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うなぎを焼く。奥にしまってあるツボのふたをあけて、タレをじゃぼんとつけて、そっとひとぬり、ふたぬり。 お待ちどう、今日のうな重です。 愛情というのは、うなぎのたれに似ている。毎日毎日継ぎ足して、人様の家のものを盗んだり、借りたり、することはできない。 うまみだけじゃない。苦味も、えぐみも、辛味もある。塩味がやたらきついのは一子相伝ゆえ、ご愛嬌。 うなぎやは一生かけて、そのタレを毎日毎日継ぎ足して使っていく。 瓶の底が見えては一休みして継ぎ足し、瓶にヒビが入ればこれま