【福井県越前町】料理旅館「こばせ」
2024年のNHK大河ドラマ「光る君へ」で、主人公の紫式部(まひろ)は父・藤原為時とともに越前国(福井県)に向かいます。越前市は紫式部親子が暮らした町で、市中心部には当時の書院造りの建物を再現した「紫式部公園」があり、大勢の市民や観光客でにぎわっています。
越前市中心部から車で30分ほど走ると越前海岸に出ます。若狭湾の入り口に位置する越前町梅浦という集落にあるのが、開高健が何度も訪れ、越前ガニを賞味した料理旅館「こばせ」です。訪ねたときはあいにくのオフシーズンで、カニをいやというほど盛った名物「開高丼」は残念ながら食べられず。その代わり、開高が泊まった3階の部屋「安入望(あんにゅうぼう)」を見学させていただきました(冒頭の写真)。
こばせと開高は長い付き合いでしたが、5代目館主の長谷裕司(はせ・ひろし)さんによると、館内でカニを食べている写真は撮らなかったとか。プライベート空間を大切にしてくれる旅館だからこそ、開高も何度もを足を運んだのでしょうね。(池)