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自分は特別な存在ではなく、ただの普通の人間であるという現実は辛いだろうけど。
以前、徒歩で日本縦断するとかいってクラファンして無計画過ぎるって事で炎上した少年(当時19歳)がいたんですが、結局4年たっても旅らしい旅は特に何にもしてないみたいだし、最近はなんか自宅でダーツ投げる生配信とかしていて、まーそんなもんだよなって思いました。
本当に旅がしたかったわけじゃなくて「日本縦断した男」というステータスが欲しかっただけなんですよね。わかる。そういう時期ってあります。で、それが簡単には手に入らないという事が解って熱が冷めたと。まあそんなところですよね。
本当の旅人は、どんなに仕事や私生活が苦しくても(距離や時間を短くしてでも)旅はやめてないですもんね。というか、やめられていない。結果より過程とかそういうレベルの話じゃない。生き方そのものなので、病気や怪我をしてもやめられない。
そっち側の人間じゃないとそういう大きい達成は難しいかもしれませんね。
だから価値があるんですが。
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当時、登山や自転車、徒歩旅系のガチ勢の皆さんが「まずは30,50,100kmってちょっとづつ実績積めばいいのに」みたいな事を言っていましたけど、あのテの人間は努力とか経験の積み重ねっていうのを極端に嫌うからまあ無理なんですよね。
自分には隠れた実力があり、なにもしなくても、いざという時は、やればできるって本当に思ってる筈だから。
東京に出てきて見知らぬ地でウーバーやれるガッツがあるじゃんとも思いましたが、もしかして単純に遊びにきて遊ぶ金を現地調達してただけだったりします?ワーホリみたいなかんじで。
兎にも角にも、戦わないやつらのネットリンチだとか若者の夢を壊すなとか散々盛り上がったのも虚しく、結局そういうのじゃなかったっていう答え合わせになっちゃった。
まあ、当時からみんな解ってたと思うんですけど、オッサンになるともう顔見ればだいたいわかるんですよ。やる奴とやらない奴。そりゃ例外も演技上手もいるけど、やってきた奴とやってこなかった奴の顔のサンプルをたくさん持ってますからね。嫌になるくらい。
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架空の自尊心が肥大化した人々にとって、特別な能力や才能を持たないただの普通の人であるという事実は残酷でとても辛いでしょうけど、手順や経験、結果を積み重ねていくことにも才能は必要なんです。
それを持っていなかったって事でまあいいじゃないですか。
結果だけを欲しがった無謀なチャレンジの結果、時間、金、未来、もしくは命……大切なものを失った人達も沢山見てきました。
やらない以上は死ぬこともないし、その方が彼にとっては幸せな事だったと思います。
別に立派な人間になれなくても、健康で生きていてくれる事のほうがよっぽど大事ですからね。
それでいいじゃないですか。
普通の人は、普通に生きていきましょう。
おしまい
※ただまあ、貴重な20代の四年間をどぶに捨てたなーとは思う。そうやってスタートの合図を見逃しているうちに、いつの間にか取り返しのつかない場所に立ってる。走り出した人達との差は残酷なまでに開いてしまい、それを認識してしまったとき、若い頃に処理しきれなかった劣等コンプレックスと後悔の念から狂わないといいけど。