて育ってくれたらしい。
スパゲッティを食べたというと、この昨今、眉をひそめる人もいそう。小麦なんて食べてるの?と。いささか面倒くさい世の中になった。一応、小麦はなるべく避けている。グルテン問題も農薬問題も軽視はできない。体感として国産小麦を使っているパンでも多く食べると不調、うどんは微妙だが、パスタ類は不調を感じない。有機デュラム小麦のセモリナは大丈夫のもよう。
食べ物に気を使いすぎているとしまいに食べられるものがなくなってしまう、という記事を読んだ。すぐに不調になるわけではないけれど、これは身体によくないからと情報だけで遠ざかる。もちろん、昔の人は古代小麦を食べていたから問題なかったこともあるだろう。
人体の高機能、免疫、解毒作用も信頼したい。以前、南極大陸で何カ月か米だけの食事をする、という実験があった。結果は米があらゆる栄養素に変換され、健康に過ごせた、という。白米だけだと脚気になるのでは?他に運動するなど何らかの条件を付けたのか覚えていないが。
最近の研究では米がタンパク質に変化し、肉は一旦炭水化物になってからタンパク質に戻る、と知った。つまり、炭水化物をしっかり食べていればよいということ。江戸時代の肉体労働者が西洋食に替えた途端にハードな動きができなくなり、元通りの和食に戻したという逸話もある。
昔の人は玄米を食べていたわけではなく、ある程度精米している。玄米を消化できる人はいるが、病人が摂取するには一定期間であること。玄米が体質的に合わない人もいる。今まで出会ってきた玄米オンリーの人は、白髪が多い、しわが多い、年齢より老けてみえる人が多かった。なぜなら、解毒するとともに必要なビタミン、ミネラルも排出してしまうから。しわだらけなのに、まさか玄米食とは気づいていない。
いつか、真実の栄養学も表に出てくるのでしょう。今は直感を大切にして自分の身体と対話しながら、植物からのサインも無視せずに取り入れていこう。