AIを交え、隠になる【#未来のためにできること】応募作品
私はホームヘルパーとして、日々、ご利用者様の家を訪れています。日常の中で、最近では、AIにより介護の現場でも変化が見られるようになりました。
すでに、話すAIは多彩で、ご利用者様のご自宅でも活用されています。これからも成長し、私たちの生活に浸透していくのではないでしょうか。
AIの登場当初、私は対抗心を抱いていました。「そうなのですね!」と、AIに話しかけるご利用者様との間に割って入る始末。にもかかわらず、ご利用者様からは温かな人情を込めた、優しいお言葉をかけていただきました。自分が恥ずかしくなりました。
私というヘルパーは、そもそもが、「黒子」のような「隠」の存在であることを目指しています。あえて目立たずに、他者や状況を引き立てる存在を指します。
今ではAIを交え、与えられた役目と立ち位置を模索しています。
例えば、私はチャットボットを利用しています。チャットボットに「人とAIの関係は将来どうなりますか」と問うと、「人とAIは共存・協力しつつ、人間性の価値が再評価される」との回答が得られました。その言葉を踏まえ、今後も考え続けます。
来たる将来は、ご自宅でも、AIが介助を担う日が来るのかもしれません。聞けば「ロボットに介助されたい」という方が増えているそうです。気を遣わず、安全面で信頼できることがその理由でしょう。その時、私に何が出来るのか?
人間のヘルパーは、よりファシリテーターとしての役割に移行していくのかもしれません。ファシリテーターは、集団において中立的な立場で、皆様が効果的に意見を交わし、合意に達するサポートをします。
他の要素も含め、いずれにせよ、自然に関わらせて頂けるよう進化を遂げ、「隠」となります。
今朝も傾聴から始めましょう。
「おはようございます!」
声に張りがありますね。
昨晩はよく眠れましたか?
ご利用者様は、今、私の目の前で、強く、強く、輝いていらっしゃいます。