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「うちの区内で何をはじめるのか」からはじまる世話人ヒストリー ~グループホーム設立秘話後編~
こんにちは!
外部広報担当の三好です。
前回のグループホーム設立秘話前編では、グループホーム設立のきっかけをご紹介しました。そして1ヶ所目開設にあたり、読谷村内で「世話人(利用者に必要なサポートを総合的に行う人)」を探していたところ、なんと当時の区長さんが事務所に乗り込んできたとのこと!
果たして乗り込んできた区長さんに隆生さんの想いは伝わるのでしょうか。当時の区長・友利さんも交えて、お話を聞かせていただきました。
説明を聞いてもよくわからない!区長がとった行動は...
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友利さん「最初は福祉っていうから、お年寄りか子ども向けの支援かなと思ったわけ。だけど聞けばちょっと違うから、うちの区内で何をはじめるのかと思って心配で事務所に行ったわけさ」
隆生さん「僕としては、なんとしても世話人を探したかったんです。グループホームは入所施設にいた方にとって地域生活を送る第一歩。自立の最初のスタート地点なので、ここで負けるわけにはいかないと区長の説得に入りました」
友利さん「だけどね、説明を聞いてもよく分からないでしょう。私が聞いて分からないものを地域の人に紹介することはできんって思ってね。だから私がやるって言ったわけ」
!
三好「区長が世話人を、ですか?」
隆生さん「そうそう。分からないものに地域の人を紹介できないから、私がやってみてから決めるってね」
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友利さん「で、何すればいいの?と聞いたら食事をつくったり見守ったりだと言うもんだから、最初は簡単だと思ったよね。昼だけ行けばいいかって。だけど甘かったね。命を守る仕事さ。簡単じゃないよ。結局1日中いなきゃいけなくて大変だったよ。」
隆生さん「だから結局、世話人一本でやるって言って、区長の仕事やめたんだよね。」
!!
三好「区長、やめたんですか?」
友利さん「うん、やめた。世話人が重要な仕事だと思ったからね。決して片手間ではできない仕事だし、これはとても必要なことだ、私の役目だと思ったわけ。区長はね、誰でもできるから。」
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ということで1ヶ所目のグループホームで世話人をやり、区長を退任して世話人に注力した友利さん。なぜ区長という大役をあっさりと手放し、試しにやってみた世話人を本業にしようと思ったのでしょう。聞けば、友利さんはもともと鍵っ子として育ち、毎日公民館で親の帰りを待っていた幼少期を過ごしたのだそうで。
友利さん「私は誰かの手助けがないと生きていけなかった。そんな幼少期を過ごしたもんだから、与えられた環境で学んだことを活かせるのは区長ではなく世話人だと直感したんです。やってみてすぐ私の役目だとわかったから、迷うことはなかったね」
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こうして友利さんは区長を辞め、世話人一本で従事。さらにその後、県内8か所(読谷村に7ヶ所、嘉手納町に1ヶ所)にまで増えたグループホーム全ヶ所の世話人を自ら見つけてきたというから驚きです。
隆生さん「普通、世話人ってそんな簡単に見つからんよ!だけど友利さんが『この人なら信頼できるから』って毎回、見つけてくる(笑)。多分こんなにスムーズに8ヶ所の世話人が決まったのはうちだけだと思います。」
こうして順調に世話人としての役割を果たし、現在は統括世話人として各グループホームを見守る友利さん。現在は毎日8ヶ所で勤める世話人さんの顔を、朝昼晩見に行くのだとか。
友利さん「毎日朝と昼と晩、顔を見ないとその人がどういう状態なのか分からんさ。人間だから。自分が抜擢した責任があるからね。」
とても活発で自由で、それでいてとても面倒見がよい友利さん。熱い想いをもって現場を仕切ってくれるため、隆生さんも安心して任せられるのだといいます。
友利さん「来なくなったよね(笑)。よく現場に来いって言ってるんだけど。」
隆生さん「友利さん、現場に来ないからってたまに家に乗り込んで来るからね(笑)。」
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「区長として分からない仕事に人を紹介できない」「だから私が働く」という発想。そして偶然とは思えない出会いは、隆生さんが引き寄せているのかもしれないと勝手ながら思いました。このおふたりは出会うべくして出会っているんだろうなぁと。なにせ、めちゃくちゃ仲良しなのです。
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親子のように思い出を語り合い、いじり合い、「ふたりきりのときはバカ息子って呼ばれるからね~」と笑う隆生さん。「そうだっけ?」ととぼける友利さん。
おふたりのやりとりを見た後、帰りの車の中でちょっと羨ましい気もちになりました。
というわけでグループホーム世話人さんは友利さんが見つけてくるそうなので現在募集はしていませんが、海邦福祉会では常時正社員・パートタイムスタッフを募集しています!
隆生さんのマインドを学びたい方、友利さんと一緒に働いてみたい方は募集要項をチェックしてみてくださいね~。次回はグループホームに行ってきます!