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回復のレシピ

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#料理

バターが溶けたいパン

自分がバターだったとして、どのパンに溶けたいだろうか。 世の中においしいパンはいろいろあれど、溶けたいパンランキング第一位は、マーヴェックさんです。 トースタの中でうっすら表面に汗をかき、バターナイフで擦られて「あああぁぁぁ」と声をあげながら、溶けてしまいたい。 それから人間の口に入るまでのわずかな間、液体になって、パンの深層部へ「ヤァ、オジャマシマスネ」とあいさつしながら潜りこんでいきたい。

浜松のうなぎが高いのは

うなぎを焼く。奥にしまってあるツボのふたをあけて、タレをじゃぼんとつけて、そっとひとぬり、ふたぬり。 お待ちどう、今日のうな重です。 愛情というのは、うなぎのたれに似ている。毎日毎日継ぎ足して、人様の家のものを盗んだり、借りたり、することはできない。 うまみだけじゃない。苦味も、えぐみも、辛味もある。塩味がやたらきついのは一子相伝ゆえ、ご愛嬌。 うなぎやは一生かけて、そのタレを毎日毎日継ぎ足して使っていく。 瓶の底が見えては一休みして継ぎ足し、瓶にヒビが入ればこれま

ご飯にも、そうめんにも、アイツのアタマにもかけたい「ムカツイタトキニタベル粉」のレシピ

奈良産の香味野菜を奈良産の菜種油でコトコト煮出し、唐辛子に染み込ませてつくる「ムカツイタトキニタベル粉」。 体がなんだかだるくていらいらしてしまう。気分もじめじめして、つい“アイツ”にあたってしまう。そんな梅雨どきの体と心を、すっきりとリセットしてくれる。 ご飯にも、そうめんにも、カレーにも、アイツのアタマにも。何処にかけても良く合います。 ムカツイタトキニタベル粉のレシピ 油100cc/香味野菜(ねぎ1本、しょうが1かけ、花山椒5粒)/唐辛子300g ①ムカツく。

19円のごちそう、敗者復活戦の「もやし炒め」のレシピ

午後8時、全国のスーパーマーケットでは敗者復活戦が繰り広げられている。 養殖ブリの刺身、コーンコロッケ弁当、もめん豆腐。 どの選手もみんな、「半額」と書かれた赤と黄色のシールをでかでかと貼り、今か、今か、と手に取られるのをカウントダウンしてる。 でも、この敗者復活戦は全然フェアじゃない。 あっとうてきに不利な食材が一人、 もやしだ。 100g300円の牛すじ肉はいい。150円もお得になるのだから。「冷凍庫、まだ空いていたような・・・買っておいてもいいよね?」と、衝

「ジェノベーゼ?」「ババベーゼ!」のレシピ

和製パスタとしてなじみの深い「ジェノベーゼパスタ」。本場イタリアでは、バジルペーストをからめたパスタを「ペスト」というらしい。 でも、イタリアから約9700km離れた日本国奈良県には、そんなことお構いなしのご当地ジェノベーゼがある。今回は、地元のマダムやサラリーマンたちに親しまれている喫茶店でいただく「ババベーゼ」の話。 喫茶アーガイルは、10階建ての団地1階商店街にある。お隣りには、クリーニング店があるから、パスタソースをこぼしても駆けこめばなんとかなる。 アーガイル

奈良川上村の柿の葉寿司を「塩分」「重さ」「会話の秒数」で食べ比べてみる

奈良県に来たら、かならず食べたいものがある。 それは、柿の葉寿司。 海なし県の奈良において、三重県熊野市で水揚げされたサバに塩をふり、2日間かけて届けたことからはじまったローカルフードです。 知名度は比べものにならないけれど、「福岡へ行ったら、どの店でもいいから豚骨ラーメンを食べたい」とか「もうおなかいっぱいだけど、名古屋駅のホームできしめんをすすって帰ろ」という感覚に近いかも。 大手の柿の葉寿司は、JR・近鉄奈良駅周辺でも手に入ります。それはそれでおいしいのだけれど